カルソニックと同じく、開幕戦の雪辱を晴らしたいのがARTA NSX-GTだ。開幕戦では予選2番手グリッドを獲得したものの、レースでは11位フィニッシュ。ワンツーを達成したKEIHIN、RAYBRIGと、同じブリヂストンユーザーとして大きな差を付けられてしまった。今回の富士はウエイトハンデも0kgで大きなチャンスだが、ARTAの伊沢拓也は意外と冷静に現状を見つめる。
「もちろんトップに行けたらいいなと思いますけど、ウチは事前の富士テストではそんなに良くなかった。開幕戦でも他のNSXより速さがなくて、レースの最初のスティントで(予選2番手から)10番手まで順位を下げてしまいました。(優勝した)17号車(KEIHIN)とはそこまで大きな差はないと思いますけど、100号車(RAYBRIG)が飛び抜けて速い印象でした。開幕戦を見る限り、NSXが全車が速いという訳ではないと思います」
開幕戦では同じブリヂストンユーザーで同じコンパウンドのタイヤを使っていても、チームごとのわずかなセットアップの違いや使用パーツの違いでタイム、順位差が大きく出てしまった。この傾向はレクサス陣営内だけでなく、ホンダ陣営内でも同じようのようだ。
「レクサス陣営も全車速いわけではないですからね。そういった差は、結構あると思います」と伊沢。「今回も30kgのウエイトハンデがありますが、100号車は速いと思います。500kmのレースなので、なんとか上手く進めて表彰台を狙っていきたいですね」と、今回の抱負を語った。
これまで安定したパフォーマンスを見せていたブリヂストンユーザーだが、開幕戦ではチームごとの差が大きくなりはじめた。そこにミシュラン、ヨコハマ、ダンロップ勢がどのように絡んでくるのか。タイヤメーカーの差が付きにくく、メーカーごとのパフォーマンス差も薄れて、チーム単位での戦いになりそうなのが、今シーズンの戦国模様のGT500クラスだ。
第2戦富士の天候は予選日が雨上がりの難しい路面コンディションとなりそうで、決勝日はドライの予報。長丁場の戦いではマシンのパフォーマンスだけでなく、レース戦略やピットストップ、そしてセーフティカー時の臨機応変なリアクションなど、チームの総合力が試される。低気温でイマイチ勢力図が見えずらかった開幕戦のGT500クラスだが、この富士戦ではその真の実力が明らかになりそうだ。