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スーパーGT ニュース

投稿日: 2021.05.10 15:38
更新日: 2021.05.10 15:40

MaxRacing 2021スーパーGT第2戦富士 レースレポート

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スーパーGT | MaxRacing 2021スーパーGT第2戦富士 レースレポート

Max Racing
レース結果報告書
2021SUPER GT Rd.2 富士スピードウェイ

日時 2021年5月3~5日
■車両名 たかのこの湯GRsupraGT
■場所 富士スピードウェイ
■ゼッケン 244
■監督 田中哲也
■ドライバー 三宅淳詞/堤優威
■チーム MaxRacing
■リザルト予選24位/決勝11位

決勝を見据えた戦略も機能せず。課題を残す結果に

 走るチームオーナーGo MAXの元、熱血、田中哲也監督が率いるMax Racingは2021AUTOBACS SUPER GT第2戦「たかのこのホテル FUJI GT500km レース」に臨みました。

 21年シーズンからマシンをGT300規定のGRスープラにスイッチ、20年から継続となる三宅淳詞と、21年レギュラーとして新加入、堤優威の若手コンビにステアリングを託します。第1戦岡山では、岡山における公式テストにマシン完成が間に合わず参加していないハンデを乗り越えて着実に5位入賞。チームにスーパーGTにおける初ポイントをもたらしました。ドライバーもチームもニューマシンについてこのレースを通して習熟。その経験とデータを次に活かしてさらなる飛躍を狙う。そうした思いを胸に5月3〜4日、富士スピードウェイにおけるレースに臨みました。

 天気予報では両日とも晴天。特に決勝が行われる4日は気温の上昇が見込まれました。通常の300kmではなく500kmレースであり、決勝ペースが重要なことを加味して公式練習では三宅がまず走行してタイヤ選択とセットアップを確認して、堤がロングの確認を行います。決勝での気温上昇を見込みハードを選択して、このタイヤを履いて堤が連続周回します。ここで公式練習のベストタイムとなる1’37.527を記録。想定される決勝ペースに対して充分な手応えを得ることができました。

2021スーパーGT第2戦富士 たかのこの湯 GR Supra GT(三宅淳詞/堤優威)
2021スーパーGT第2戦富士 たかのこの湯 GR Supra GT(三宅淳詞/堤優威)

 しかし、決勝重視のタイヤチョイスは予選一発のラップタイムの伸びに対しては不利であり、Q1を担当した三宅がターゲットタイムをクリアして1’36.968を計測4周目にマークしたもののA組の12番手に終わり、Q2進出は叶いませんでした。トップとは1秒005の差。ちなみにB組との比較では、Q2進出可能なタイムであり、組み合わせの不運もあったと言えるでしょう。24番グリッドから決勝スタートを迎えることになりました。

 予選ポジションよりも、決勝ペースを重視したタイヤ選択をしてレースに臨んだだけに、レースでの追い上げに期待がかかります。500kmレースにおいては2回の給油とドライバー交代が必要です。3つのスティントに分けられるレースの最初と最後を堤が担当。三宅が中間のスティントを担当します。

 哲也監督の戦略としては、上位チームがやってくると想定される1回目のピットインでのタイヤ無交換、あるいは前後片側交換の戦略を同じように採用して、ピット時間を短縮してポジションを上げることを狙うというものです。スーパーGTにおいては燃料給油中にタイヤ交換作業は禁止であり、タイヤ交換を省くことでピット停止時間が短縮できます。車両重量の重いFIA-GT車両では採用しづらい戦略でもあり、GT300規定車両の強みを活かした戦略です。

 また、今回のレースから正式導入が決まったフルコースイエロー(FCY)もレースのカギを握ると想定されました。コースサイドに停止車両があるなどレース継続が危険な状況下で、これまではセーフティカーが導入されていましたが、この場合にはクラス別整列などに時間を要するだけでなく、それまでの車間がなくなってしまい、運不運にレース結果を大きく左右される状況が生まれていました。システム運用の技術問題を解消して今回のレースからFCYが導入されることになったのです。FCYが宣言されると各ポストだけでなく、ドライバーには車載インジケーターに指示が飛び、80km/h定速での走行が義務付けられてピット入口はクローズドされます。

 スタート担当の堤はレース序盤に着実に順位を上げて、3周目にGT500車両のトラブルにより導入されたセーフティカーがピットに戻り、リスタートが切られた6周を完了した時点で18番手まで浮上。その後も早期にピットインする車両があったこともありFCYが出た29周目には11番手にまでジャンプアップしていました。

 ルーティンピットの1回目はFCYが解除された翌周の31周目。ここで三宅に交代します。事前に堤へタイヤに問題がないことを無線で確認。当初の作戦通り左側2輪だけを交換してピット時間を短縮してマシンをコースに送り出しました。しかし、ここから三宅は苦しい状況に見舞われました。右側タイヤがすでに30周以上使っていたことともに、路面温度が次第に低下して、タイヤ適正温度レンジから外れてしまったのです。

 レーススタート時刻は14時半。第2スティントを迎える頃には15時半を過ぎており、陽が傾くにつれて路面温度も30度を割り込んでいました。上位が1分38秒中盤から前半でラップしているのに対して、1分39秒後半のアベレージです。充分なタイヤのグリップが得られず、さらに上位を狙う余力は残されていませんでした。順位は16番手前後です。それでも三宅はなんとかコンスタントにラップタイムを刻み続け、65周目にピットイン。ここで堤に再び交代します。

2021スーパーGT第2戦富士 たかのこの湯 GR Supra GT(三宅淳詞/堤優威)
2021スーパーGT第2戦富士 たかのこの湯 GR Supra GT(三宅淳詞/堤優威)

 路面温度の低下に合わせてタイヤをミディアムに変更。4輪交換をしてコースに送り出します。ニュータイヤ投入によってペースアップを図りたいところですが、堤が乗って6周目に決勝ベストラップの1’38.351をマークした後はグリップ力が継続せず、1分40秒台での周回を重ねました。順位としては他車の脱落もありポイント獲得一歩手前11位でのゴールでしたが、今後に向けての多くの課題を発見したレースとなりました。

 次戦、第3戦の舞台は鈴鹿サーキットです。ダウンフォースを武器としてコーナーリングが得意なGRスープラ本来のパフォーマンスを引き出して、頂点を目指して戦います。

田中哲也監督

「今日のレースは単純に速さが足りなかった。その一言に尽きます。どんなにいい作戦を採れたとしても勝つことは無理だったし、速く走れませんでした」

「最後のスティントもタイヤをミディアムに変更したものの速さがなかった。同じGRスープラを使う52号車、60号車に対して、このスティントだけをみれば4輪タイヤ交換の同条件。ガチンコ勝負でした。しかしドライバーに「悪いけど譲ってやってくれと」無線で指示しなければいけない状況でした。52号車に抜かれて、60号車に抜かれて周回遅れになった。完全に力負け。チームとしてドライバーに申し訳ない結果となりました」

「我々はドライバー育成が目的のチームではないですが、それもテーマのひとつです。次の鈴鹿に向けて、ドライバーにプレッシャーがかかるような勝負できる状態を整えたいと思います。

三宅淳詞

「決勝は気温が上がり、まわりのペースが落ちることを期待しましたがそれはなく、むしろボクらのペースが上がりませんでした。同じスープラがあれだけ上位にいるので、タイヤだけでなくドライビング、マシンのセッティングもライバルと違うと思うので、差が生まれている原因を探らなければいけません」

「次の鈴鹿はタイヤに厳しいコースですし、抜きにくいコースです。予選で前に行く必要もあり、かつロングでも速くなければ通用しません。しっかり対策してがんばります」

堤優威

「予選は硬いタイヤで臨み、24位になってしまいました。決勝ではスタートを担当して、なるべく周回を引っ張っていくことを前提としていたこともあって、FCYのタイミングでピットに入れずに、そこでちょっと損してしまいました」

「第3スティントでは柔らかいタイヤに換えていきましたが、最初の3〜4周はよかったものの、路面温度が下がった影響もきつく、タイヤの温度レンジから外れた状態ではペースを上げられませんでした。公式練習も含めて一発の速さを見せらないまま終わったのが悔しいです。足りないのがセットなのかタイヤなのかわかりませんが、チームと相談して次戦以降改善できればと思っています。

2021スーパーGT第2戦富士 たかのこの湯 GR Supra GT(三宅淳詞/堤優威)
2021スーパーGT第2戦富士 たかのこの湯 GR Supra GT(三宅淳詞/堤優威)
2021スーパーGT第2戦富士 たかのこの湯 GR Supra GT(三宅淳詞/堤優威)
2021スーパーGT第2戦富士 たかのこの湯 GR Supra GT(三宅淳詞/堤優威)


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