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スーパーGT ニュース

投稿日: 2022.10.06 21:39

TGR TEAM SARD 2022スーパーGT第7戦オートポリス レースレポート

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スーパーGT | TGR TEAM SARD 2022スーパーGT第7戦オートポリス レースレポート

DENSO KOBELCO SARD GR Supra
第7戦オートポリス、力戦奮闘の10位フィニッシュ

2022 SUPER GT 第7戦「AUTOPOLIS GT 300km RACE」(10/1-2)
オートポリス(1周4.674km)
入場者数:予選6,000名、決勝11,000名 合計17,000名

 10月2日(日)、SUPER GT第7戦「AUTOPOLIS GT 300km RACE」の決勝が行われ、11番グリッドから不退転の覚悟で勝利を目指したDENSO KOBELCO SARD GR Supraは、スタート担当の関口が巧みな位置取りからオープニングラップで早くも2台をかわし、2つ順位を上げる勢いを見せた。その後、ペースが上がらない苦しい状況に陥るも関口が9位のポジションをキープ。ピットタイミングを後にずらして他車とのギャップを埋めようとオーバーカット戦略を試みた。

 暫定1位で最後のプッシュを行い40周を終え満を持してピットイン。素早くピットワークを終え、11位で戻った中山はトップペースで前とのギャップを削っていく。途中FCYなどもあり上位を追い詰めるには残り周回数が少なく、前走車に約1秒と迫った65周でチェッカー。最終的には10位に滑り込みポイントを獲得した。ドライバーポイントは1点を獲得(計33点)、チームポイントは4点を獲得(計51.5点)し、ランキング8位に後退。ドライバーポイントリーダー(3号車)とは25点差となってしまい、力戦奮闘を見せるも残念ながら最終戦でのタイトル挑戦権を失う結果となった。約1ヶ月後の最終戦もてぎでは、シーズン有終の美を飾れるようにチーム一丸となって最後まで戦い抜く。

■事前情報

 前戦第6戦SUGOでは、今季タイトルへの望みをつなぐ6位フィニッシュでランキング6位をキープしたDENSO KOBELCO SARD GR Supra。第7戦は、大会公式画像にマシンが描かれるなど期待も高い、九州ラウンドの「AUTOPOLIS GT 300km RACE」。10月1日(土)午前に公式練習、午後にノックアウト方式(Q1、Q2)の公式予選で、2日(日)決勝は13時30分スタート。レース距離は300km(65周:約2時間)で争われ、ドライバー交代を伴うピットストップは1回が義務付け。サクセスウェイトは現獲得ポイントと同じとなる32kgを搭載する。この条件でのオートポリスでのタイムの落ち込みは、約0.7秒ほどと大きいと予想される。

 オートポリスは阿蘇外輪山の北方に位置し、標高900m、アップダウンの大きい高低差52mのマウンテンコースで、コース幅は狭く前半ダイナミックかつ後半テクニカルなレイアウト。オーバーテイクポイントは限られており、特にセクター3では遅い車両に詰まるとタイムロスを喫しやすい。現在ランキングトップとのドライバーポイント差は22点であるが、2022年シーズンも大詰めとなり、タイトル争いに生き残るには勝利は必須条件。ノーポイントでは終焉、表彰台を逃せばタイトルの望みがかなり少なくなるため、伸るか反るかの大一番勝負となる天王山。タイトル挑戦権を懸けた最後の関門となるため、緊迫した戦いが予想される。脇阪寿一監督のもとチーム一丸となって、何があっても最後まで戦い抜く、不退転の覚悟で勝利を目指していった。

■公式練習走行

 1日(土)9時20分から開始された公式練習走行は、気温21度/路面温度28度の快晴の中、95分間の混走セッションが開始された。まずは確認のためソフト側ドライタイヤを装着して関口がアウトイン。その後、ミディアム系ドライタイヤを装着して5周目に1分35秒752の10番手タイム。プッシュアンダーの症状が出るコーナーがあるということでクルマのセット変更を行いながらタイヤ評価で14周を走行した。15周目からは中山が同じタイヤのままロングランを実施。28周目から再び関口が乗り込みクルマの状況を7周ほど確かめた。混走セッションは34周を走行して、関口がマークした1分35秒752のタイムで13番手となった。

 10分間のGT500単独セッションでは、気温24度/路面温度39度に上昇。関口がミディアム系タイヤでアタックシミュレーションを実施。赤旗中断を挟んだため十分なウォームアップとはならなかったが、4周目に自己ベストタイムとなる1分35秒339をマーク。公式練習走行ではトータル39周を走行し、単独セッション4周目のタイムで11番手となった。その後のFCYテストは関口が担当。ロングランしたユーズドのミディアム系タイヤを再び装着して9周を走行。サーキットサファリでは中山が4周ほど走行し、クルマの状況の確認を行って午後の公式予選へ向けて更に調整を進めることとなった。

2022スーパーGT第7戦オートポリス DENSO KOBELCO SARD GR Supra(関口雄飛/中山雄一)
2022スーパーGT第7戦オートポリス DENSO KOBELCO SARD GR Supra(関口雄飛/中山雄一)

■公式予選
■Q1:関口がセクター1トップも不運で12番手に

 1日(土)15時33分から開始されたQ1は、気温25度/路面温度39度の晴れ。残り6分半ほどでコースインをした関口は、ハード側タイヤを選択。3周目に決めると気合い十分に乗り込んだ関口は、速いペースでタイヤをウォームアップ。3周目にアタックに入ると、セクター1で全体ベストとなる驚速の17秒台を記録。続くセクター2では若干遅れてしまうがQ2進出圏内を走行。しかし、T15で付近で前走車の12号車に追いついてしまい、突如ダウンフォースが抜けアウトに膨らんでしまう不運でコンマ3秒以上もタイムロスを喫してしまう。激しく僅差のタイム合戦が繰り広げられたQ1で、Q2進出圏内のセクタータイムを刻んでいたが、不運によりQ1突破にコンマ1秒強足らずの1分32秒932の12番手となった。決勝は厳しい予選順位からスタートとなったが、気を取り直して、ここからの逆襲を狙っていった。

■決勝
■ウォームアップ走行

 2日(日)12時10分から開始されたスタート前20分間のウォームアップ走行は、気温25度/路面温度41度の快晴。まず関口がハード側ニュータイヤをベディング。赤旗中断を挟みながらユーズドのミディアム系タイヤで決勝セットを確認した。続いて8周目からは中山に交代して同じく決勝セットの確認を行った。ウォームアップ走行はトータル11周を走行し、6周目に関口がマークした1分37秒405の5番手タイムで決勝への準備を整えた。

■決勝レース
第1スティント:関口が巧なドライビングで2ポジションアップ

 2日(日)5分遅れの13時35分決勝スタート時点は、気温25度/路面温度43度で、快晴で夏のような陽射しが照りつける暑さのコンディションとなった。大分県警のパレードラップ1周とフォーメーション1周の後に、激しいポジション争いをしながらも整然としたスタート。

 予選上位にペナルティによる降格車両があったため、6列目のイン側11番グリッドから不退転の覚悟で勝利を目指していったDENSO KOBELCO SARD GR Supraを駆るスタート担当の関口は、オープニングラップでコーナリング前からの進入で巧みな位置取りから仕掛けて16号車と23号車を技ありのオーバテイクを披露し、2つ順位を上げ9位にポジションアップと勢いを見せる。

 その後、GT300が絡み始めた9周あたりからペースが上がらない苦しい状況に陥ってしまう。後方から追い上げてきたポイントリーダーの3号車に、フルコースイエロー(FCY)を挟みながら、関口が9位のポジションをキープする防戦が続く。

 22周を超えると他車がピットインを始めたが、コース混雑とタイヤ交換後の他車ペースを注視しながら、ピットインタイミングを後にずらして空いたコース上でプッシュをかけて他車とのギャップを埋めようとオーバーカット戦略を試みた。

 思うようにペースが上がらない状況ながら28周からは暫定1位を走行。ピットアウト後の戻るポジションや混雑状況、下がってきた路気温と、その後のフレッシュタイヤでの挽回ペースなど、様々なシミュレーションを検証しながら、スティント最後のプッシュを関口が行い40周を終えて満を持してピットインとなった。

2022スーパーGT第7戦オートポリス DENSO KOBELCO SARD GR Supra(関口雄飛/中山雄一)
2022スーパーGT第7戦オートポリス DENSO KOBELCO SARD GR Supra(関口雄飛/中山雄一)

第2スティント:中山がトップペースで追い上げるも10位フィニッシュ

 素早くピットワークを終え、11位で戦列に戻った中山はフレッシュタイヤの利を活かしてトップペースで前とのギャップを削って追い上げを図っていった。我々より1周後にピットインしてペースの良い37号車にかわされるも、38号車がトラブルストップして、11位のまま走行していたが、FCY導入があり、上位を追い詰めるには残り周回数が少なくなってくる。56周目にペナルティのあった8号車をかわして10位に。その後も上位ペースで周回を重ねたが、前走車に1秒差まで詰め寄った65周に10位でチェッカー。

 ドライバーポイントは1点を獲得(計33点)、チームポイントは4点を獲得(計51.5点)し、ランキング8位に後退。ドライバーポイントリーダー(3号車)とは25点差となってしまい、残念ながら最終戦でのタイトル挑戦権を失う結果となった。1ヶ月後の最終戦もてぎでは、シーズン有終の美を飾れるようにチーム一丸となって最後まで戦い抜く決意を新にした。

2022スーパーGT第7戦オートポリス DENSO KOBELCO SARD GR Supra(関口雄飛/中山雄一)
2022スーパーGT第7戦オートポリス DENSO KOBELCO SARD GR Supra(関口雄飛/中山雄一)

■関口雄飛

「予選Q1はセクター3で前に近づきダウンフォースが抜けてしまいコンマ3秒ぐらい失い残念な予選順位となってしまいました。決勝ではコンディション変化からかウォームアップで違和感があってグリッドで調整してもらいましたが、うまく改善されずにペースが上げられませんでした。決勝走行中、どうすれば前に出れる監督以下みんなで考え、結果はうまく行きませんでしたが、色々と今シーズンは柔軟に考えてチームとして色んな対応をしてくれた事に感謝しています。タイトルの可能性はなくなりましたが、最終戦は今季の総仕上げという意味で勝って終わりたいと思います。引き続き、応援のほどよろしくお願い申し上げます」

■中山雄一

「今シーズンはいろいろと試してきてクルマが改善してきている中で、厳しい戦いになってしまいました。11番手スタートから結果的に貴重なポイント獲得ではありましたが、クルマのフィーリングはあまり良くなくて、気持ち良い走りはできませんでした。全体的にトラクションが不足している感じがあり、難しいドライビングになりました。次は早くも最終戦。今シーズンこれまで分かってきたことを整理し、課題を全てクリアして、1番良い闘いをすることができるように、万全の準備をして次戦もてぎを迎えたいと思います。皆様の熱いご声援をよろしくお願い申し上げます」

■監督:脇阪寿一

「様々なトライをしましたがクルマにスピードが足りませんでした。打開のため様々な戦略を考え抜きましたが何も出来ませんでした。セオリー通りの戦略を取ればもう1ポイントは獲れたかも知れませんが、我々はもっと上を目指しました。週末、応援頂いた皆さん、そしてドライバー2人を笑顔に出来ず、非常に悔しいですが、切り替えます。至らなかった事を一つ一つ分析して成長し、上を向いて最終戦もてぎに向かいます。今回もたくさんの応援をありがとうございました。九州の皆さん、ありがとうございました」


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