パーマーは、ホイール・トゥ・ホイールのレースに対するF1の対応が、長年の間に悪い方向へ変わってきていると主張する。
「F1史上最高のバトルのひとつとして、2007年に雨中の富士で行われた、フェリペ・マッサとロバート・クビカの最終ラップの戦いを挙げたい」とパーマー。
「彼らの激しいバトルは半周にわたって続いた。互いにぎりぎりまで相手をプッシュし、時にコース外まではみだしては危険な方法で戻ったりしていた」
「あれから約10年が過ぎた今、同じバトルが行われたらペナルティの嵐になるだろう。まず、相手のドライバーをコース外に押し出したことについて。次に危険な方法でコースに戻ったことについて。それから、コース外を走ってアドバンテージを得たことについてだ」
「ルールブックに定められた文章に従えば、多くのペナルティが適用されることになるはずだ」
こういった状況を見直す時期に来ていると考えるパーマーは、スチュワードはドライバーのコース上のアクションについてもう少し寛大に対処すべきだと主張した。
「僕は、ホイール・トゥ・ホイールのインシデントでも議論の余地が残るようなケースでは、自由裁量の幅を広げるべきだと考える」とパーマー。
「現実を直視すべきだ。2018年シーズンのF1では、オーバーテイクやコース上でのアクションなどはあまり見られない。だから、多少ホイールがぶつかったくらいでドライバーを頻繁に罰するのはやり過ぎに思える」
「一方で(ハースのケビン・)マグヌッセンは、ストレートを時速180マイルで走行中に、突然進路を変えて接触事故を起こしたのに、ペナルティを受けなかった。あれは不思議だ」
概してスチュワードは非常に困難な仕事をしており、ドライバーがペナルティを科せられる場合でもそうではない場合でも、スチュワードの判定に不満を覚える者は必ず出てくるものだ。
「それでも一般論として、レースのなかで発生するホイール・トゥ・ホイールの戦いに関しては、ペナルティを減らしてもらいたいと僕は考える」