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スーパーGT ニュース

投稿日: 2021.10.27 17:46

『2リスダウン』ENEOSの速さを読み解く/英語習得に苦戦中、ロッテラーがくれた名句【トムス東條のB型マインド】

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スーパーGT | 『2リスダウン』ENEOSの速さを読み解く/英語習得に苦戦中、ロッテラーがくれた名句【トムス東條のB型マインド】

 チャンピオン争う36号車au TOM’S GR Supraや1号車STANLEY NSX-GTの高重量車が中段から後方グリッドへ沈む一方で、前戦SUGOで無念のリタイヤを喫した14号車ENEOS X PRIME GR Supraが、予選2番手を獲得する速さを見せました。3基目のエンジンを投入したためレースでは5秒ストップのペナルティがありますから、このポジションからのスタートには、大きな意味があります。

 スタート直後から山下(健太)選手は積極的に突き進んで首位に出ると、2番手以下を大きく引き離すドライビングを披露しました。

 タイミングモニターにはラップタイムや各セクターの通過タイムのほかに、トップスピードが表示されます。14号車は36号車と同じく燃料リストリクターが2ランク絞られていますので、エンジンパワー的には大きく劣るのですが、標準リストリクターを装着する38号車や39号車と最高速度で遜色ないか、もしくはやや有利に推移していました。

 リヤウイング迎角が36号車比で薄かったように見えましたので、動的にも最高速度を狙っていたのかなと考えられる節もあるのですが、3基目のエンジン調整とそれをうまく使えるようなセットアップが相まって、素晴らしいパフォーマンスになったものと考えています。

 しかし、決勝でのペナルティ消化後SCが導入され、GT500の隊列後方でのレースを余儀なくされて以降は、ダウンフォースレベルが単独で走る時よりもグッと下がってしまいますから、苦しいレースを余儀なくされてしまいました。

2021スーパーGT第6戦オートポリス ENEOS X PRIME GR Supra(大嶋和也/山下健太)
2021スーパーGT第6戦オートポリス ENEOS X PRIME GR Supra(大嶋和也/山下健太)

 一方、久しぶりに38号車ZENT CERUMO GR Supraが快走し、2位表彰台を確保しました。やはり立川祐路選手には表彰台が似合いますよね! エンジン交換のペナルティを受けてからの追い上げですから、セットアップやタイヤマネージメントがうまく決まったのではないでしょうか。

 我らGRスープラ勢はレース情報を共有しています。今回の14号車や38号車の状況は、次戦以降GRスープラ勢全体のカギになると思われます。

 トムスとしては、36号車、37号車ともに苦しいレースになりました。目標はシリーズを争う1号車と17号車Astemo NSX-GTの前でポイントを得てゴールすること。レース序盤から中盤まではその位置をキープできていたのですが、その後は余力がなく先行を許してしまいました。SUGOに続き惨敗です。

 36号車はサクセスウエイトが重く、タイヤにとっては過負荷状態。一時は17号車の前、7番手あたりをうかがっていたのですが、終盤にグリップを大きく失い10位1ポイント。37号車はエンジン交換のペナルティ消化後、SCによりGT500の隊列後方から。平川選手は長い第2スティントを考慮して終盤まではポイント圏外でタイヤをセーブし、残り10周からスパートをかけて一気に順位を上げて9位でレースを終えています。

 レース全体を見るとNSXが速く、8号車ARTA NSX-GTが危なげなく優勝しました。おめでとうございました。そしてSUGOあたりから、GT-Rが速くなっています。もてぎ・富士とパワーサーキットが続きますから、現状タイトルを争うNSXばかりをマークしていてはいけませんね。

2021スーパーGT第6戦オートポリス au TOM’S GR Supra(関口雄飛/坪井翔)
2021スーパーGT第6戦オートポリス au TOM’S GR Supra(関口雄飛/坪井翔)

■「最初は話すのが恥ずかしかった」英語

 さて、サッシャが帰ってきたことから、ピットでは日本語と英語が混在し、賑やかなトムスに戻りました。

 これまで多くの外国人ドライバーとともに仕事をしてきました。メカニックも含めて彼らとの会話は必然的に英語となるのですが、私を含めて苦手です。学のない私ですから、バンド活動とバイトに明け暮れていた高校時代、英語の授業(だけじゃないけどね)は進学希望のご学友の背中を盾に寝ていましたので、当然の報いです。B型だし。

 ディープパープルやイーグルスをエンドレス再生し、AMラジオから流れるFENを聞き流していましたので、“なんとなく雰囲気から伝わる”程度の理解度しかないのに、この業界に入ったらいきなりエンジニアをやれ! ですよ。これには参りました。

 なにせ、対峙する相手はフランス人F1ドライバーのピエール・アンリ・ラファネル選手。ピーちゃんなんて気軽に呼んでいたことが、いまとなっては恥ずかしい思い出です。

 そんなピーちゃんですが、英語の話せない変な奴が来たと思ったのか、コンビを組む関谷(正徳)さんも私と同レベルなのですでに慣れていたのかは知りませんが、とてもゆっくり簡単に話してくれました。

 最初はとにかく話すのが恥ずかしくて、無線でみんなが聞いていると思うと、それはそれは、ねぇ……。分かるでしょ?

 そうこうしているうちに、忘れもしない1994年。インターテックをチャンピオンで締めくくってから、マカオのギアレースへ、トム・クリステンセンとチーム員5人で乗り込むことになりました。

■マカオに行くと寝言も英語になる


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