2019年から新設される電動バイクレース『FIM Enel MotoE World Cup(MotoE)』の最初のオフィシャルテストが、Moto2のオフィシャルテストとともに、11月23~25日、スペインのヘレス・サーキット‐アンヘル・ニエトで行われた。3日間の総合トップタイムは今季までMotoGPクラスに参戦していたブラッドリー・スミス、MotoE参戦で現役復帰を果たすセテ・ジベルナウは14番手でテストを終えている。
MotoEは2019年から新たにスタートする、電動バイクによって争われるチャンピオンシップ。MotoGPのヨーロッパラウンドとの併催で全5戦が開催。ライダーはMotoGPクラス、Moto2クラス、Moto3クラスの各クラスに参戦する12チームから、18名がエントリーする。
使用されるマシンは、イタリアの電動バイクメーカー、Energica Motor Company(エネルジカ・モーターカンパニー)の『Ego Corsa(エゴ・コルセ)』のワンメイク。エゴ・コルセはエネルジカの市販車電動バイク『Ego(エゴ)』をベースにチューンアップされたマシンだ。タイヤサプライヤーはMotoGPクラスと同様、ミシュランが務める。
今回のヘレステストにエントリーしたのは、参戦を表明している16名。MotoGP最終戦バレンシアGPで負傷したチャビエル・シメオンとエクトル・ガルソは欠場となった。加えてシメオンの代役としてフリアン・ミラーレスが招集されたほか、オンゲッタ・SIC58・スクアドラ・コルセからルカ・ビターリ、ダイナボルト・インタクトGPからマービン・フリッツがテストに参加。3日間で合計19名のライダーがへレスサーキットで電動レーサーのエゴ・コルセを走らせた。
テスト初日は18名のライダーが参加した。午前中は前夜に降った雨の影響でダンプコンディションでスタートしたが、午後には路面状況も回復。
総合トップタイムはニキ・トゥーリ(アジョ・モータースポーツMotoE)で、1分51秒721をマーク。2番手にはエリック・グラナド(アビンティア・エスポンソラーマ・レーシング)、3番手にはランディ・ド・プニエ(LCR Eチーム)が続き、MotoE参戦によって現役復帰を果たすセテ・ジベルナウ(ポンス・レーシング)は9番手だった。
参考までに、へレスサーキットにおけるMoto3クラスのサーキットレコードは1分46秒723、ファステストラップは1分46秒004である。
また、初日はビターリが転倒を喫したことから、午後のセッションではオンゲッタ・SIC58・スクアドラ・コルセはマッテオ・カサディがテストを行った。
2日目は午後からウエットコンディションとなり、雨のなか3回のセッションが行われた。
そんななか2日目総合トップタイムをマークしたのは、2018年までレッドブル・KTM・ファクトリーレーシングからMotoGPに活躍したブラッドリー・スミス(ワン・エナジー・レーシング)。タイムは1分50秒265だった。
2番手には初日総合トップのトゥーリ、3番手にはマイク・ディ・メリオ(エストレージャ・ガルシア・0,0・マーク・VDS)がつけた。
最終日も雨に見舞われ、午前中はダンプコンディションとなり、雨も落ちるコンディションに恵まれないなかのテストとなる。
3日目の総合トップタイムは2日目で総合3番手につけたディ・メリオ。タイムは1分52秒160にとどまった。2番手にはスミス、3番手にはエリック・グラナド(アビンティア・エスポンソラーマ・レーシング)が続いて、MotoE最初のオフィシャルテストを終えた。
3日間の総合としては、スミスが2日目に記録したタイムでトップ。2番手にはトゥーリ、3番手にはディ・メリオがつけ、ジベルナウは2日目に記録した1分52秒817のタイムで14番手となっている。
電動バイクによる初テストは3日間の日程を終了。次回テストは2019年3月13~15日、再びへレスサーキットで行われる予定だ。
以下、MotoEオフィシャルテストの3日間総合タイム結果。