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MotoGP ニュース

投稿日: 2019.08.30 06:00
更新日: 2019.08.29 19:59

MotoGP:超接戦の優勝争いを展開したリンスとマルケス、それぞれを襲っていた『想定外』

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MotoGP | MotoGP:超接戦の優勝争いを展開したリンスとマルケス、それぞれを襲っていた『想定外』

 MotoGP第12戦イギリスGPのトップ争いは、最終ラップの最終コーナーまでもつれこんだ。制したのはチーム・スズキ・エクスターのアレックス・リンス。最後まで争ったマルク・マルケス(レプソル・ホンダ・チーム)を破り、2019年シーズン2勝目を挙げた。しかし実は、リンスは残り2周の時点で大きな勘違いを犯していた。

 テール・トゥ・ノーズが続いたトップ争いは、最後までその激しさを保ったままチェッカーを迎えた。優勝したリンスと2位のマルケスとの差は、わずかに0.013秒。この差はロードレース世界選手権の最高峰クラスのトップと2位との差で4番目に小さいタイム差だったという。ちなみに最もタイム差が小さいレースとして記録されているのは、1975年アッセンのバリー・シーンとジャスモ・アゴスチーニで、同着タイムである。

 ラスト2周、リンスは最終コーナーでマルケスをアウト側から交わそうと仕掛けた。しかしマルケスはそれを許さない。最終ラップでもドッグファイトは続き、最終コーナーの進入ではマルケスがトップ。しかし立ち上がりでリンスは素早くマシンをイン側に振り、一気に加速。ほんのわずかの差でマルケスよりも前でチェッカーを受けた。

レース序盤からテール・トゥ・ノーズのトップ争いを展開したリンスとマルケス
レース序盤からテール・トゥ・ノーズのトップ争いを展開したリンスとマルケス

 こうして見るとリンスが残り2周でアウト側にラインを取ったのは最終ラップへの布石とも思えるが、実際は違った。リンスは残り2周の最終コーナーまで、周回数を勘違いしていたのだ。残り2周の最終コーナーで「あともう1周あるとわかった」と、リンスは決勝後の会見で語った。

 ともあれ本来の“最終ラップ”で見事、マルケスを制したリンス。その前は第3戦アメリカズGPではマルケスが早々に転倒リタイアを喫し、バレンティーノ・ロッシ(モンスターエナジー・ヤマハMotoGP)を残り5周でとらえて優勝している。

「今日の優勝は信じられない。オースティン(第3戦アメリカズGP)ではバレンティーノを破って勝った。そして、ここではマルクを下して勝った。どちらもとても速く、そして“伝説”のライダーだ」と、リンスはふたつの勝利について語った。

 リンスは、イギリスGPでは「マルクに勝つのは難しいだろうと思っていた」と言う。「けれど、挑戦したかった。いくつかのセクターでは、マルクは僕よりも速かったけれど、僕はほかのエリアでそれをカバーした。終盤には僕のペースの方がいいとも感じていたんだ」

■結果に満足も悔しさをにじませるマルケス


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