MotoGP第1戦カタールGPの決勝レースがロサイル・インターナショナル・サーキットで行われ、マーベリック・ビニャーレス(モンスターエナジー・ヤマハMotoGP)が開幕戦で優勝を果たした。中上貴晶(LCRホンダ・イデミツ)は7周目に転倒を喫し、リタイアで終わっている。
2020年シーズン、カタールでのMotoGPクラスのレースは新型コロナウイルス感染症の影響により中止となったため、2年ぶりのカタールGPである。この日はウォームアップセッション後、2月22日に新型コロナウイルス感染症によりこの世を去ったアプリリア・レーシング・チーム・グレシーニのチームオーナー、ファウスト・グレシーニを悼み、1分間の黙とうが捧げられた。
決勝レースは気温20度、路面温度22度と週末の中では低めで、風が強く吹くコンディション。最高のスタートを切ったのはドゥカティのふたり。1コーナーにフランセスコ・バニャイア(ドゥカティ・レノボ・チーム)がトップで飛び込み、2番手にはジャック・ミラー(ドゥカティ・レノボ・チーム)が続く。さらにヨハン・ザルコ(プラマック・レーシング)、ルーキーのホルヘ・マルティン(プラマック・レーシング)と、ドゥカティがトップ4を占める。
レースをリードするのはバニャイア。1周目を終え、早くも2番手のザルコに対し約0.7秒のギャップを築く。グリッドでは2番手から4番手までを占めていたヤマハ勢はスタートで出遅れて5番手以下に後退し、5番手にファビオ・クアルタラロ(モンスターエナジー・ヤマハMotoGP)、6番手にマーベリック・ビニャーレス(モンスターエナジー・ヤマハMotoGP)、7番手にバレンティーノ・ロッシ(ペトロナス・ヤマハSRT)が続く。
3周目、クアルタラロがマルティンをオーバーテイク。マルティンはビニャーレスにも交わされ、6番手に後退する。トップのバニャイア、2番手のザルコ、3番手のミラーというドゥカティのトップ3を、クアルタラロとビニャーレスが追う展開。3周目にはクアルタラロが、さらに4周目にはビニャーレスがファステストラップを叩き出してトップ3のドゥカティライダーを追う。その間に、6番手のアレックス・リンス(チーム・スズキ・エクスター)、7番手のジョアン・ミル(チーム・スズキ・エクスター)が上位ライダーに迫り始めていた。
5周目を終えて、トップのバニャイアと2番手のザルコ、3番手のミラーはそれぞれ約0.4秒の差を保って等間隔をキープ。ミラーのすぐ後方にはクアルタラロ、ビニャーレスが迫り、オーバーテイクのすきを伺っている状況が続く。クアルタラロは6周目の15コーナーでミラーをオーバーテイク。その先に待ち受けるメインストレートではドゥカティの加速が有利だったが、ミラーの追従を交わしてクアルタラロが3番手を守った。
7周目、11番グリッドからスタートしてポジションを下げ、17番手付近を走っていた中上貴晶(LCRホンダ・イデミツ)が9コーナーで転倒。スリップダウンを喫し、開幕戦を転倒リタイアで終えることになった。