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MotoGP ニュース

投稿日: 2021.06.23 08:02
更新日: 2021.06.23 11:28

【レースフォーカス】3戦連続で表彰台獲得のオリベイラ。苦戦のシーズン序盤がKTM好転の土台に/MotoGP第8戦ドイツGP

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MotoGP | 【レースフォーカス】3戦連続で表彰台獲得のオリベイラ。苦戦のシーズン序盤がKTM好転の土台に/MotoGP第8戦ドイツGP

 チャンピオンシップリーダーのクアルタラロは、3位表彰台を獲得。ランキング2番手のヨハン・ザルコ(プラマック・レーシング)に対し、ポイント差を広げてドイツGPを終えた。
 
 クアルタラロはフリー走行4回目で、一度もピットインせずに周回を重ねてレースに向けた準備を行っていた。レースシミュレーションを行うのが常のフリー走行4回目といっても、ピットインせずに走るライダーはそういない。クアルタラロは、よりレースの状況に近いタイヤの消耗を確認したかった。
 
「このコースでは20周も連続して走れば、タイヤがまったく変わっていく。それで、フリー走行4回目の時間をフルに使ったんだ。20周連続して走ってみると、ピットインを挟んだときのほうが、20周連続したときよりもタイヤがフレッシュだとわかる。(レースと同じ)本来のグリップ低下ではないけれど、それはいい経験になったよ」

 レースに向けた準備を淡々と進めたクアルタラロ。レースでは2番グリッドからスタートしたが、レース序盤に5番手に後退。そこから周回をかけてオーバーテイクを重ね、3番手に浮上した時には、トップのマルケスと2番手のオリベイラはすでに遠かった。ただ、クアルタラロは厳しいレースになるとわかっていたという。
 
「午前中に、チームには『ペースはいいんだけど、優勝争いは難しいみたいだ』って伝えた。彼ら二人(マルケスとオリベイラ)はとても速かった。目標は、ドゥカティの前でフィニッシュすることで、表彰台を獲得することにした。そしてそれを成し遂げたんだ」

 クアルタラロはまた、チャンピオンシップにおけるこの表彰台についての重要性を問われると「すごく大事(な表彰台ではあった)けれど、これについては大きな過去の事例があるのを覚えているんだ」とも明かした。
  
「(2019年第15戦)タイのことだ。チャンピオンを獲得するために、(そのときランキングトップだった)マルクはただドヴィ(アンドレア・ドヴィツィオーゾ)の前でフィニッシュすればよかった。でも、僕たち二人(マルケスとクアルタラロ)は最終コーナー、最後の瞬間まで戦った。あのとき、チャンピオンシップで勝つためには、優勝と表彰台を獲得する必要があるのだと知ったんだ」

 そしてまた、それとは別に、もう一つの教訓を明かしている。
 
「毎戦経験を得て、僕も学習していると思う。今日は僕が5番手にいたとき、マルクは先に行ってしまい、ミゲールは2番手に上がっていた。以前ならば、アレイシ(・エスパルガロ)やジャック(・ミラー)をオーバーテイクするために必死になって攻めていたところだけれど、(今日は)それはすごく難しいとわかった。速くなっている、ということよりも、走りながら考えることができるようになったのだと思う。ただ速く走ることと、考えて速く走ることはまた違う。今年はうまくそういうことができているのだと思う」

 チャンピオンシップシップを戦うために必要な攻めの姿勢と目標設定、そしてそれを完遂するためのレースマネジメントが、クアルタラロのなかで蓄積されているということではないだろうか。2020年シーズンの序盤にチャンピオンシップのトップに立ったときのことについて、クアルタラロはこれまでに何度も、経験がなかったこと、と説明している。そして、今季はそうではない。シーズンが進むにつれ、彼が積み上げてきたものの真価が問われるはずだ。

2021年MotoGP第8戦ドイツGP ファビオ・クアルタラロ、ミゲール・オリベイラ
2021年MotoGP第8戦ドイツGP ファビオ・クアルタラロ、ミゲール・オリベイラ

 

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