7月28日、ロードレース世界選手権のMotoGPクラスに参戦しているペトロナス・ヤマハSRTは、フランコ・モルビデリの代役としてカル・クラッチローを起用すると発表した。
ペトロナス・ヤマハSRTのレギュラーライダーであるモルビデリは、左膝を負傷しており、6月25～27日のMotoGP第9戦オランダGP前のトレーニングで怪我が悪化したため同レースを欠場。オランダでは、SBKライダーのギャレット・ガーロフが代役を務めた。
その後、モルビデリは左膝の手術を受けており、1カ月のサマーブレイクを回復させる期間に費やしているが、サマーブレイク明けとなる8月のレースでの復帰は難しいとチームが明かしていた。
そんななか、8月6～8日にレッドブル・リンクで開催される第10戦スティリアGP、8月13～15日の第11戦オーストリアGP、シルバーストン・サーキットで行われる8月27～29日の第12戦イギリスGPの後半戦3レースにヤマハ・ファクトリー・レーシングのMotoGPテストライダーを務めるクラッチローが代役で出場することが発表された。
また、第10戦スティリアGPにはKTMから2018年限りでMotoGPの現役を引退したダニ・ペドロサがワイルドカード参戦することが決定している。
クラッチローは2011年にロードレース世界選手権MotoGPクラスのデビューを果たしたイギリス人ライダーだ。2011年から2013年までモンスター・ヤマハ・テック3で過ごし、2014年はドゥカティ・チームに移籍した。
2015年から2020年まではホンダのサテライトチームであるLCRホンダから6年間参戦。そして今季はヤマハのテストライダーに就任した。MotoGPでは、通算ポールポジションを4度、3勝を含む19度の表彰台を獲得している。
久々にヤマハYZR-M1でレースに出場するクラッチローは「今年はオフィシャルテストライダーとしてヤマハに戻ってくることができ、必要に応じて参戦できることはすべての関係者にとって良いことだと思う」とコメントした。
「ペトロナス・ヤマハSRTの一員として3つのグランプリに参加できることを楽しみにしているよ。明らかに、最良の状況ではないフランコの回復を願っているし、膝の手術後に彼が力強く復活することを願っている。彼はこの2年間、素晴らしい走りをしてきたので、きっとそうなるだろう」
「今年は走行日数が限られているので、この3つのレースで目標を設定するのは難しいと思うし、バイクを理解することが重要になるだろう。良い点は、マシンを比較できるから、ヤマハのために多くのデータを集めることができるはずだ」
「非常に競争の激しいMotoGPクラスなので、深みにはまっていくような感じがするが、とても楽しみにしているし、グリッドに戻れるのも良いことだ。オーストリアでチームに会うのが楽しみだ」
「2009年のスーパースポーツ世界選手権（WSS）ではウィルコ・ズィーレンベルグがチーム・マネージャーを務めていたし、何年か前にはヨハン・スティーグフェルトとレースをしたこともあるから、知っている顔もあるだろう。彼らと一緒に戻ってくるよ」
