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MotoGP ニュース

投稿日: 2021.08.11 08:30
更新日: 2021.08.11 16:56

【レースフォーカス】レッドブルリンクから世界を駆け抜けたロッシの引退会見/MotoGP第10戦スティリアGP

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MotoGP | 【レースフォーカス】レッドブルリンクから世界を駆け抜けたロッシの引退会見/MotoGP第10戦スティリアGP

 スティリアGPにはKTMのテストライダー、ダニ・ペドロサが参戦した。これまでテストに集中してきたペドロサが、2018年最終戦バレンシアGP以来の実戦に身を投じたのだ。
 
 ペドロサがレース参戦を決断したのは、実戦だからこそ感じられるもの、テストで再現することが難しいものを得るためだった。
 
「今のところ僕たちはすごく順調に前進してきた。でも、今、僕たちが(テストで)ライダーがレース中に直面している状況を再現するのは難しいみたいだ。例えば、彼らはレースでオーバーテイクするのがすごく難しい、つまり、予選をかなりよくしないといけない、と訴えている。僕たちはそれを理解しようと努めている。テストでその問題と向き合うために、ライダーがレースウイークでどのように考えているのかを感じ取り、(レースでの)最新の情報を得ようとしているんだ」
 
 長くレースを離れていたにもかかわらず、ペドロサの速さは健在だった。テストライダーとしてバイクを走らせているとはいえ、テストとレースウイークでは流れも集中すべきところも同じではない。それでもペドロサは、予選ではQ2に進出できなかったものの、ほとんどのセッションでトップから1秒以内のタイムをマークしていたのである。
 
 ただ、決勝レースではアクシデントが発生した。1度目のスタートから3周目、3コーナーでペドロサが転倒し、そのバイクにロレンツォ・サバドーリ(アプリリア・レーシング・チーム・グレシーニ)が突っ込んでクラッシュ。バイクが炎上したのだ。ペドロサは無事だったが、サバドーリは右足首を骨折し、9日には手術を受けている。今週末のレースは欠場し、第12戦イギリスGPの復帰を目指すという。このアクシデントにより、レースは赤旗中断となった。
 
「どうしてこのようなクラッシュが起きたのかわからないんだ」と、ペドロサは転倒について語っている。

「3周目、イン側のラインに乗ってしまったのかもしれない。それとも、まだタイヤの右側が冷えていたのかも。僕はフロントにハードを履いていて、今日は(この週末のなかでも)気温が低めだったから。コーナーに入っていき、バンク角が最大になったところでバイクを起こしたけれど、転倒してしまった。(バイクが)コースの真ん中でスピンしてしまい、不運にもサバドーリが僕のバイクにぶつかって、ケガをしてしまった。彼には申し訳ないことをした。僕は幸運(にも無事)だった。僕のキャリアのなかでも、こういうクラッシュは初めてだと思う。バイクが通過していくのを見て、少しショックを受けたよ」

 ペドロサはバイクを乗り換え、再開したレースに臨んだ。スペアバイクはウエット用にセッティングされたものだったという。
 
「最初はあまり集中できていなかったと思う。グリッドについたときには、スタート・デバイスのボタンを押すのを忘れてしまった。だからスタートはうまくいかなくて、序盤の数周でポジションを落としてしまったんだ」

 それでもその後はペースを安定させ、11位でチェッカー。フランセスコ・バニャイア(ドゥカティ・レノボ・チーム)が結果に3秒加算のペナルティを受けたために最終結果は10位だった。
 
「レースを楽しんだよ。この週末の結果にはとても満足なんだ」と語ったペドロサ。今回の参戦がKTMの今後の開発にどうつながっていくのか、楽しみなところだ。

2021年MotoGP第10戦スティリアGP ダニ・ペドロサ(レッドブルKTMファクトリー・レーシング)
2021年MotoGP第10戦スティリアGP ダニ・ペドロサ(レッドブルKTMファクトリー・レーシング)

■中上、追い上げの5位

 中上貴晶(LCRホンダ・イデミツ)は10番グリッドから決勝レースを迎えた。土曜日にはバイクのフィーリングに苦戦していたというが、レースに向けた変更が功を奏した。序盤は7番手、終盤には5番手にポジションを上げると、最終ラップでは前を走っていた4番手のヨハン・ザルコ(プラマック・レーシング)をパス。惜しくも後方につけていたブラッド・ビンダー(レッドブル・KTM・ファクトリーレーシング)に交わされたが、5位フィニッシュを果たした。
 
「レースでのパフォーマンスには満足しています。序盤から6番手、7番手でレースできましたからね。ただ、レース中、ちょっと燃費が心配でした。レース中に燃費の警告があったんです。なので、マッピングを切り替えないといけませんでした。でも、マネジメントできました。パフォーマンスには満足していますよ」

「来週に向けて、電子制御やバイクのフィーリングについて、改善しないといけない部分がありますが、とてもいいレースだったと思います」

 次戦は引き続きレッドブルリンクでの2戦目。第11戦オーストリアGPとして開催される。連戦の2戦目は、全体的に差が縮まるために僅差になることが多い。今週末のレースはどのような展開を見せるだろうか。

2021年MotoGP第10戦スティリアGP 中上貴晶(LCRホンダ・イデミツ)
2021年MotoGP第10戦スティリアGP 中上貴晶(LCRホンダ・イデミツ)


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