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MotoGP ニュース

投稿日: 2022.04.13 07:00
更新日: 2022.04.15 15:13

【レースフォーカス】最後尾からの6位。マルク・マルケスの復帰戦/MotoGP第4戦アメリカズGP

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MotoGP | 【レースフォーカス】最後尾からの6位。マルク・マルケスの復帰戦/MotoGP第4戦アメリカズGP

 マルク・マルケス(レプソル・ホンダ・チーム)がMotoGP第4戦アメリカズGPで復帰を果たした。スタートではトラブルが発生して大きく後退し、それでもポジションを上げて6位でフィニッシュしている。得意のサーキット・オブ・ジ・アメリカズで、優勝で復帰戦を飾ることはできなかったが、マルケスの存在を感じさせるレースだった。

 アメリカズGPの木曜日に行われたプレスカンファレンスで、マルケスはアメリカズGPに臨むにあたり「今は自信をつけるときなんだ」と繰り返していた。第2戦インドネシアGPのウォームアップ・セッションでハイサイドを起こして激しく転倒し、これが原因で二重に物が見える視覚障害、複視を再発した。Moto2クラス時代の2011年、そして2021年11月にも確認された症状で、今回で3度目となる。

「今週末へのアプローチは、優勝に向けたものじゃない。自信をつけたいんだ。インドネシア後はとてもきつい時間だった。アルゼンチンに向かうモチベーションが感じられなかったから、平静でいることにしたんだ。今は自信を取り戻すとき。もし自信がなかったらプッシュしない。インドネシアみたいに予想外のクラッシュが起きてしまうから」

 こうした言葉はマルケスには似つかわしくないコメントにも思えるが、強靭な精神力でMotoGPを戦ってきたマルケスといえど、度重なる負傷によって彼が過ごした時間について考えさせられるものだった。

「でも今、僕はここにいる。苦しみよりも、やっぱり情熱の方が勝っているからだ。これからも前進していくし、チャンピオン争いに挑み続けるだろう。今は自信を築くときだから、今はタイトル争いには加わっていないけどね」

 そう語っていたマルケスだったが、レースへの情熱はまさに少しも失われていないようだった。決勝レースでは3列目9番グリッドからのスタート。しかしスタートでマシントラブルが発生し、ほとんど最後尾で1コーナーに入っていった。

 そこからの追い上げはすさまじかった。5周目には12番手に浮上し、さらにポジションを上げてレース終盤にはファビオ・クアルタラロ(モンスターエナジー・ヤマハMotoGP)と争い、これを制して6位でフィニッシュした。

 レース後、マルケスはMotoGP.comのインタビューの中で「もちろんがっかりだよ。ただ、今日は(優勝して)25ポイント獲得することはできたと思う」と語っている。トップを走ったジャック・ミラー(ドゥカティ・レノボ・チーム)や優勝したエネア・バスティアニーニ(グレシーニ・レーシングMotoGP)とマルケスとの差はほぼ一貫して5秒ほどで、最終的には約6.6秒差。つまり、バスティアニーニなどとそん色ないラップタイムで走っていた。スタート時のトラブルが惜しまれる、といったところだろうか。

 このトラブルについては「スタートでバイクに技術的な問題が発生したんだ。スタート前にすでにダッシュボードにメッセージが表示されていた。でもホールショット・デバイスなどもろもろを解除したら、バイクは調子よく走り始めた。そこからポジションを上げていったんだ」と説明している。

 木曜日にマルケスが「自信をつけたい」と語っていたのはすでに述べた通りだが、レース後は「ここでさらなる自信をつけた。とても大事なことだ」とコメントしていた。マルケスにとっては少なくとも、なすべきことを果たしたアメリカズGPだったはずだ。


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