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MotoGP ニュース

投稿日: 2023.04.03 03:00
更新日: 2023.04.03 13:13

ベゼッチ、独走の初優勝。ドゥカティのサテライトチームが表彰台を独占/第2戦アルゼンチンGP

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MotoGP | ベゼッチ、独走の初優勝。ドゥカティのサテライトチームが表彰台を独占/第2戦アルゼンチンGP

 4月2日、MotoGP第2戦アルゼンチンGPの決勝レースがテルマス・デ・リオ・オンドで行われ、MotoGPクラスはマルコ・ベゼッチ(ムーニーVR46レーシング・チーム)が優勝し、MotoGPクラスで初勝利を飾った。

 フランセスコ・バニャイア(ドゥカティ・レノボ・チーム)はレース中盤まで2番手を走行していたが、レース中盤に転倒を喫して表彰台を逃した。中上貴晶(LCRホンダ・イデミツ)は13位でゴールしている。

 アルゼンチンGPは前戦ポルトガルGPでの負傷によりポル・エスパルガロ(GASGASファクトリー・レーシング・テック3)、エネア・バスティアニーニ(ドゥカティ・レノボ・チーム)、マルク・マルケス(レプソル・ホンダ・チーム)、ミゲール・オリベイラ(クリプトデータRNF・MotoGPチーム)が欠場しているが、決勝レース前にはジョアン・ミル(レプソル・ホンダ・チーム)が欠場することが発表された。ミルはスプリントレースの1周目で転倒。ウォームアップアップ走行の前にメディカルチェックを受け、頭部と頸部の外傷により、決勝レースの出場は不可と判断された。これにより、レプソル・ホンダ・チームのふたりが欠場となり、MotoGPクラスの決勝レースは17人のライダーで争われることになった。

 アルゼンチンGPの週末は天候があまりよくなく、日曜日の朝にも雨が降り、ウォームアップ走行はウエットコンディションで行われていた。MotoGPクラスの前に行われたMoto2クラスの決勝レースは、ウエットレースであること、かつウエットでの練習走行の時間がないことを理由に周回数が21周から14周に短縮されている。2023年シーズンのMoto2、Moto3クラスは決勝日朝のウオームアップ・セッションがないため、当日に天候が変わった場合にそのコンディションでの走行機会がないのである。

 MotoGPクラスの決勝レースは雨が降り、ウエットコンディションで始まった。気温は18度、路面温度は21度。スタート30分前に、ウエットレースが宣言されている。

 ホールショットを奪ったのは、ベゼッチだった。1コーナーのブレーキングでややバランスを崩したポールポジションスタートのアレックス・マルケス(グレシーニ・レーシングMotoGP)は2番手、そしてバニャイアが3番手に続く。

オープニングラップでマルコ・ベゼッチ(ムーニーVR46レーシング・チーム)がホールショット/2023MotoGP第2戦アルゼンチンGP 決勝
オープニングラップでマルコ・ベゼッチ(ムーニーVR46レーシング・チーム)がホールショット/2023MotoGP第2戦アルゼンチンGP 決勝

 1周目では5コーナーでブラッド・ビンダー(レッドブルKTMファクトリー・レーシング)が転倒を喫した。前日のスプリントレースで優勝を飾ったビンダー。レースには戻ったが、最後尾に後退している。リプレイを確認すると、5コーナーで内側にいたマーベリック・ビニャーレス(アプリリア・レーシング)と接触していたようだ。ビンダーは転倒した際に、ラウル・フェルナンデス(クリプトデータRNF・MotoGPチーム)とも当たっている。

 また、7コーナーではファビオ・クアルタラロ(モンスターエナジー・ヤマハMotoGP)と中上貴晶(LCRホンダ・イデミツ)の接触も発生していた。この接触に関しては審議の対象になったが、その後、対応なしとレース中に表示された。

 トップのベゼッチは2番手以下のライダーに0.6秒の差を築いてトップを快走。周回ごとに2番手のアレックス・マルケスに対するアドバンテージを大きくしていく。3番手はバニャイア、4番手はフランコ・モルビデリ(モンスターエナジー・ヤマハMotoGP)。アレックス・マルケス、バニャイア、モルビデリの差についても、だんだん開いていった。

 モルビデリの2.5秒ほど後方には5番手のファビオ・ディ・ジャンアントニオ(グレシーニ・レーシングMotoGP)、そして6番手にアレックス・リンス(LCRホンダ・カストロール)。7番手のジャック・ミラー(レッドブルKTMファクトリー・レーシング)、8番手のヨハン・ザルコ(プリマ・プラマック・レーシング)、9番手のホルヘ・マルティン(プリマ・プラマック・レーシング)が続いていた。

ヨハン・ザルコ(プリマ・プラマック・レーシング)/2023MotoGP第2戦アルゼンチンGP 決勝
ヨハン・ザルコ(プリマ・プラマック・レーシング)/2023MotoGP第2戦アルゼンチンGP 決勝

 9周目にはザルコがミラーをかわして7番手に浮上し、ザルコはその後、ディ・ジャンアントニオをかわして6番手に浮上。チームメイトのマルティンも、ミラーをパスして8番手となった。ザルコとマルティンは14周目にリンスをかわし、ザルコは5番手、マルティンは6番手にポジションを上げる。

 一方、2番手のアレックス・マルケスにはバニャイアが迫りつつあった。バニャイアは15周目、アレックス・マルケスに0.1秒を切るまでに接近すると、16周目にバニャイアが2番手に浮上した。そしてアレックス・マルケスの後ろのモルビデリも、差を詰めてきていた。

 2番手に浮上したバニャイアだったが、13コーナーで痛恨のスリップダウン。残り8周での転倒となった。バニャイアはレースに復帰したが、16番手に後退した。バニャイアの転倒により、アレックス・マルケスが2番手、モルビデリが3番手に浮上している。

アレックス・マルケス(グレシーニ・レーシングMotoGP)/2023MotoGP第2戦アルゼンチンGP
アレックス・マルケス(グレシーニ・レーシングMotoGP)/2023MotoGP第2戦アルゼンチンGP

 しかし3番手のモルビデリに、8番手からじりじりとポジションを上げていたザルコが迫った。そして残り3周でモルビデリをオーバーテイク。3番手に浮上したザルコは、さらに2番手のアレックス・マルケスに猛然と接近する。ザルコは最終ラップのバックストレートからの5コーナーのハードブレーキングでアレックス・マルケスをオーバーテイクすると、2番手に浮上した。

 優勝したのは1周目にトップに立ったベゼッチ。レース中トップを譲ることなく、MotoGPクラスで初優勝を飾った。また、これがムーニーVR46レーシング・チームにとっても初の優勝となっている。2位はレース後半に順位を上げていったザルコ。3位のアレックス・マルケスは、2020年フランスGP以来、また、グレシーニ・レーシングMotoGPに移籍して初の表彰台を獲得している。ドゥカティのサテライトチーム勢が表彰台を独占した。

表彰台を獲得したマルコ・ベゼッチ、ヨハン・ザルコ、アレックス・マルケス/2023MotoGP第2戦アルゼンチンGP 決勝
表彰台を獲得したマルコ・ベゼッチ、ヨハン・ザルコ、アレックス・マルケス/2023MotoGP第2戦アルゼンチンGP 決勝

 モルビデリは惜しくも表彰台を逃したが、4位でゴールした。5位はマルティン、6位にはミラーが入った。そのミラーに最後は0.5秒差まで迫ったクアルタラロは、1周目の接触により大きく後退したところから追い上げて7位でフィニッシュする健闘を見せた。

 中上は13位でゴール。残り8周で単独転倒を喫したバニャイアは最後まで走り切って16位。ポイント獲得はならなかった。

マルコ・ベゼッチ(ムーニーVR46レーシング・チーム)/2023MotoGP第2戦アルゼンチンGP 決勝
マルコ・ベゼッチ(ムーニーVR46レーシング・チーム)/2023MotoGP第2戦アルゼンチンGP 決勝


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