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MotoGP ニュース

投稿日: 2023.05.21 22:09
更新日: 2023.05.22 11:42

MotoE参戦3年目の大久保光、ドゥカティ電動レーサーV21Lで攻めるために「改善が必要」/第1戦フランス大会

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MotoGP | MotoE参戦3年目の大久保光、ドゥカティ電動レーサーV21Lで攻めるために「改善が必要」/第1戦フランス大会

 大久保光が2023年シーズンも引き続き、電動バイクレースFIM Enel MotoE World Championshipに参戦する。迎えた初戦のフランス大会では、ドゥカティの電動レーサーV21Lにマッチしたライディングを求められるなか、レース1を5位、レース2を10位で終えた。

 大久保にとって、電動バイクレースFIM Enel MotoE World Championshipに参戦するのは2023年で3シーズン目となる。今季はチームを移籍し、Tech3 E-racingからのエントリーだ。フランス大会の木曜日、大久保に3年目のMotoE参戦に向けてオフシーズン中に行ったトレーニングについて聞くと、「上半身のトレーニングを増やしました。あとは、大きくて重いバイクを振り回せるように、モトクロスなど、とにかくバイクに乗りましたね」と語った。

 2023年はワンメイクマシンサプライヤーがドゥカティとなり、マシンはドゥカティがMotoEのために開発した電動レーサー、V21Lになった。車両重量は2022年MotoEマシンよりも軽量になり、225kgとなったが、レーシングマシンとしては重い。それでも、以前より20kg以上軽くなった、という点はライダーにとって大きいという。

「重量バランスが昨年のMotoEマシンに比べてしっかりしているので、乗り心地はすごく軽く感じますね。重心がうまくバランスをとれていたり、サイドなどに重りが積んであったりすると、フィーリング的にはそんなに(重く感じない)。(同じ重さなら)小さくて重たいものよりも、大きくて重たいもののほうが軽く感じるじゃないですか。うまく配置されているのがいいんじゃないか、と思いますね。特にドゥカティのV21Lは、バッテリー自体がメインフレームの役割をしているので、うまくできているのではないかな、と」

 開幕までの2回のテストを経て、大久保はV21Lについて「ポテンシャルの高いレーシングバイク」という印象を抱いていた。だが、金曜日からの走行では、V21Lの特徴が大久保を悩ませることになる。

 プラクティス1は13番手、プラクティス2は11番手。金曜日夕方の予選Q1は4番手でQ2に進出することはできず、12番手から8周のレース1、レース2に挑むことになった。

 大久保は「思ったより(タイムを)上げられなかった、というのが正直なところ」と、金曜日を率直に振り返った。これまでスーパースポーツ世界選手権(WSS)やFIM世界耐久選手権(EWC)などに参戦してきた大久保は、主に市販車ベースのバイクで争われる選手権で戦ってきた。だが、ドゥカティが開発した電動レーサーV21Lはフレームの剛性が強く、よれない。乗り方の改善が必要だった。

「V21Lはレーシングマシンで、車体が硬いんです。フレームがアルミで、剛性がしっかりしている。僕は今まで市販車にしか乗ったことがなくて、レーシングバイクにしっかり乗ったことがないんです。それで、自分でバイクを押せなかったりして……。フレームがよれるのをうまく利用して曲がる、というライディングフォームになっちゃっているのを、改善中です」

 そう語っていた大久保は、土曜日のレース1を5位、レース2を10位で終えた。レース2に関しては、昼に行われたレース1のあとにサスペンションのセッティングを変更したが、思いがけずよくない方向に変わってしまった。耐えて耐えての10位だった。

「得意なル・マンでのレースだったんですが、悔しい結果になったのはちょっと残念ですね」と、フランス大会の結果に浮かない表情を浮かべていた。

「引き続き、乗り方を改善していかないといけないですね。バイクのセッティングもメカさんと話して方向性についての答えは出ているので、それをムジェロ(次戦イタリア大会)で試せればいいかなと思います」

 ライディングの改善は、今の大久保にとって大きな課題であるようだ。とはいえ、大久保には過去2年分のMotoE参戦経験があり、また、2023年のMotoEマシンV21Lはより攻められるバイクである。ライディングの改善が進めば、上位争いが見えてくるはずだ。

MotoEはウオームアップ・ラップがない。グリッド上でライダーたちは集中力を高めている
MotoEはウオームアップ・ラップがない。グリッド上でライダーたちは集中力を高めている
スタート前、グリッド上ではバイクへの充電が行われる
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