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クルマ ニュース

投稿日: 2021.12.30 14:15
更新日: 2021.12.30 14:27

『トヨタ・カローラクロス』と『ホンダ・ヴェゼル』のHVが本命。国産コンパクトSUV 年始商戦【市販車購入ガイド】

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クルマ | 『トヨタ・カローラクロス』と『ホンダ・ヴェゼル』のHVが本命。国産コンパクトSUV 年始商戦【市販車購入ガイド】

 2021年に登場した国産新型車のうち、SUV/クロスオーバーは、大幅改良や派生車種を含めて9台が登場。トヨタ・カローラシリーズ初のSUVモデル『トヨタ・カローラクロス』やニッサン・ノートの派生モデル『ニッサン・ノートAUTECH CROSSOVER』、2021-2022 日本カー・オブ・ザ・イヤーでも高評価だった『ホンダ・ヴェゼル』など、注目のモデルが多数揃う一年になりました。

 今回は、ボディサイズや車格感は微妙に違いますが、車両価格帯が近い設定の『トヨタ・カローラクロス』『ホンダ・ヴェゼル』『トヨタ・ヤリスクロス』『ダイハツ・ロッキー/トヨタ・ライズ』の4台の国産コンパクトSUVをクローズアップします。各車の特徴を掘り下げながら、年始商戦“お役立ち”購入ガイドをお届けします。

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■トヨタ・カローラクロス

2021年9月14日発表

トヨタ・カローラクロス『HYBRID Z』(FF)
トヨタ・カローラクロス『HYBRID Z』(FF)
トヨタ・カローラクロス『HYBRID Z』(FF)
トヨタ・カローラクロス『HYBRID Z』(FF)

 まず注目したいのは、2021年9月にデビューしたトヨタ・カローラクロスだ。パワートレイン(1.8ハイブリッド)やプラットフォーム(GA-C)は、TNGA第一世代のものになるが、ある意味こなれた技術で造られていることもあって、車格のわりには、お求め安い価格を実現している。

 そのためガソリン車もハイブリッド車も、ひとクラス下となるトヨタ・ヤリスクロスとあまり変わらない車両価格設定で狙うことができる。

 1.8リッターエンジンのガソリン車は、やや力不足の感が否めないが、1.8リッターのハイブリッド車は、プリウスやC-HRと同じパワーユニットを搭載するだけに、動力性能も燃費性能も申し分なし。

 操舵支援までカバーするフル機能型のトヨタセーフティセンスやディスプレイオーディオが標準装備されるなど、安くて使える実用車“カローラ”の名に相応しいSUVに仕立てられている。

トヨタ・カローラシリーズ
トヨタ・カローラシリーズ
カローラクロスのプラットフォームは、TNGA技術の流れを組んだGA-Cを採用。プリウスやC-HRと同型だが、FF車のリヤサスペンションはトーションビーム式(4WD車はダブルウイッシュボーン式)を採用するなど、コストも意識した設計が注がれている。
カローラクロスのプラットフォームは、TNGA技術の流れを組んだGA-Cを採用。プリウスやC-HRと同型だが、FF車のリヤサスペンションはトーションビーム式(4WD車はダブルウイッシュボーン式)を採用するなど、コストも意識した設計が注がれている。
カローラクロスのパワートレインは、他のカローラシリーズと基本的に共通した選択。ガソリン車は1.8リッターNA、ハイブリッド車は1.8リッターのTHS Ⅱを採用している。ハイブリッド車には小型リヤモーターを組み合わせるE-Four車(4WD)も設定されている。
カローラクロスのパワートレインは、他のカローラシリーズと基本的に共通した選択。ガソリン車は1.8リッターNA、ハイブリッド車は1.8リッターのTHS Ⅱを採用している。ハイブリッド車には小型リヤモーターを組み合わせるE-Four車(4WD)も設定されている。
カローラクロスのインパネは、他のカローラシリーズとほぼ同じ造形。加飾は控えめで、シンプルな雰囲気でまとめられている。センターコンソールの上部には、ディスプレイオーディオを配置する。
カローラクロスのインパネは、他のカローラシリーズとほぼ同じ造形。加飾は控えめで、シンプルな雰囲気でまとめられている。センターコンソールの上部には、ディスプレイオーディオを配置する。
カローラクロスの室内は、コンパクトSUVながら余裕のあるスペースが確保されている。主力グレードのフロントシートには、サイドサポートを備えるスポーティタイプを採用。荷室容量はクラストップレベル。通常時の容量は、アンダーボックスも含めて最大487リッターを確保する。
カローラクロスの室内は、コンパクトSUVながら余裕のあるスペースが確保されている。主力グレードのフロントシートには、サイドサポートを備えるスポーティタイプを採用。荷室容量はクラストップレベル。通常時の容量は、アンダーボックスも含めて最大487リッターを確保する。

■トヨタ・カローラクロス【グレード別購入ガイド】

車両価格帯:199万9000円〜319万9000円

 1.8リッターガソリンと1.8リッターハイブリッドをグレード揃えで価格を比べると、その差は約35万円ほどになる。このクラスとしては平均的な金額の差になるが、これを日々のガソリン代で取り戻すには、20万kmほどは走らないとハイブリッド分は取り戻せないという計算が成り立つ。

 ガソリン車、ハイブリッド車のパワートレインのスペックを比較すると、1.8リッターガソリン車が140ps/17.3kgm、1.8リッターハイブリッド車が98ps/14.5kgm(エンジン)+53kW/163Nw(モーター)。

 純粋なエンジンスペックはガソリン車が上だが、最近のトヨタのハイブリッド車はモーターとの協調制御が巧み。実走行ではモーターアシストの恩恵も強く実感できる。

 特に高速走行時の余力感は、ひとクラス上のクルマと思えるほどだ。同じような走行状況でハイブリッド車とガソリン車を比べると、ガソリン車はアクセルをかなり踏み込まないと加速していかない印象を強く感じてしまう。

 オートスポーツweb市販車班のカローラクロスのオススメは、ハイブリッド車。動力性能の差はコストアップに見合うものと考えていい。ハイブリッド車にはリヤモーターが装着される4WD車も選べるが、日常生活で使う分にはFF車で十分だ。

 トヨタ車の定番装備になるトヨタセーフティセンスとディスプレイオーディオ(7インチ)は全グレードに標準装着される。

 『G』、『S』、『Z』の3つのグレードの違いは、主に内外装加飾と利便装備の装着設定になる。ベーシックな『G』の内外装は、少し削りすぎ? とも感じてしまう部分もあるが、実用に徹したキャラは一番“カローラ”らしいともいえる。買いの一手は、『ハイブリッドG』(259万円)と『ハイブリッドS』(275万円)だ。

トヨタ・カローラクロス『置くだけ充電』
トヨタ・カローラクロス『置くだけ充電』
トヨタ・カローラクロス『パノラマルーフ』
トヨタ・カローラクロス『パノラマルーフ』
トヨタ・カローラクロスの荷室
トヨタ・カローラクロスの荷室

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■ホンダ・ヴェゼル

2021年2月18日発表

ホンダ・ヴェゼル
ホンダ・ヴェゼル

 2021年にフルモデルチェンジを実施し、二代目にバトンが渡ったホンダ・ヴェエル。初代に続き、現行型も安定した人気を集めている。発売以来、多くの受注を集めているが、コロナ禍の影響で納期がかなり長めになっているのが残念だが、実力は間違いなく国産SUVのトップクラスに位置する。

 現行型は、クーペルックを強めたスタイリングに注目が集まっているが、その本質は優れた実用性を持つことにある。フィット譲りの多彩なユーティリティがもたらす使い勝手の良さは、同サイズのSUVの中では際立っている。日々の買い物からレジャーシーンまで、幅広いニーズに応えてくれる。

新型ヴェゼルのエクステリアは、先代に比べるとクーペルックが強まっている印象だが、低床構造がもたらす広い室内空間は健在だ。フィット譲りの多彩な積載性や車両感覚を掴みやすいボディサイズは魅力的だ。
新型ヴェゼルのエクステリアは、先代に比べるとクーペルックが強まっている印象だが、低床構造がもたらす広い室内空間は健在だ。フィット譲りの多彩な積載性や車両感覚を掴みやすいボディサイズは魅力的だ。

 さらに、ハイブリッド車の大幅強化も見所だ。ハイブリッドシステムを2モーター式のe:HEVに変更したことで、動力性能が大幅に向上している。力強い駆動モーター+直動機構がもたらすパワフルな走りは、先代で指摘されていた坂道や高速走行時の力感不足や燃費性能の低下を克服している。

 その実力は、ひとクラス上のミドルSUVとも勝負できると言っても大げさではないほどだ。性能向上&装備類の強化もあって価格帯もそれなりに上がってしまったが、クルマの進化を考えれば十分許容範囲といえるだろう。

新型ヴェゼルからハイブリッドシステムを『e-HEV』に変更。通常走行時はモーター駆動を主体とするが、高速道路などではエンジン直動状態に切り替わるため、高速走行に強くなっている。
新型ヴェゼルからハイブリッドシステムを『e-HEV』に変更。通常走行時はモーター駆動を主体とするが、高速道路などではエンジン直動状態に切り替わるため、高速走行に強くなっている。
ホンダ・ヴェゼル
ホンダ・ヴェゼル

■ホンダ・ヴェゼル【グレード別購入ガイド】

車両価格帯:227万9200〜329万8900円

 ヴェゼルは、ガソリン車が1グレード、ハイブリッド車が3グレード、合計4グレード構成となる。主力は、e:HEV搭載のハイブリッド車になる。

 ハイブリッド車には『X』『Z』『PLaY』を用意。安全装備のホンダセンシングは、ガソリン車の『G』を含めて全グレードに装着される。グレードの違いは、内装意匠に加えて、後方警戒のBSMやパワーシート、サンルーフなどで差別化されている。

 ヴェゼルのグレード選びで気をつけたいのは、ベーシックグレードと上級グレードで、キャラクターが大きく違うことだ。ベーシック系の『G』と『X』は、実用車に徹したキャラクターで、装備も加飾は控えめだ。

 上級グレードの『Z』と『PLaY』は、安全&快適装備を強化。先代よりも明らかに格上なSUVに仕上がっている。特に『PLaY』は、純正ナビシステムやガラスルーフも標準装着されるなど、ひとランク上のプレミアムSUVに迫る豪華さだ。

 使い勝手の良いSUVを求めるならば、ハイブリッド車『X』(FF)265万8700円で十分だろう。ナビをオプションで付ける必要はあるが、普段使いで必要な装備は、おおよそ揃っている。

 次のオススメは『X』のひとつ上の『Z』(FF)289万8500円。内外装の質感も上がり、BSMやパワーテールゲートも標準装着される。初期受注で人気を博した『PLaY』は、プレミアムSUVに比肩する装備内容だが、車両価格は329万8900円と、コンパクトSUVクラスとしては高価な設定だ。

 なお、ガソリン車の『G』(FF)は227万9200円。動力性能は正直なところ物足りないが、便利に使えるSUVを求めるユーザーならば、一考の価値はある。

内装が豪華仕様の最上級グレード『PLaY』も魅力的だが、ヴェゼル本来のキャラクターを考えると、『X』と『Z』が主力となるだろう。ナビユニットは『PLaY』を除いた各グレードでオプション設定になる。
内装が豪華仕様の最上級グレード『PLaY』も魅力的だが、ヴェゼル本来のキャラクターを考えると、『X』と『Z』が主力となるだろう。ナビユニットは『PLaY』を除いた各グレードでオプション設定になる。
頭上空間も足元まわりも余裕の設計。後席座面チップアップ機能などの多彩なシートアレンジも新型ヴェゼルの強み。
頭上空間も足元まわりも余裕の設計。後席座面チップアップ機能などの多彩なシートアレンジも新型ヴェゼルの強み。
ホンダ・ヴェゼルの荷室(最大時)
ホンダ・ヴェゼルの荷室(最大時)


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