4月20日から21日にかけて、宮城県のスポーツランドSUGOでENEOS スーパー耐久シリーズ2024 Empowered by BRIDGESTONEの開幕戦が行われる。ここでは2024年シーズンの開幕を前に、改めてシリーズの基本情報やエントリー情報、今季の注目の参戦車両などの見どころを紹介する。
■30年以上続く参加型レース。2024年も9クラスの多彩な戦いに
スーパー耐久シリーズは、日本最大級の参加型レースとして1991年に創設され、市販量産車をベースとしたマシンで長時間を戦うカテゴリーだ。行われるレースは『耐久』の名のとおり数時間をかけて実施され、規定された時間内でより多くの周回数を走行した車両が勝者となる。2024年の開催大会は短くても3時間、長いものでは富士スピードウェイを舞台にした富士24時間レースがある。
参戦車両は自動車メーカーが作り上げたGT3やGT4、TCRといったカスタマーレーシングカーを始め、普段街中でも見られる市販車をチームが独自に仕立てたマシンまで多岐に渡る。これらのマシンは、シリーズを運営するスーパー耐久機構(Super Taikyu Organization/S.T.O)が発行した技術規則に従い、排気量や駆動方式に基づいて分けられた9クラスがレースを戦うのだ。
なかでも2021年に新設されたST-Qクラスは、自動車メーカーがカーボンニュートラルを志す最新技術を試す場として、開発車両が参加可能となっている。設けられた当初より各メーカーの活動が盛んになっており、水素エンジンやカーボンニュートラル燃料といった先進技術が投入されたマシンが参加を続けている。
■ENEOS スーパー耐久シリーズ2024 Empowered by BRIDGESTONE クラス分け
クラス | 条件 |
---|---|
ST-X | 本年度、FIAよりホモロゲーションが発行されているFIA GT3公認車両、及びGT3規格に準ずる車両 |
ST-Z | 本年度、SROよりBOPが発行されているGT4公認車両、及びGT4規格に準ずる車両 |
ST-TCR | 本年度、FIA、またはWSCよりBOPが発行されているTCR規格車両、及びTCR規格に準ずる車両 |
ST-Q | 他のクラスに該当しない、STOが認めた開発車両 |
ST-1 | 以下のST-2~ST-5以外の車両 |
ST-2 | 2400cc~3500cc迄の4輪駆動車両、及び前輪駆動車両 |
ST-3 | 2400cc~3500cc迄の後輪駆動車両 |
ST-4 | 1500cc~2500cc迄の車両 |
ST-5 | 1500cc未満の車両 |
多岐に渡るマシンが揃うスーパー耐久は、参加ドライバーについても門戸が広い。各チームは1台につき、2名以上4名以内をA・B・C・Dドライバーとしてエントリーさせることができる。Aドライバーについては、技量を問わない60歳以上か35歳以上のアマチュアドライバー、もしくはスーパー耐久機構が認めた女性ドライバーである必要があるのだ。
またB・C・Dドライバーについても、『FIA国際ドライバーライセンスC』以上、または『国内競技運転者許可証A』以上の所持者であり、後者については大会前24カ月以内にJAF公認レースで4回以上完走認定を受けている事を条件となっており、ある程度の実績が認められれば比較的多くのドライバーが参加しやすくなっている。