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国内レース他 ニュース

投稿日: 2024.04.25 14:02

apr 2024スーパー耐久第1戦SUGO レースレポート

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国内レース他 | apr 2024スーパー耐久第1戦SUGO レースレポート

ENEOSスーパー耐久シリーズ2024 Empowered by BRIDGESTONE第1戦

開催地:スポーツランドSUGO(宮城県)/3.727km
4月21日(予選)天候:曇りのち晴れ コースコンディション:ドライ
4月21日(決勝)天候:晴れ コースコンディション:ドライ 観客数:3600人

小山美姫選手が新たに加わり、ST-Xクラスで女性ドライバーとして初めて表彰台に立つ

 2024年、全7戦で争われるスーパー耐久シリーズに、aprは引き続きFIA-GT3によって争われるST-Xクラスに臨む。5シーズン目となるDENSO LEXUS RC F GT3をドライブするのは永井宏明選手、小高一斗選手と嵯峨宏紀選手、そして新たに加わった小山美姫選手だ。小山選手はCドライバーを担当する。なお、今回は永井宏明選手がGTワールドチャレンジ・アジアに出場のため、永井秀貴選手が代役としてAドライバーを務める。

 開幕戦はスポーツランドSUGOで、『SUGOスーパー耐久4時間レース』として開催。2グループ開催で4時間の戦いながら、従来とは異なり、予選・決勝が1デイで実施される。ST-Xクラスが属するグループ1は、日曜日に濃厚な一日を過ごす。

 昨年は第5戦もてぎで悲願の初優勝を飾り、ランキングでも過去最高の2位となった。今年は1勝に留まらず、そして王座獲得を最大の目標としていく。

公式予選4月21日(日)8:15〜

 特別スポーツ走行が木曜日に、STELによる専有走行が金曜日に行われたのは普段どおりながら、今回は2グループ開催で、グループ2の予選・決勝が土曜日に、グループ1の予選・決勝が日曜日に行われる、今までにないスケジュールとなっていた。

 DENSO LEXUS RC F GT3は、永井秀貴選手のマイレージアップに重点を置きながら、小高選手によってセットアップが進められ、セッションごと順調にタイムを詰めていった。

 さて、これまで予選は、AドライバーとBドライバーの合算タイムでグリッドを決してきたスーパー耐久だが、今年からシステムが改められ、今回はノックアウト方式が採用されている。Aドライバーが最初のセッション、『Q1』を走るのは従来どおりだが、上位はBドライバーが続いてのセッション『Q2A』に、下位は『Q2B』に臨むことになる。ちなみにST-Xクラスのエントリーは4台だから、2番手までが『Q2A』進出となる格好だ。

 予選1セッションの計測は25分だが、ST-Xクラスだけは後半の10分を走行する。クラスの異なる車両に行く手を阻まれることはない。永井秀貴選手は計測2周目から早速アタックを開始。まず1分24秒419を記した後、2分23秒240まで短縮し、計測3周目こそ1分23秒398に甘んじるも、ラストアタックをかけると1分22秒309にまでタイムを上げて、トップに躍り出た!『Q2A』進出、すなわちフロントロウ確保に成功する。

 続く、一騎討ちで競う『Q2A』に挑んだ小高選手は、じっくりタイヤに熱を入れながらタイムを刻み続けていく。まずは1分30秒台から始まり、1分25秒台へ、そして1分23秒287に入れたところでアタックをかけると、記されたのは1分20秒515でトップタイムならず。

 DENSO LEXUS RC F GT3は2番手から決勝レースに臨むこととなった。この後に行われたC・Dドライバー予選には嵯峨選手、小山選手の順で走行し、それぞれ決勝レースに向けたセットアップを進めることに。ユーズドタイヤでの走行ながら嵯峨選手は1分24秒001、小山選手は1分24秒618を自己ベストとしていた。

永井秀貴選手

「アタックラップでミスをしてしまいまして、最終周でタイムを縮めることができたから良かったのですけど、本来はもう1周早く。そういう意味では、タイヤグリップのピークを逃してしまって残念だったのですが、昨日ニュータイヤ履かせてもらった時は24秒後半だったので、それからするとクルマも仕上げてもらって、だいぶいいかたちで、結果につなげられたので良かったです。ジェントルマンの中で、1番が獲れて良かったです。嬉しかったです!」

小高一斗選手

「今週、初めてニュータイヤ履いたんですけど、練習だと22秒入ったぐらいで、2秒ぐらいペース上がったこともあり、ちょっとクルマのバランスがアンダー傾向になってしまいました。秀貴さんが乗って乗りやすい方向でクルマを作っていたので、ニュータイヤで一発タイムを出しに行こうと思ったら、ちょっと曲がりませんでした。決勝見据えると、しょうがないかな。でも、悪くない予選でした。秀貴さんがすごくいい仕事してくれたので、感激できました」

小山美姫選手

「今年から秀貴さん、一斗、嵯峨さんと組みますが、目指しているレース人生のなかで、一斗がいてくれるのは比較の対象にもなるので励みになります。それと、ジェントルマンドライバーと同じクルマを初めてシェアして、そのコメントや一斗のコメントを聞ける環境は、すごく自分にも勉強になっています。ひとつずつ慣れていくなかで、早く一斗に追いついて、いい勝負ができるようになりたいというのが、ひとつ目標でもありますし、そのなかでもクルマ作りや自分にできることを学びながら、いろんなことを引き出して身につけていきたいと思っています。今は古いタイヤでガソリン入れて、ロングの設定で無理のない範囲で走って、混走にも慣れようと。タイムを出すというより、決勝に向けてチェックをしつつ、自分のスティントのときを考えて走っていました」

嵯峨宏紀選手

「混走の予選だったんですけど、おもに決勝に向けたセットを試して、ちょっと曲がらないかな、という感じがあったので、対策を入れて決勝に行こうと思っています。今回は決勝が4時間で長いので、いつもと違う展開にはなるでしょうが、やっと開幕なので、次の24時間も見据えながら、課題を潰しながらやっていこうと思います」

金曽裕人監督

「永井選手のパフォーマンスが炸裂した予選でした。ただ、小高選手時にタイヤを決勝に向けて温存したかったので、予選周回数を減らさせました。それが要因で、フロントタイヤが温めきれずにアンダーステアの曲がらない傾向に。僕の判断ミスが要因、スケベ心は出すものではありませんね。ポールを獲りたかったですが、長いレースをフロントロウからスタートでき満足しています。決勝は、表彰台をマストとして、ST-Xクラスで女性ドライバーの初表彰台、初優勝を今シーズンは、なんとか早めに獲得したいです!」

apr 2024スーパー耐久第1戦SUGO レースレポート
apr 2024スーパー耐久第1戦SUGO レースレポート

決勝レース4月21日(日)13:30〜

 例年であれば3月に開幕して、モータースポーツの本格的なシーズンのスタートを告げてきたスーパー耐久ではあるが、今年は4月から、なおかつ11年ぶりにSUGOからのスタートとなった。余談ながら、その2013年は降雪で決勝が中止になったものの、今年は対照的に初夏を思わせるような陽気の下で決勝が競われた。

 今回は従来のSUGOのレースより1時間増やされた、4時間レースとしての開催ながら、ドライバー交代を伴うピットストップの義務づけは2回。Aドライバーの永井秀貴選手には規定の60分を走り続けてもらうとしても、残り180分を2スティントで走るのは、他のクラスならいざ知らず、FIA-GT3には不可能にも等しい。もちろん、そのことは織り込み済みだ。

 今回のスタートにST-XクラスはAドライバーはおらず、全員がプロドライバーで勝負をかけてきた。DENSO LEXUS RC F GT3も嵯峨選手で、それに真っ向勝負に討って出た。スタート直後に1台の先行を許し、さらにターボパワーにモノを言わせたGT-Rにも10周目に抜かれ4番手までドロップしてしまい少しずつ差は開き始めたが、それでも有視界のうちに周回。

 どうやらライバルも2ストップは目論んではいないようで、ハイペースで走行し続けること、さらに嵯峨選手のペースも20周を超えたあたりから落ち込んできたこともあって、45分ほど経過した30周目に、ST-X最短周回で小山選手への交代を行うことに。

 1分25秒台、ときには24秒台にも入れるコンスタントな走りで、小山選手は前との差をじわりじわりと縮めていく。また1時間を経過して間もなく発生したヘアピンでのアクシデントに対し、48周目からセーフティカー(SC)が導入され、ライバルがドライバー交代を行ったことでDENSO LEXUS RC F GT3はひとつ順位を上げ、さらには先行する2番手もコース上で捉えることに成功。

 小山選手のスティントはスタートから1時間55分、自身は70分走り続けた74周目に、永井秀貴選手に2番手でバトンタッチ。綿密な計算のもと途中プロドライバーに先行を許すも115周目まで、しっかり1時間走り抜いて、残り63分を小高選手に3番手で託すことになる。

 その時点で2番手の車両とは1周あまりの差があったが、相手はAドライバー。なんとしても追いつきたいところだ。138周目に小高選手は同一周回に持ち込み、『もしかしたら』の期待を抱かせるまでに。最終スティントでは誰より速かった小高選手ではあったが、コース幅の狭いSUGOは終盤になるとライン外は、タイヤカスでびっしり。バックマーカーを抜き続けなくてはならない、ST-Xクラス勢のプッシュを阻んでもいた。

 それでも小高選手は90秒あった差を、最後は前と22秒にまで縮めるとともに、DENSO LEXUS RC F GT3は最低限の目標だった3位表彰台を獲得。小山選手をST-Xクラスで初めて表彰台へと導いた。

 第2戦はシリーズ最大の山場、富士スピードウェイを舞台とする24時間レースとして、5月24〜26日に開催される。永井宏明選手が戦列に復帰し、永井秀貴選手が今回に続き、さらに中山雄一選手を加えた6人体制で、優勝を目指す。ご期待いただきたい!

永井秀貴選手

「表彰台に上がれて嬉しいです。小山選手が2番手で僕にバトンを渡してくれたので、なんとか表彰台を獲れて良かった! でも、僕が乗っていたタイミングでは、コンディションなのかもしれないが、アンダーもオーバーも出ていてタイムも安定していなかったので、ちょっと心配だったんですが、なんとか小高選手が最後まで頑張ってくれて3位入賞できたので、すごく嬉しいです。ありがとうございました」

小高一斗選手

「2位に追いつけるかなと思って、最初飛ばして走っていました。ピットのミスも少しあったし、序盤に大きく順位を落としたこともあり、いろいろうまくいけば2位になっていたかもしれないけど、でも開幕戦で、みんなと違う作戦で3位になれたので、素直に喜びたいです。次は24時間で、富士は去年の最終戦で優勝できているので自信持って。あとはピットもいっぱいあるので、ひとつひとつをミスなくするだけでも、かなりレースは有利になっていくと思うので、チーム一丸になって今年こそ勝ちたいと思います」

小山美姫選手

「安定して走れたとは思いますが、やっぱりもっとペースを上げていきたいですね。ひとまず接触もなく、オーバーテークもでき順位も取り戻せました。チームのなかでもいい方のペースで走れていたので、初レースとしてミスは少なかったと思います。レース中にコンディションも変わって、走らせ方もトライできましたし、次に向けてスキルアップが出来たレースだったと思います。ST-X女性初の表彰台みたいですが、早いうちに女性初の優勝が目標です!」

嵯峨宏紀選手

「想定以上に中盤、タイヤ内圧が上がってしまって、なかなかペースが上がりませんでした。序盤のペースは良かったんですが、スタート直後はタイヤの温まりの差でベンツに行かれてしまったし、バックマーカーをうまく処理できなくてGT-Rに行かれて、自分としてはポジション落としてしまったので、ちょっと課題を残してしまいました。今年は新体制になって、開幕戦としてはいい結果で終われたと思いますし、次の24時間に向けて、また課題を洗い直していきたいと思います」

金曽裕人監督

「まずは表彰台で一安心というところですけど、自己反省も多々あり、作戦とピット作業時間を見誤った所がありました。クルマのパフォーマンス的には2位が獲れたと思う、それが獲れなかったのはドライバーもメカニックも新しい布陣で挑んでおり、そこを加味しきれてなかったこと。僕の精度も、もっと上げていかなければなりません。そのうえでターゲットは次戦の富士24時間、初優勝です。ともあれ、小山美姫を表彰台に乗せられたのが嬉しいですね。次戦はレクサスの得意とする富士、今年こそは24時間を制覇したいです。次戦にご期待ください」

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