スーパー耐久シリーズの2023年年間エントリー発表。注目集める62台が名を連ねる

　2月20日、スーパー耐久シリーズを運営するスーパー耐久機構（S.T.O）は、2023年の年間エントリーリストを公開した。近年非常に多くの台数を集めているシリーズだが、2023年は昨年を1台上回る62台がエントリーを果たした。各クラスに注目のエントリーが集まっている。

　ST-X、ST-Z、ST-TCRといったカスタマーレーシングカーのクラス、市販車改造のST-1〜5、そしてスーパー耐久が認めた開発車両が参加できるST-Qクラスと、合計9クラスが参加できるスーパー耐久。近年非常に高い人気を誇っており、注目度も年々増しているが、そんなシリーズの年間エントリーが2月20日に発表された。今回はカーナンバー、チーム名、車名のみだが、モータースポーツファンのみならず、クルマ好きにとっても注目となるリストとなった。

　まずGT3カーが参加できるST-Xクラスは8台がエントリーした。すでに発表済みのチームも多いが、2022年から継続参戦するHELM MOTORSPORTS、TKRI、apr、GTNET MotorSports、D’station Racingといった顔ぶれに加え、KCMGがホンダNSX GT3で復活。さらに2022年のST-Z王者のTEAM 5ZIGENがニッサンGT-RニスモGT3を投入することに。また、GTNET MotorSportsの車名に昨年途中まで参戦したMP Racingが入っているのが注目だ。

　GT4車両が参加できるST-Zクラスは11台がエントリー。今季デビューとなる2台のニッサンZ GT4が注目だが、クラスを移す埼玉トヨペット Green Brave、Team Noahといったチーム、BUZZ KOTA RACING、AUTO FACTORYなど注目チームが多い。車種も6種類ほどになりそうだ。ST-TCRは2台が名を連ねるが、詳細はまだ不明だ。

　ST-1、ST-2については昨年同様の顔ぶれがそろうものの、昨年参戦していたチームがいないところもやや気になるところ。ST-3は埼玉トヨペット Green Braveがクラスを変更したことから、3台のニッサン・フェアレディZニスモRC、2台のレクサスRC350の戦いとなりそうだ。

　スーパー耐久の代表的なクラスでもあるST-4は台数が大幅に増加。8台がエントリーしている。トヨタGR86／86が主力だが、既報のとおりOVER DRIVEがマツダ・ロードスターRFを投入する。また強豪ENDLESS SPORTS、TRACYSPORTS with DELTAがST-4に加わることは大きなトピックスだ。S.T.Oでは、このクラスの盛り上がりに向け近年コスト削減などに取り組んでおり、その効果が現れはじめていると言ってもいいだろう。またST-5は今季は13台がエントリー。こちらもホンダ・フィット、マツダ・ロードスター、トヨタ・ヤリスなどが参戦。見どころが多いカテゴリーとなりそうだ。

　そして、2021年に創設されたST-Qクラスは、2022年は5〜7台のエントリーだったが、今回の年間エントリーには8台が記された。注目は多く、MAZDA SPIRIT RACINGがマツダ3以外にも“2台目”をエントリーさせているほか、ホンダからST-Q参戦が予告されていたとおり、『TEAM HRC』というチームがなんと2台をエントリーさせている。1台の車名からは、カーボンニュートラルフューエル使用が予想される。また、230号車もその実体が気になるところだ。今季もこのクラスは話題に事欠かないだろう。

　実際のレースでは多少の増減はあるかもしれないが、今季はスポーティングレギュレーションでスポットエントリーは原則として常設ピットが与えられないという文言も記されており、この年間エントリーの台数が実際に近いだろう。今季もスーパー耐久は熱いシーズンとなりそうだ。

2023年スーパー耐久シリーズ
年間エントリーリスト（2/20）
ST-X

ST-Z

ST-TCR

ST-Q

ST-1

ST-2

ST-3

ST-4

ST-5