柳田真孝がTEAM ZEROONEのゼネラルアドバイザーに就任。2台のニッサンZと「地に足をつけて成長」

　2022年からスーパー耐久シリーズに参戦しているTEAM ZEROONE。2023年は2台体制となり、ドライバーも大幅に強化されたのだが、彼らをバックアップするために、柳田真孝が同チームのゼネラルアドバイザーに就任。2月23日に富士スピードウェイで行われた公式テストからチームのレベルアップのために精力的な働きを披露していた。

　富士公式テストには、昨シーズンもST-3クラスで活躍したニッサン・フェアレディZニスモRCに加え、今季から本格デビューを果たす新型ニッサンZ GT4が登場。ともに赤いカラーリングが施されたTEAM ZEROONEの25号車、26号車は各セッションとも積極的に周回を重ね、データ収集やドライバーの習熟などに努めていた。

　セッションの合間には、25号車と26号車のドライバーがそれぞれミーティングを重ねている姿があったのだが、そこを行き来して様子を見ていたのが、柳田ゼネラルアドバイザーだ。

「基本的には2台を見ることになります。とは言っても、25号車には（松田）次生、26号車には富田（竜一郎）がいて、ふたりがリーダーになってやっているので、その部分は心配していません。どちらかというと、若手ドライバーやジェントルマンドライバーのケアをしつつ、全体を見られるようにと監督から言われています」

「まだまだ僕もいろいろなところを見なくてはなりませんし、勉強が必要な部分もあります。特に26号車は若いメカニックやエンジニアがいます。そういった若い人たちが（レースの）細かいことを知らなくても、どんどんやっていこうという姿勢が見受けられるので、僕もすごくやりがいがあります」

　昨年まで柳田は、スーパー耐久にタイヤ供給を行っているハンコックの現場マネジメントを行っていたのだが、今季に関してはTEAM ZEROONEのゼネラルアドバイザー業務に専念する。アドバイザーという役割を引き受けたのは、TEAM ZEROONEが新旧Zを参戦車両として使っていることが大きな理由とのこと。

「TEAM ZEROONEはニッサンZを使用しているということも僕のなかでは大きいです。（Zを使用しているかので）この仕事を引き受けた部分もあります。2台のうち、Z GT4はできたばかりのクルマで、今回初めてテストに臨みました。みんなで理解を深めている状態ですが、今のところ何事もなくテストを進められているのは、すごく良いことだと思います」

　ちなみに柳田ゼネラルアドバイザーは、Z GT4に関して「僕はまだ乗ったことがないんですよ。だから、いつか乗ってみたいなと思います」と、初ドライブの機会を密かに楽しみにしている様子だった。

　2023年のスーパー耐久も3月に開幕を迎えるが、TEAM ZEROONEがエントリーするST-ZクラスとST-3クラスは毎戦ハイレベルな争いが繰り広げられていることで知られている。

　参戦する以上は好結果を求めてしまいがちだが、スーパーGT GT500とGT300合わせて4度のチャンピオン経験を持ち、スーパー耐久についても経験豊富な柳田ゼネラルアドバイザーは、一歩ずつ成長していくことが重要だと強調した。

「ST-Z、ST-3の両クラスとも激戦区なので、そこまで簡単にいかないと思っています。特にZ GT4は初年度ですからね。そのなかで、我々は急に結果を出しにいこうということではなく、地に足をつけて、一歩ずつクルマとともに成長できていければ良いなと思っています」