F1オーストラリアGP併催の第2戦を経て、VASCヴァージン・オーストラリア・スーパーカーの第3戦『タスマニア・スーパースプリント』が4月7〜8日に開催され、レース1をレッドブル・レーシング・オーストラリア(RBRA)の、王者ジェイミー・ウインカップ(ホールデン・コモドアZB)が制覇。続くレース2はそのRBRAのサテライトであり、今季自らの名を冠したオートバーン・ラウンズ・レーシングとして参戦するクレイグ・ラウンズ(ホールデン・コモドアZB)が、2016年以来となるひさびさの勝利を飾った。
オーストラリア・タスマニア島のシモンズ・プレインで開催された第3戦は、昨年12台の多重クラッシュが発生するなど、マシンにもドライバーにも厳しいトラックが舞台。
そのレース週末を前に、今季からGen2規定マシンとして参戦しワークスチームとしてマシン開発を担当したRBRA、トリプルエイト・レースエンジニアリングとGMホールデンは、『バサースト1000』を含むシーズン後半の数戦で”ワイルドカード”として投入予定だった新型V6直噴ツインターボの開発延期を発表。現行の自然吸気V8へのリソース集中を表明するなど、大きなニュースがパドックを駆け巡った。
そのオープニングとなるラウンド7に向け、予選でポールポジションを獲得したのはRBRAでウインカップのチームメイトを務める2016年王者のSVGことシェーン-ヴァン・ギズバーゲン(ホールデン・コモドアZB)で、2番手にウインカップが並びレッドブル勢がフロントロウを独占。
セカンドロウにもトリプルエイトがオペレーションするラウンズが入り、ここへきて当初から完成度の高さを見せていた新型ホールデンの熟成とセットアップがさらに進んだことが感じられる予選結果となった。
スタートはそのSVGがポールから盤石の飛び出しをみせるも、ウインカップがわずかに出遅れラウンズが2番手に浮上。序盤はトリプルエイトの3台が変わらぬオーダーでレースを進めていく展開に。
その序列に動きが出たのは、首位を走るSVGが最初のピットに飛び込んでからのこと。後方を走る”セブンタイムス・チャンピオン”のウインカップは、そこから6周にわたり予選アタックのようなスパートを敢行。
続く自身のピット作業でもクルーがノーミスでマシンを送り出すと、トラック上でチームメイトの前に出ることに成功。そのままチェッカーまで走りきり、シモンズ・プレインでの記録更新となる通算12勝目を数える成功を収め、この時点でドライバーズランキングでも3位に浮上した。
「今日は僕のクルーがロケットのようなマシンを与えてくれた。それはもう、本当に素晴らしい速さだったよ」と喜びを語ったウインカップ。
「スタートがひとつの鍵になったけど、SVGが早めのピット戦略を選んだのを見て、ここしかないとプッシュした。(前戦の)アデレードでギアボックスが壊れてレースを落としたのは本当に痛手だったし、今はこうして獲れるときに獲ることが大事になるね」