現地時間9月26日(日)、2021年FIA-F3第7戦ロシアのレース3がソチ・オートドロームで開催され、ジャック・ドゥーハン(トライデント)が優勝し今季4勝目。岩佐歩夢(ハイテックGP)は9位だった。
レース3のスターティンググリッドは予選結果がそのまま反映されるためポールポジションはドゥーハン。2番手にクレモン・ノバラック(トライデント)、3番手はジョナサン・ホガード(イェンツァー・モータースポーツ)、4番手はフレデリック・ベスティ(ARTグランプリ)。岩佐は18番グリッド発進だ。
気温17.3度、路面温度19.9度のドライコンディション。規定周回数は20周でタイヤ交換義務はなし。予定どおり日本時間15時55分にフォーメーションラップが開始され、シグナルがオールブラックとなった。
ターン2を制したのはドゥーハン。トップ3は順位変わらず、4番手のベスティがひとつドロップするも翌周には順位をもとに戻す。岩佐はふたつポジションを上げて16番手に浮上した。
5周目にはベスティがホガードを抜いて表彰台圏内の3番手に浮上。岩佐も順位を確実に上げ13番手となり、7周目には12番手と6台をパス。レッドブル首脳陣へのアピールも含めた走りを見せる。
その7周目には6番手を争うジャック・クロフォード(ハイテックGP)、ファン・マヌエル・コレア(ARTグランプリ)、デニス・ハウガー(プレマ・レーシング)が数周に渡り超接近戦を演じていたが、ターン15の進入でクロフォードがハウガーに接触しハウガーはスピンしストップ。レース1で王座を獲得していたがシーズンの締めくくりはほろ苦いものとなってしまった。
この混乱をうまくかき分けて順位を上げたのが岩佐で、一気に3台をパスし9番手とポイント圏に入ってきた。目の前をいくコレアとは0.3秒差とまだまだポジションを上げるべくペースを上げていく。
トップの順位変動が起きたのは9周目、首位ドゥーハンのスリップストリームを使ったノバラックがターン2で前に出かけるも曲がりきれずオーバーラン。一旦体制を整え直すとチームから「チームのためにリスクを冒した走りをすべきでない」とチームメイト同士のバトルを一旦鎮静化させたい無線が飛ぶ。
ドゥーハンとノバラックは1秒以内の差で周回を続け、17周目にはふたたびホームストレートで並びノバラックがターン2で前に出る。しかし膨らんだノバラックのインにドゥーハンが入りターン3で逆転。接触はないもののチームからも冷静さを促す指示が出される。
そんな2台の争いを冷静に見ていたのが3番手のベスティ。ノバラックのタイヤのグリップ低下が見えた18周目にはベスティが2番手浮上に成功した。
このあとトップ3に順位変動はなく、ドゥーハンがポール・トゥ・ウインで優勝。ベスティが2位、ノバラックが3位に。岩佐は9位でフィニッシュ、ランキング12位で2021年シーズンを締めくくった。
来シーズンのFIA-F3はレースフォーマットが変更され、金曜日に予選が行われ、予選トップ12にリバースグリッドが適用されたスプリントレースが土曜日に、予選結果がグリッドにそのまま反映され、もっともポイントを多く獲得できるフィーチャーレースが日曜日に開催される。
■FIA-F3第7戦ロシア レース3 暫定リザルト
Pos. | No. | Driver | Team | Time/Gap |
---|---|---|---|---|
1 | 4 | J.ドゥーハン | トライデント | 20Laps |
2 | 7 | F.ベスティ | ARTグランプリ | 3.111 |
3 | 5 | C.ノバラック | トライデント | 3.758 |
4 | 29 | L.サージェント | チャロウズ・レーシング・システム | 7.445 |
5 | 10 | J.クロフォード | ハイテックGP | 9.695 |
6 | 27 | J.ホガード | イェンツァー・モータースポーツ | 10.368 |
7 | 2 | A.ルクレール | プレマ・レーシング | 15.281 |
8 | 17 | V.マルタンス | MPモータースポーツ | 18.860 |
9 | 11 | 岩佐歩夢 | ハイテックGP | 23.641 |
10 | 3 | O.コルドウェル | プレマ・レーシング | 25.738 |
11 | 9 | J.コレア | ARTグランプリ | 26.855 |
12 | 26 | C.ウィリアムズ | イェンツァー・モータースポーツ | 27.370 |
13 | 24 | K.フレデリック | カーリン | 36.227 |
14 | 25 | J.エドガー | カーリン | 36.732 |
15 | 6 | D.シューマッハー | トライデント | 37.208 |
16 | 22 | A.コルデール | カンポス・レーシング | 37.583 |
17 | 14 | M.ナニーニ | HWAレースラボ | 38.944 |
18 | 19 | T.バン・デル・ヘルム | MPモータースポーツ | 43.183 |
19 | 28 | F.ウグラン | イェンツァー・モータースポーツ | 52.999 |
20 | 31 | Z.コバネク | チャロウズ・レーシング・システム | 58.271 |
21 | 30 | A.シモンズ | チャロウズ・レーシング・システム | 58.614 |
22 | 20 | L.トーチ | カンポス・レーシング | 1’02.130 |
23 | 8 | A.スモリヤー | ARTグランプリ | 1’08.788 |
24 | 1 | D.ハウガー | プレマ・レーシング | 1’38.800 |
25 | 15 | O.ラスムッセン | HWAレースラボ | 2Laps |
26 | 12 | R.スタネ | ハイテックGP | 2Laps |
— | 21 | L.コロンボ | カンポス・レーシング | DNF |
— | 23 | I.コーエン | カーリン | DNF |
— | 16 | R.ヴィラゴメス | HWAレースラボ | DNF |
— | 18 | C.コレ | MPモータースポーツ | DNF |