NASCARで3度のドライバーズチャンピオンを獲得し、現在もスチュワート・ハース・レーシングを率いてCupやXfinityのシリーズに参戦するトニー・スチュワートが、2022年より自らの名を冠するトニー・スチュワート・レーシング(TSR)名義で、ドラッグレース界の最高峰NHRA(National Hot Rod Association/全米ホットロッド協会)のチャンピオンシップにフル参戦すると表明した。
TSRは来年、クラス別にトップフューエル・ドラッグスター、ファニーカーのカテゴリーで各1台がフルタイムエントリーを果たし、スチュワートの婚約者でトップフューエル通算9勝を誇るリア・プルーエットと、現在も彼女のチームメイトを務めるマット・ヘイガンを起用する。
スチュワート・ハース名義で参戦するNASCARでの活動と並行し、2000年に創設されたTSRはダートオーバルなどで争われるミジェットカーや、現在のウイング付きスプリントカーなど数多くのカテゴリーで通算27ものタイトルを獲得してきた。
その活動に加えてインディアナ州ブラウンズバーグにある既存の施設に追加されるNHRAのプログラムでは、今季もドン・シューマッハ・レーシング(DSR)で各クラスを戦うプルーエットとヘイガンのふたりを起用して、TSRとしてドラッグレースの領域に進出することとなった。
「(NASCARにおける)フルタイムでのドライブをやめたとき、それは終わりではなく『新しい章の始まり』だと言った。これがその証拠さ」と発表会の席上で語った“Smoke(スモーク)”ことトニー・スチュワート。
「これまでもレーシングに関することなら、あらゆる形態のカテゴリーに興味を持ってきたし、とくにドラッグレースとNHRAにはつねに注目してきた。2009年には俺がNASCARで、トニー・シューマッハーがNHRAでU.S.Army(アメリカ陸軍)のキャンペーンを代表したが、トニーの活躍には夢中になったよ」と当時を振り返ったスチュワート。
「そしてリア(・プルーエット/婚約者)と出会い、定期的にレース会場に足を運ぶようになり、彼女を通じて戦略と週末の準備をじかに見て初めて、この世界を本当に理解したんだ」
そのTSRは、NHRAフル参戦に際して長年シリーズでトップチームとして活動するDSRの資産を引き継ぐ形態を予定している。