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海外レース他 ニュース

投稿日: 2022.03.04 22:58
更新日: 2022.03.04 22:59

インディカー、ハイブリッドシステム搭載のパワーユニット導入を2024年に延期

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海外レース他 | インディカー、ハイブリッドシステム搭載のパワーユニット導入を2024年に延期

 NTTインディカー・シリーズは、製造業界で世界的に発生している部品不足や流通の遅れにより、2023年から導入予定だったハイブリッドテクノロジーを搭載した2.4リッターツインターボV6エンジンのデビューを2024年に遅らせることを発表した。

 2019年にインディカーは、2012年に導入した現行の2.2リッターV6ツインターボエンジンに代え、ハイブリッドパワートレインシステムを搭載したエンジンを投入することを発表。

 昨年末にシリーズのシャシーを提供してきたダラーラとの契約延長を発表し、2023年にそのシャシーに合わせた2.4リッターツインターボV6エンジンの投入を予定していた。

 排気量は2.2リッターから2.4リッターにアップ。ターボのブースト圧もわずかに上がる。E85燃料を使用するツインターボV6という点は継続。比較的シンプルで低価格のハイブリッドシステムによるエネルギー回生により、オーバーテイクを促進する“プッシュ・トゥ・パス”のパワーも向上する。

 インディカーのシステムはKERS(運動エネルギー回生システム)の原理に沿ったもので、シボレーとホンダのエンジンで共通したものを使う。これによって、PTPのブーストが100馬力アップすると期待されている。ちなみに、現行のエンジンは最高出力700馬力以上を発生。一時的にブーストを上げるPTPモードでは750馬力に上がる仕組みになっている。
 3月末にはサーキットでの初テストも予定されていたが、3月3日にインディカーは世界的に発生している部品不足や流通の遅れにより、新エンジン導入を2024年からにすることを発表。2023年もホンダとシボレーが供給する2.2リッターV6ツインターボエンジンを引き続き使用する。

 インディカーの代表を務めるジェイ・フライは、「2.4リッターV6ツインターボハイブリッドエンジンの開発のペースに満足している。我々はチームとパートナーの進歩に非常に勇気づけられているが、2023シーズンの準備を整えるために、現在の2.2リッターエンジンを使用することを早急に決断する必要があった」

「この流通危機状況を乗り越えてくれたホンダとシボレーという素晴らしいパートナーに感謝している。我々は2.4リッターハイブリッドエンジンを全速力で進めており、2024年に軌道に乗るのが待ちきれない」とコメント。

 ホンダとシボレーもエンジン導入が2024年へ延期になったことに同意している。

「シボレーは引き続きNTTインディカー・シリーズに全力で取り組んでおり、2024年に新しいエンジンパッケージを発表することを楽しみにしている」と GMモータースポーツコンペティションエンジニアリングのディレクターであるマーク・スティロフ。

 ホンダ・パフォーマンス・ディベロップメントの社長兼テクニカルディレクターのデイヴィッド・ソルターズも「インディカー・シリーズの電化時代が始まるのをとても楽しみにしている。我々はエンジンの開発のダイノテストを終了している。ハイブリッドシステムコンポーネントの供給問題が解決したら、新しいハイブリッドパワーユニットのトラックテストを開始するだろう」とコメント。

 インディカーは、2.4リッターV6ツインターボエンジンの最初のトラックテストを3月30、31日にセブリングインターナショナルレースウェイで予定。2022年も継続して開発、テストが進められる。


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