南米アルゼンチンを代表するツーリングカー選手権、新生TC2000(旧スーパーTC2000)の第11戦が、10月22~23日にコルドバ州北部アルタグラシアに位置するアウトドローモ・オスカー・カバレンで争われ、TOYOTA GAZOO Racing YPFインフィニアのホルヘ・バリオ(トヨタ・カローラSTC2000)が、痛恨のジャンプスタート・ペナルティを受けたこともあり、日曜ファイナルはアクシオン・エナジー・スポーツSTC2000陣営が表彰台を独占。エースを務める2019年王者リオネル・ペーニャ(ルノー・フルーエンスGT)が自身2度目のシリーズ制覇を達成した。
また、レースウイーク会期中にはトヨタ、ルノーに加えて、ホンダ陣営のプーマ・エナジー・ホンダ・レーシングら参戦各マニュファクチャラーの現地法人重役やチーム代表級のメンバーが会合を開き、2023年以降もシリーズ継続を支持する意思を全会一致で確認。さらに来季を移行期間と位置づけ、将来的には「SUVをベースとした競技車両の技術開発と製造」に取り組む方針も示した。
これまで4年にわたり定期的に実施されてきたシリーズ運営側ディレクターとチームオーナー級メンバーによる会合だが、今回はエントラントによるイベント管理、共同作業、および将来的な開催トラック数の増加と“SUVの導入”に関する一歩踏み込んだ議論が行われた。
「会議は非常に前向きなもので、すでに初会合から4年以上が経過したが、出席したすべてのチームが継続する意思を表明した」と語るのは、ルノー陣営アクシオン・エナジー・スポーツ代表のアレハンドロ・レジ。
「また自動車業界が向かっている場所に対し、我々としてもアクションを起こす必要がある。そのため、現在の市場で主流派を占めるSUVをレース車両に発展させるのに掛かる時間に関し、具体的に把握するべく近日中にテクニカルレポートを作成する予定だ」
同じくTOYOTA GAZOO Racing YPFインフィニアのオーナーであるダリオ・ラモンダも「SUVに関しては、技術面での解決を待ってから、その実現可能性とその後の開発・製造の期限を評価することが期待されている」と発言し、ホンダ現地法人のコマーシャルディレクターで、さらに支援が強化された新体制でのチーム代表も兼任するビクトル・プルヴォアも「ホンダとしてもTC2000のSUV化に同行する。今日のアルゼンチン市場ではSUVが人々に好まれ、主流なスタイルであることを示しているなら、TC2000はそれに追随しなければならない」と、早くも2023年半ばから開発作業に取り組むことを示唆した。