9月2日、2023年FIA F2第13戦スプリントレース(決勝レース1)が、イタリアのモンツァ・サーキットで開催され、ランキング2位につけるフレデリック・ベスティ(プレマ・レーシング/メルセデス育成)が今季5優勝を飾った。レッドブル&ホンダ育成の岩佐歩夢(ダムス)はリタイアとなった。
今回のスプリントレースを含め、2023年のFIA F2も残る4レース。タイトル争いも佳境を迎える中、第13戦スプリントレースのグリッドは、1日に行われた予選トップ10のリバースグリッドで決定され、10番手タイムを記録したラルフ・ボシュング(カンポス・レーシング)となった。
2番グリッドにリチャード・フェルシュフォー(ファン・アメルスフォールト・レーシング)、3番グリッドにランキング2位につけるベスティ、4番グリッドにジャック・クロフォード(ハイテック・パルスエイト/レッドブル育成)が続いた。
一方、ランキングトップにつけるテオ・プルシェール(ARTグランプリ/ザウバー育成)はスプリントレースを10番手から、そしてランキング3位につける岩佐は15番手からスタートを迎えた。
現地時間14時15分(日本時間21時15分)開始のフォーメーションラップを経て、快晴のもと気温27度、路面温度36.5度となるなか、タイヤ交換義務のない21周のスプリントレースはグリーンフラッグを迎えた。
抜群の蹴り出し見せたのはベスティ。ボシュング、フェルシュフォーと3ワイドとなりながら第1シケイン『バリアンテ・レティフィーロ』に入るが、ボシュングはここでブレーキングミスし、シケインのエスケープを通過。
一方、ターン3でベスティがフェルシュフォーをかわし、ランキング2位につけるベスティがトップにおどり出る。ただ、オープニングラップのアスカリシケイン立ち上がりでゼイン・マロニー(ロダン・カーリン/レッドブル育成)の追突を受けスピンを喫したアムーリ・コルデール(インビクタ・ビルトゥジ・レーシング)がマシンを止め、セーフティカー(SC)が導入される。
これでトップ5はベスティ、フェルシュフォー、クッシュ・マイニ(カンポス・レーシング)、ボシュング、クロフォードというオーダーに。なお、岩佐はオープニングラップでユアン・ダルバラ(MPモータースポーツ)にかわされ16番手に後退している。
レースは5周目に再開。トップ3は順位変わらずも、ボシュングはフラットスポットの影響もあり、リスタートで苦戦。第1シケインでクロフォードが4番手が、続いてビクトール・マルタンス(ARTグランプリ/アルピーヌ育成)が5番手、アイザック・ハジャル(ハイテック・パルスエイト/レッドブル育成)が6番手に浮上する。
ただ、6周目の第1シケイン飛び込みでプルシェールがハジャルをかわし6番手に浮上。またプルシェールのチームメイトであるマルタンスはクロフォードを易々とかわし、7周目には3番手マイニの背後に張り付く。
マルタンスは8周目の第1シケインでマイニを攻略し3番手に浮上。プルシェールは第2シケイン(ターン4〜5)でクロフォードをかわし5番手に浮上と、ARTグランプリの2台が好調ぶりを見せつける。
一方のベスティはレースも折り返しを迎えようかという10周目に2番手フェルシュフォーを1.5秒引き離し、DRS圏外に追いやる。ただペースはDRSが使えるマルタンスにあった。
マルタンスはDRSが使えないフェルシュフォーの背後につくと、DRSを使い12周目の第1シケインで鋭いオーバーテイクを決め2番手に浮上。この時点でベスティとマルタンスは1.6秒差だった。
そんな12周目の第2シケインでファン・マヌエル・コレア(ファン・アメルスフォールト・レーシング)と接触したロイ・ニッサニー(PHMレーシング・バイ・チャロウズ)がコース上でマシンを止め、2度目のSCが導入される。
またその直前から岩佐のペースが極端に落ち、岩佐は12周目終わりに緊急ピットインを敢行。チームはマシンのエンジンカバーを外しチェックを進めるが、再度コースインすることは叶わなかった。
レースは16周目に再開。第2シケインでプルシェールがマイニをかわし4番手に浮上する。19周目を迎えるころより、上位勢は各車タイヤセーブを止め、自己ベストペース、もしくは自己ベストに近いペースで走行。マルタンスは20周目時点で0.6秒までベスティに迫るも、オーバーテイクを仕掛けるまでには至らず。
21周目を終え、ランキング2位につけるベスティが逆転タイトルに望みをつなぐ今季5勝目を飾った。2位にマルタンス、3位にフェルシュフォーが続いた。プルシェールは4位でチェッカーを受けランキングトップの座を守った。なお、プルシェールとベスティは9ポイント差までポイント差が縮まった。また、2位チェッカーのマルタンスはファステストポイントも獲得し、岩佐に続くドライバーズランキング4位に浮上している。
続く、フィーチャーレース(決勝レース2)は9月3日(日)の現地時間9時55分(日本時間16時55分)から、タイヤ交換義務を有する周回数30周で争われ、岩佐は再び15番手からスタートを迎える。
■2023年FIA F2第13戦モンツァ
スプリントレース(決勝レース1)正式結果
Pos. | No. | Driver | Team | Time/Gap |
---|---|---|---|---|
1 | 7 | F.ベスティ | プレマ・レーシング | 40’18.006 |
2 | 6 | V.マルタンス | ARTグランプリ | 0.556 |
3 | 22 | R.フェルシュフォー | ファン・アメルスフォールト・レーシング | 0.996 |
4 | 5 | T.プルシェール | ARTグランプリ | 1.754 |
5 | 24 | K.マイニ | カンポス・レーシング | 3.939 |
6 | 8 | O.ベアマン | プレマ・レーシング | 6.372 |
7 | 12 | A.ルクレール | ダムス | 7.202 |
8 | 20 | R.スタネ | トライデント | 8.709 |
9 | 14 | J.ドゥーハン | インビクタ・ビルトゥジ・レーシング | 9.428 |
10 | 21 | C.ノバラック | トライデント | 10.155 |
11 | 10 | I.ハジャル | ハイテック・パルスエイト | 10.539 |
12 | 1 | D.ハウガー | MPモータースポーツ | 10 728 |
13 | 9 | J.クロフォード | ハイテック・パルスエイト | 11.181 |
14 | 3 | Z.マロニー | ロダン・カーリン | 11.477 |
15 | 4 | E.フィッティパルディ | ロダン・カーリン | 13.819 |
16 | 17 | J.メイソン | PHMレーシング・バイ・チャロウズ | 16.288 |
17 | 2 | J.ダルバラ | MPモータースポーツ | 18.903 |
18 | 23 | J.コレア | ファン・アメルスフォールト・レーシング | 21.976 |
19 | 25 | R.ボシュング | カンポス・レーシング | 24.194 |
– | 11 | 岩佐歩夢 | ダムス | DNF |
– | 16 | R.ニッサニー | PHMレーシング・バイ・チャロウズ | DNF |
– | 15 | A.コルデール | インビクタ・ビルトゥジ・レーシング | DNF |
・ファステストラップ:ビクトール・マルタンス 1分34秒308(10/21) 221.135km/h
・ペナルティ
CarNo10:5秒タイムペナルティ/コース外からアドバンテージ
CarNo9:5秒タイムペナルティ/トラックリミット違反
CarNo23:10秒タイムペナルティ/接触要因