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スーパーGTニュース

投稿日: 2009.08.24 00:00
更新日: 2018.02.15 14:48

【LEXUS TEAM KRAFT】2009年 SUPER GT 第6戦 「KRAFT SC430完全優勝ポールto ウィン!!」


2009年SUPER GT 第6戦POKKA GT SUMER SPECIAL
「KRAFT SC430完全優勝ポールto ウィン!!」

 スーパーGTではすっかり真夏の定番となった鈴鹿のサマースペシャル。38回目となる今年は、レース距離が1000kmから700kmへと短縮になったものの・・・やはりシーズンで最も過激で難しく華麗なロングスプリントレース。お盆休みも終わり、暦の上ではそろそろ初秋を迎える頃ではあるが・・・・まさに厳しい残暑そのものの鈴鹿。今年もこの暑さと距離をどう攻略するか?耐久スペシャリストを自認する「LEXUS TEAM KRAFT 」は、シーズン1勝目をここ鈴鹿で決めるべく、万全の態勢でサーキットへと入った。
 前回、菅生戦では思わぬアクシデントによりポイントを逃してしまったが・・・幸いにもマシンに大きなダメージは無く、当初から予定してたテストを菅生のレースが終わった火曜日から引き続き実施、鈴鹿を想定したロングランやタイヤ選択といった様々なメニューを消化。両ドライバーの走りこみもバッチリであり、収穫として今回のレースへ向け意味のある多くのデータを得る事が出来た「KRAFTSC430」は非常にバランスの良い状況。
石浦・大嶋両名のコンディションも良く、特に今年からSC初ドライブとなった大嶋も前半戦でマシンには完全に慣れた様子で、今回ノックダウン方式の予選が採用される鈴鹿戦では、予選からドライバー2人の実力が試される事からも大嶋の成長は心強い。バランスの良いマシン!コンディションの良いドライバー!今年1番の結果を求めるべくまずは土曜日のフリー走行から走行を開始した。

公式練習
8月22日(土)10:40~12:25
 迎えた公式練習。今回も走り出しを担当するのは大嶋。まずは持込みの状態でコースインし、6Lap程した所でトップタイムを記録!その後も早いタイムでコンスタントに周回を重ね、マシンの状態は非常に良い感じ。
 タイミングボードのトップは35番のまま、残り45分程となった所で今度は石浦へとドライバーチェンジ。ドライバー交代をしている間に2番手となっていたが代わった石浦もニュータイヤを装着しタイムアタックシュミレーションを敢行。結果、難なくトップタイムを叩き出し再びタイミングボードのトップは35番。マシンコンディションはほぼ満足が行く状態の様で、ここからは燃料を入れロングランシュミレーションを実施。
 最終的に同じSCを駆る#38に僅差でトップは奪われるが・・・ポールポジション獲得に自信を深めるフリー走行となった。

公式予選14:40~16:30
 迎えた公式予選。今年の700kmレースはノックダウン方式の予選方式を採用。予選は全部で3回行われ、1回目の予選(S1)で上位12台が予選2回目(S2)へ進出、続いてS2の上位8台が3回目の予選(S3)へ進出、最終的にこのS3で上位8台のグリッドが決定するシステム。またこのシステムではS1で2人のドライバーが基準タイムをクリアする事が義務付けられており、更にS2を走ったドライバーはS3を走れないという規定もある為、2人共にタイムアタック出来る状況が必須となる。
 今回、「KRAFTSC430」の1回目と3回目の予選を担当するは大嶋。まずは開始早々、混走セッションでユーズドタイヤを履いた大嶋がチェックラップを行い15分程経った所で石浦へと交代。代わった石浦は基準タイムを難なくクリアし、大嶋がアタックを行うタイヤの皮むきを担当しピットへ。
 迎えた500の時間帯、事実上の予選1回目となるこのセッション、アタッカーを務める大嶋は石浦が皮むきを行ったタイヤでタイムアタック!3周、4周と徐々にタイムを上げ、1’56.816で8番手へと付けまずは無難にS1をクリア、続いて行われたS2、このセッションのアタッカーは石浦。ニュータイヤを装着した石浦は、ゆっくりとタイヤに熱を入れ渾身のアタックを敢行!1’55.691のタイムを叩き出しこの時点でトップへ!その後#38にトップを譲るがポジションは2位、余裕でS3へと駒を進めた。
 そして迎えたS3、ニュータイヤを装着した大嶋はセッション開始と同時にコースイン!慎重にタイヤに熱を入れ迎えた3周目、各セクターで赤表示の区間トップを記録し、1’55.724のトップタイムを記録。その後もこのタイムを超えるマシンは現れず、見事に自身GT500初、チームとしても今季初ポールをゲットした。その後、18:30から行われたナイトセッションでも好タイムで走行を続け、好調ぶりをアピール!決勝に向け幸先の良い予選日となった。

ウォームアップ走行
8月23日(日)10:10~10:40
 迎えた決勝日。まさにレース日和、気持良い程晴れ渡った鈴鹿の空のもと朝のウォームアップ走行が開始。今回スタートドライバーを務める石浦からコースイン!燃料を多めに積んだ決勝仕様でコンスタントに周回を重ねポジションは総合2位。相変わらず「KRAFTSC430」のバランスは乗りやすいようで、特にアジャストする事も無く、残り10分程で大嶋へとドライバーチェンジ。更に燃料を積み、ほぼ満タンの状態となった大嶋だか、相変わらず好タイムで走行を続け、決勝でもハイペースで走行できる事を確認してウォームアップ走行を終了した。

決勝レース(121Laps)15:00スタート
 定刻15時の決勝スタート。チームとしては2004年のもてぎ戦以来、GT500クラスでは2度目のポールポジションからのスタートとなる「KRAFTSC 430」朝から続いた好天がスタート時刻に合わせるように突然曇りだし、なんとグリッドに着くころにはポツポツと雨粒が・・・・判断の難しい状況となるが・・・雨雲はすぐに通り過ぎるとの判断でタイヤはドライのまま121周後のチェッカーを目指し過酷なレースがスタートした。

 ポールポジションからスタートドライバーを務める石浦は、フォーメーションラップから絶妙なロケットスタートを決め、全く危なげない走りで1周目のピット前を1位で通過!2周目には既に後続との間隔を広げはじめ、続く5周目には全体のファステストラップとなる1’58.093を叩き出し後続を引き離す余裕の走行。

 その後もコンスタントに好タイムで走行を続ける石浦だが、10周を超えるあたりから300クラスの周回遅れが発生しはじめ、2位を走行する#3との間隔は若干縮まり始めるが、心配するほどの状況ではなく、石浦は間隔をコントロールしながら走行を続け、迎えた28周目予定通りのピットインクルーは落ち着いた作業で給油、タイヤ交換を迅速に行い、ロスなく大嶋をコースへと送り出す。各車ルーティンのピット作業を終えた35周目の段階で「KRAFTSC430」は変らずトップを快走!2位は#8となるがその差は7.5秒。ラップタイムで1秒以上上回る大嶋は徐々に間隔を広げにかかり、37周目にはその差10秒、その後も#8のペースを見ながら不安の無い走りでペースを調整しつつ、トップを守り切った大嶋は58周目、ルーティンのストップの為ピットへ帰還。迅速な作業によりドライバーを再び石浦へとチェンジし「KRAFTSC430」はコースへ復帰。全車がストップを終えた64周目、石浦のポジションは変わらずトップ!後続の#8との間隔を10秒程度を保ちつつ走行を続ける84周目、なんとその#8のリアタイヤがバースト!#8はペースを落とし、代わって2位には#3が浮上するが、既にその差は15秒と開いており石浦は余裕の走行。均衡を保ったまま1位を快走する石浦だったが、85周目先程の#8がバーストの影響からかマシンが炎上するアクシデントとなり、サーキットは一時騒然とした雰囲気となりセーフティーカーが導入!これによりここまで築いた貯金を吐き出す事となる「KRAFTSC430」はこのレース最大のピンチを迎えるが・・

 チームと石浦は冷静に対応し88周目、セーフティーカーラン中のピットオープンのタイミングにぴったりと併せピットイン!クルーは絶妙な作業で再び大嶋をコースへと復帰させセーフティーカー解除となった89周目から大嶋は猛チャージを開始、全車ルーティンを終えた時点では後続に10秒以上のマージンを築いてトップを快走!その後徐々に夜の帳がおりはじめ、「ライトオン」の表示をきっかにナイトランとなるが、ナイトランを得意とする大嶋は1分59秒台という驚異的な好タイムを連発し後続を16秒と引き離す。

 残り10周、完全に後続との間隔をコントロールしながら走行する大嶋は全く危なげない走りでファイナルラップへと突入!迎えた121周目、ついに「KRAFTSC430」は一度たりともトップを明け渡す事無く、シーズン最長レースをポールto ウィンという最高の結果で終える事となった。

大澤尚輔監督
菅生のテストが功を奏し、マシンもドライバーも完璧な状態で鈴鹿を迎える事が出来ました。2人のドライバーも与えられた仕事をキッチリとこなしてくれて・・ポールポジション、ファステストラップ、ポールtoウィンと、文句のつけどころの無い働きでした。マシンの状態もドライバーのコンディションも非常に高い状態を維持してますので・・富士も続けて狙いに行きます。お待たせしましたが・・・やっと皆さんに良い報告が出来安心してます。

石浦宏明
前回の菅生のテストでタイヤの方向性も決まっていましたし、僕たちのドライビングも非常に良い感じになっていたので、今回は走り始めからいいポジションで走る事が出来ました。予選では大嶋がガンバッテくれ・・・長い距離のレースにも関わらずこのような結果を出せたという事は、チームにとっても、僕たちドライバーにとっても非常に大きな誇りと自信になりました。今後もパワーアップした僕らで・・・2勝目を目指して頑張りますので応援宜しくお願い致します。

大嶋和也
今回は土曜日からずっと好調をキープ出来て、前回の菅生やその後のテストなどでも良い走りが出来たのでかなり自信もありました。予選ではルーキーにも関わらずチームからチャンスを頂いて、その期待にも応える事が出来たので良かったと思います。また、レースも良いタイムで走る事が出来たのでとても満足しています。これでシリーズも再び良いポジションになって来たので残りのレースはガンガン行きたいと思います。ありがとうございました。


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