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ル・マン/WECニュース

投稿日: 2012.04.26 00:00
更新日: 2018.02.16 08:39

デルタウイング3人目のドライバーは本山哲に決定


 日産自動車と欧州日産は26日、今季のル・マン24時間に、環境技術を志した車両が参加できる特別枠“ガレージ56”に参戦するニッサン-デルタウイングのドライバーとして、スーパーGTで3度のチャンピオンを獲得した本山哲が乗り込むと明らかにした。

 このニッサン-デルタウイングは、ローラに在籍したベン・ボールディがデザイン。ウイングを省き床下でダウンフォースを発生させるとともに、排気ガスを劇的に減少させるために車重とドラッグ、さらにマシンを組み上げるコンポーネンツを大幅に減らし、大胆な軽量化を達成しているマシン。ニッサンが1.6リッター4気筒ターボエンジンを供給し、“ニッサン-デルタウイング”としてル・マンに挑戦することになっている。

 チームのオペレーションはアメリカのハイクロフト・レーシングとオール・アメリカン・レーサーズ(AAR)が務めることになっており、ドライバーとしてハイクロフトのドライバーとして長年活躍してきたマリーノ・フランキッティ、さらにニッサンのドライバーとして昨年のFIA-GT1世界選手権王者のミハエル・クルムが決定していたが、最後のひとりが発表されていなかった。

 その最後のひとりとして、日本人としては嬉しいサプライズとなったのが本山の起用だ。本山はスーパーGTでは歴代15勝・3度のチャンピオンを獲得、フォーミュラ・ニッポンでも4度のチャンピオン獲得と、現在の日本モータースポーツ界が誇るトップドライバーのひとり。98年〜99年にはニッサンR390/R391でル・マン24時間に挑戦したこともあり、それ以来の参戦となる。

 すでに本山は、イギリスのスネッタートンで行われたテストに参加。ニッサン-デルタウイングを初めてドライブしたという。

「今年のル・マン24時間レースに、ニッサン-デルタウイングプロジェクトのドライバーとして参加できることに、とてもワクワクしています。このような素晴らしい機会を与えてくれたニッサン、ニスモ、そしてこのプロジェクトに関わる皆さんに感謝しています」と本山はひさびさのル・マン参戦に向けて意気込みを語る。

「僕にとっては1999年以来のル・マンですが、再びサルテサーキットをニッサン-デルタウイングで走れると思うとすごく楽しみです。今回は“ガレージ56”というクラスから出場します。これはレースでの賞典には関わりませんが、モータースポーツの将来を見据えた技術を搭載したマシンでの、新たなチャレンジや経験は素晴らしいものだと思います」

「スーパーGTでチームメイトのクルム、そしてフランキッティとともに24時間をしっかり走りきり、世界中の皆さんにニッサン-デルタウイングの走りを見てもらえるよう頑張ります。たくさんのご声援をよろしくお願いします」

 ニッサン-デルタウイングは参戦目的として大幅な排出ガス削減や省燃費を掲げており、スピードとしては総合優勝を狙うマシンではないが、日本のトップドライバーのひとりのル・マン参戦を楽しみにしたいところ。

「本山とクルムは、ともにスーパーGTで最も成功したドライバーであり、ル・マンでも優れたパフォーマンスを見せてくれることでしょう。ニッサン/ニスモが開発したエンジンを使用したLMP2マシンの活躍とともに、ニッサン-デルタウイングが皆さんに驚きを与えることを楽しみにしています」とニスモ宮谷正一社長も期待をよせている。


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