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ラリー/WRCニュース

投稿日: 2014.06.03 00:00
更新日: 2018.02.17 00:23

パイクス挑戦の増岡“異次元4駆”でEV初の総合Vを


 2日、MiEV EvolutionIIIで3年目のパイクスピーク挑戦を表明したミツビシ。その発表当日、監督兼任でエースドライバーを務める増岡浩に、「3年計画の集大成」となる今季に賭ける意気込みを聞いた。

「今回のMiEV EvolutionIIIは、昨年のクルマの改良版になります。1年目の2012年は量産の電池とモーターで限界まで性能が引き出せるか。2年目は電池とモーターに競技専用の先行開発品を投入し、EVとしての総合的な性能向上を狙った。そして今年の3年目は、4輪の統合制御であるS-AWC、この熟成がメインのテーマになります」

 トラクション、ヨーモーメントなどを統合制御するS-AWCはランサー・エボリューションXでもおなじみの機構だが、組み合わされるのは内燃機関であるエンジンではなく、モーター&バッテリーから生み出され、瞬時にピークに達するEV特有の大トルク。『MiEVエボ』の基本メカニズムはモーターを4つ。前輪に関しては、ふたつのモーターを表向きに合わせてLSDで左右に分配。リヤは別々のモーターで駆動する形となる。

「とにかくレスポンスが最高ですね。駆動に対しても、回生に対しても、制御の介入がすごく俊敏。その中でいちばんいい制御を、開発を通して探してきました。4駆といっても前後はつながっていないですから、邪魔し合う者が何もない。ひとつひとつ単体で制御できる。コーナーの中で“良い意味で”まったく手応えがなくなります。それがドライバーの感覚としても違和感がない。普通、コーナーの中でアンダー、もしくはオーバーってなるときに、ハンドルの感触、手応えは変わりますよね。それがまったくない。直線を走ってるのと変わらない感じで走れます。それがアクセルオンでも、オフでも。僕はこれはある意味、理想の形だと思ってます」