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スーパーGTニュース

投稿日: 2010.10.25 00:00
更新日: 2018.02.15 23:10

DENSO DUNLOP SARD SC430 最終戦は11位フィニッシュ


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2010 SUPER GT 第8戦「MOTEGI GT 250km RACE」(10/23-24)
ツインリンクもてぎ(1周4.801km)
観客動員:予選13,000名、決勝32,000名 合計45,000名

 10月24日(日)、今季最終戦となるSUPER GT第8戦「MOTEGI GT 250km RACE」の決勝が行われ、最後列から追い上げを期して臨んだDENSO DUNLOP SARD SC430は、スタートドライバーの平手が硬めのタイヤながら好ペースで安定した走行。早めにピットインをする車両をかわし暫定2位で30周目にピットイン。交代したカルロもしっかりとアンドレの代役を務めるステディな走りで最後まで粘り強く走りきり、11位でフィニッシュした。ドライバーポイントは加算ならずもランキング12位(計12点)、チームポイントでは3点を獲得し12位(計26点)となり、来季のシード権を獲得しシリーズを終えた。変則的な競技形式でフォーミュラニッポンとSUPER GTのコラボレーションイベントとなる次回特別戦は、11月13日(土)・14日(日)に富士スピードウェイで開催される。

■公式練習走行
 第7戦中止を受け2ヶ月のインターバルを経て、いよいよ2010年シリーズ最終戦となる第8戦はツインリンクもてぎが舞台。前戦の鈴鹿では予選S3まで進出し6番グリッド獲得と速さを見せ、8位フィニッシュしたDENSO DUNLOP SARD SC430。既報の通り、今回は急きょアンドレの欠場によりカルロ・ヴァンダムが平手とコンビを組む。カルロは先日もてぎで行われたGTタイヤメーカー合同テストにも参加し、89周を走り込んでいる。この最終戦はハンディウェイトがリセットされ全車ノーウェイト。予選方式は両ドライバーがアタックするノックダウン方式。レース距離は250kmと短い。公式予選・決勝とも総合力と速さを求められ、かなりの激戦が予想されている。DENSO DUNLOP SARD SC430は、昨年同大会で5位フィニッシュを飾っており、タイトルを争う上位陣の間隙を縫って有終の美を飾るべく虎視眈々と表彰台を狙っていく。

 23日(土)の天候は青空が見事に広がった秋晴れ。9時5分からの公式練習走行開始時は気温15度/路面温度24度の寒さを感じるコンディション。まずは平手がアウトインの1周しクルマの確認。その後、GT300クラスに引っかかりながらも1分46秒780のタイムをマーク。車高などを調整し、再びコースインしセットアップを進めていった。次に別の新しいタイヤでコースイン直後に赤旗とタイミングが合わなかったが、その後、平手が1分46秒753のベストタイムをマークし、アンドレの代役を務めるカルロと交代した。もてぎタイヤテストで89周を走り込んだカルロは十分にクルマに慣れており、平手の装着したユーズドタイヤで安定したロングランをこなした。続いて別のタイヤのロングランを始めたが赤旗中断が2回も続きプログラムをこなせず。公式練習走行はトータルで36周を走行し、12番手で予選への準備を終えた。

■公式予選
 23日(土)13時5分からの公式予選1回目は気温19度/路面温度30度と路面温度が上昇。混走セッション45分間は、まずは平手が難なく基準タイムをクリア。続いて午前で残ったプログラムを、カルロが基準タイムクリアを兼ねて走行した。セットは両ドライバーとも改善方向に進んだとコメント。このセッションでは1分48秒039の13番手となった。

■ノックダウン・セッション1:善戦を見せるも、約0.4秒差でセッション2進出は叶わず
 14時55分からノックダウン予選セッション1が、気温19度/路面温度25度のドライコンディションで開始。拮抗した戦いの中で、僅かな差で大きく順位が変わる緊張のノックダウン予選のトップバッターとして平手が登場。丁寧にソフト系のタイヤを温めた平手は、勢いよくアタックラップに入った。事前のタイヤテストと午前の練習走行からかなりの進歩を見せ、セクタータイムをトップ並みの速さで駆け抜けるDENSO DUNLOP SARD SC430。3周目に1分45秒032とセッション2進出圏内を大きく上回る5位付近に飛び込んだ。続く4周目もアタックを続ける平手はセクター1で自己ベストを更新。セクター2もほぼベストで期待が膨らんだ。しかしセクター3でグリップダウンが起こってしまう。他の車両はまだグリップが残っているのかアタックを続けている。このラップ平手は1分45秒251とタイム更新ならず。平手は白熱した僅差の公式予選で善戦を見せるも約0.4秒差でセッション2進出圏外にバンプアウトされ万事休す。結果は公式予選13位となった。

■決勝
■フリー走行
 24日(日)決勝前のフリー走行開始時点は、くもりで気温16度/路面温度18度と朝の肌寒さが残ったコンディション。8時30分から決勝を占う大事なセッションが始まった。予選順位が良くないため、決勝のペースを正確につかむことが重要なプログラム。まず平手がロングランを12周ほど行う。走り始めは若干タイム差はあるが落ち着いた頃のペースは他車とほぼ同等のペースで走行。続いて13周目からドライブしたカルロも安定した走行を見せた。フリー走行では平手がマークした1分46秒949の6番手タイムとまずまずのレースペースで決勝の走りに期待がかかった。

■決勝スタート
 24日(日)14時スタート時点となっても厚い雲が空を覆い、気温19度/路面温度21度と上がらず肌寒い。決勝ペースは期待できそうで前の集団に食らいつけば勝機は訪れるとDENSO DUNLOP SARD SC430は、スタートを担当する平手が13番グリッドにクルマをつけた。シリーズ最終戦ともあってオープニングから激しい戦いが、予想されたが意外にも静かなポジションの奪い合いで淡々としたスタートとなった。

好ペースの平手はピットイン周を延ばす戦略
 好ペースの平手は集団の最後尾ながら離れずに1分47秒から48秒で走行。上位陣と遜色ないペースで後方から虎視眈々と勝機を待った。300クラスをラップダウンするのにライン外の走行でタイヤカスを拾って一時ペースも鈍ったが、その後も安定したペースを平手は維持した。ドライバーの最低規定周回となる18周を過ぎると予選でソフト系タイヤを装着した上位陣が次々とペースダウンしピットインを始めた。平手のペースも落ち始めたが、ピットインを済ませた他車のペースが上がらないのを見計らいここがチャンスと猛然とプッシュをした。上位陣のペースが安定する前にタイムを稼ぎ、ピットイン周回を延ばすことで残り周回を減らし、カルロの負担を減らすとともにタイヤ選択も柔らかめが使えるとの戦略。ピットインした上位陣のペースが上がり始めた後、30周目に暫定2位を走行する平手をピットへ呼び戻した。

カルロはステディに粘り強く走る
 ピット作業を無難に29秒ほどで終え、カルロを戦列に送り出す。10位で復帰するもペースの速い8号車に抜かれ11位のポジションとなったカルロ。1分49秒から50秒台のペースでステディに走行。300クラスラップダウンで若干ロスをしたが大きくペースを乱すことなく走るカルロは、45周を過ぎた頃、タイヤ無交換の24号車との差をどんどんと詰め追い立てた。初のGT500決勝での走行ながらしっかりとした走りを見せ、最後まで粘り強い走りのカルロは11位でフィニッシュとなった。

 拮抗した戦いの中で予選は下位に甘んじたものの決勝は非常に安定し堅いレースを見せ、11位フィニッシュとなったDENSO DUNLOP SARD SC430。ドライバーポイントは加算ならずもランキング12位(計12点)、チームポイントでは3点を獲得し12位(計26点)となり、来季のシード権を獲得しシリーズを終えた。

平手晃平
「決勝は硬めのタイヤでスタートしたのですが、周りのペースと遜色なく走れました。僅かの差で下になった予選順位が悔やまれますが、持っているパフォーマンスの中では精一杯できたと思っています。これまでの苦労は必ず、次につながってくると思います。次回の特別戦はシーズンの鬱憤を晴らすべく大暴れしたいですね」

カルロ・バンダム
「以前から比べてクルマの進歩には驚いている。世界的に見てもこんなにコンペティティブなレースはないし、その激しさと厳しさを実感したよ。また次にドライブする機会があればもっと良い走りを見せられると思う」

菅野純博監督
「今回はドライバー変更という予期しない事態となりましたが、カルロもすぐにクルマとチームに馴染んでくれました。順位的にはまったく持って不甲斐ない結果でしたが、内容的にはきっちりとシリーズ戦を締めくくれたと思います。今季はまだ特別戦を残しておりますが、来季に向けてタイトル争いに加われるチーム造りを進めていきたいと思います。引き続きご声援のほどよろしくお願い申し上げます」


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