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スーパーGTニュース

投稿日: 2012.09.10 00:00
更新日: 2018.02.16 11:17

DENSO KOBELCO SC430、ランキング3位を堅守


DENSO KOBELCO SC430
第6戦富士、6位フィニッシュでランキング3位を堅守!

2012 SUPER GT 第6戦「FUJI GT 300km RACE」(9/8-9)
富士スピードウェイ(1周4.563km)
入場者数:予選18,200名、決勝33,800名 合計52,000名

 9月9日(日)、SUPER GT第6戦「FUJI GT 300km RACE」の決勝が行われ、13番グリッドからスタートした石浦が駆るDENSO KOBELCO SC430は、虎視眈々の走りでチャンスを活かしピットインまでに5つポジションアップ。31周目からドライブした脇阪も好ペースでクレバーにじわじわと前とのギャップを削り順位を上げていき、終盤には激しい攻防の末に2台を技ありのオーバーテイク。予選からの挽回を果たす6位フィニッシュとなり、ドライバーポイントで5点を獲得しランキング3位(合計43点)を堅守。チームポイントで8点を獲得し3位(計58点)浮上となり、残り2戦でタイトル獲得の望みをつなぐ価値ある結果となった。次の第6戦は9月29日(土)・30日(日)に九州・阿蘇のオートポリスで開催される。

■公式練習走行
 第5戦ではトップ争いを演じるもリタイアに終わったDENSO KOBELCO SC430は、現在シリーズランキング3位。シリーズリーダーとは9ポイント差となっている。タイトル争いの生き残りをかけた第6戦の舞台は今季初優勝を飾った富士スピードウェイで再び行われる。予選はノックアウト方式で、決勝は300km。ピットストップは1回、ウェイトハンディ76kgを搭載する。5月の富士より距離が短く、タイトル争いの激化とともに超接近戦のスプリントバトルが予想される。クルマ、タイヤ、両ドライバーとも富士とは相性が良く、上位フィニッシュのためには当然、予選上位グリッド獲得が期待される。各車ともウェイトハンディが重くなってきており差は少なく、僅差が予想される予選タイムの中で抜け出せるかがポイント。チームは虚心坦懐に平常心を以て今季2勝目を狙っていった。

 8日(土)午前中の公式練習走行は、気温29度/路面温度36度。朝夕は冷えるが日中は日差しが強く汗ばむ陽気となった。9時40分から1時間40分の混走セッションは、開始からのコースコンディションの安定を待ってコースインした石浦。だが出だしから、いつもと違うクルマの挙動を訴えた。すぐにピットに戻りバランスなどを調整。再びコースインしたが大きな改善には至らず、再度ピットインして車高なども調整しながら11周を石浦が走行して、ベストは1分34秒843に。先日富士で行われたのGTA公式テストでは上位タイムとなる33秒台をマークしており、まだタイムの伸びしろはある。徐々に改善方向に向かっていったが12周目から交代した脇阪も不安定なクルマの走行状況を訴えた。色々と調整を行って10周ほど走行し、1分34秒960のタイムをマークした脇阪であったがベストな状態には届かず混走セッションは14番手。インターバルにセット変更を試みて臨んだ11時20分から10分間のGT500クラス単独走行のセッションではタイム更新ならずに14番手となった。

■公式予選
■ノックアウト・Q1:本領発揮ならず13位に
 8日(土)14時15分から15分間の公式予選Q1は気温27度/路面温度39度。石浦が他車の動向を見ながら残り8分でコースイン。念入りにウォームアップをさせていったが望むクルマのコンディションではなく、来るべきグリップ感がない様子。セクター1、2と上位と遜色ないタイムであったが、登りでつづら折れのセクター3で思うように前に進まない状況が改善されないクルマを懸命にドライビングをした石浦。それでも練習走行よりタイムを削っていく渾身のドライビング。結果、4周目がベストタイムとなり1分34秒347の13番手タイムで、本領発揮ならず。まさかのQ1敗退となった。

■決勝
■フリー走行
 9日(日)決勝日朝のフリー走行開始時は、気温27度/路面温度38度のドライコンディション。9時から始まった30分間のフリー走行では、不具合箇所を昨日夜半までメンテナンスし対策。決勝を占う重要なセッションとなった中、開始早々に石浦が満タン状態で34秒台のトップタイムをマーク。途中12周目から交代した脇阪も好タイムで周回を重ねた。結果、1分34秒896の4番手タイムをマークした。サーキットサファリのセッションで新たに別の不具合が起きてしまったが、十分なポテンシャルを確認し決勝へ臨む態勢を整えた。

■決勝スタート
 9日(日)決勝前8分間のウォームアップ走行では不具合箇所の修復は無事確認され、決勝への準備を終えた。そして決勝がスタート。9月に入ったとはいえ、気温31度/路面温度48度と路面コンディションは暑さで厳しいものになった。13番手からスタートした石浦が駆るDENSO KOBELCO SC430は、2つ順位を上げ11番手でオープニングラップを戻ってきた。

第1スティント:虎視眈々とチャンスを狙っていった石浦
 挽回を誓ってクルマに乗り込んだ石浦。序盤は5位争いの大きな集団の後方で思うようにペースは上がらずも虎視眈々の走り。幾度かチャンスと見るや、抜きつ抜かれつの攻防を展開した。ピットイン時の給油量を抑えるため燃料をセーブしつつ、前に追いすがっていく難しいミッションを石浦は確実にこなした。数珠つながりの接近戦の中、タイヤの消耗や最低義務周回を過ぎた22周目頃から他車がピットイン。石浦もスティント終盤に若干タイムは落ちていったが自己のペースを着実かつ懸命に守って走行を続けた。そして、30周を終了し滑り込んだピットインまでに5つポジションアップして脇阪にステアリングを託した。

第2スティント:脇阪が終盤に疾風迅雷のオーバーテイク
 31秒と素早いピットワークで戦列に復帰した脇阪が駆るDENSO KOBELCO SC430。ピットタイミングの違いから10位からスティントを戦い始めた。勝負はスティント後半と読んで、高度なドライビング技術で上位タイムをマークしながらタイヤをセーブしつつ、じわじわと前とのギャップを削ていく脇阪。35周目には最終コーナーでポイントを争う100号車をかわし9位に。37周目にはペナルティストップ車両があり8位に浮上。36秒台をキープして追い上げていった。クレバーな走行を続ける脇阪は、61周目のストレートでは300クラスのマシンのスリップを飛び石を渡るかのように利用し、ポイントリーダーの38号車のスリップに入って一気に追いつくという離れ業を披露し、場内をうならせる。そして、その周のセクター3で畳み掛けるかのように38号車に勝負に挑み、超接近戦のバトルを展開。脇阪のチャージに立川選手も負けじと応戦するが最終コーナーでうまくかわし7位に浮上するとスタンドが大きく沸いた。次なるターゲットの35号車を追う脇阪は、残り2周となった65周目のプリウスコーナーで一気に懐に飛び込みオーバーテイク。終盤に疾風迅雷の勢いで駆け抜けた脇阪は6位フィニッシュを果たした。

 ドライバーポイントでは5点を獲得しランキング3位(合計43点)を堅守。チームポイントでは8点を獲得し3位(計58点)浮上となり、残り2戦でタイトル獲得の望みをつなぐ価値ある結果となった。この後、9月17日(月)・18日(火)に行われる、もてぎGTA合同テストに参加。そして、9月29日(土)・30日(日)の第6戦オートポリスに逆転タイトル獲得へ向けて挑む。

□脇阪寿一
「走り出しから予選まで良くない流れでしたが、決勝まで解決してくれた仲間に感謝です。今回も頼もしい相棒の石浦の走りで、自分の走りをうまく組み立てることが出来ました。残り16周ぐらいでスパート。タイトルを争う立川とのバトルは楽しみました。6位は考えられるベストリザルト。それと何よりも走り終えピットに戻ったと時のチームスタッフの笑顔、これがうれしかったです。この笑顔が士気に繋がり、次戦オートポリスでの良いリザルトを得る糧となる事でしょう。応援して頂いたファンの皆様、ありがとうございました。チャンピオン目指してこれからも頑張ります」

□石浦宏明
「トラブルが続いた土曜日。少し不安になった決勝前でした。決勝の走り出しも中位集団の中でのバトルで思ったペースが出せず我慢の走行でしたが、後半に寿一さんが追い上げてくれるのは分かっていたので、絶対にノーペナ、ノーミスで寿一さんにつなぐという思いで走っていました。燃費とペース、リスクを考えその時できる最大限の走りは出来たと思います。そして、つないだ寿一さんは期待通りにオーバーテイクしてくれました。さすが寿一さん。今季は鈴鹿以外は全戦諦めずに粘る強いレースが出来ていることはうれしいです。ランキングは3位。あと残り2戦、タイトル獲得を諦めずにいきたいと思います」

□大澤尚輔監督
「出だしのつまずきから何とか挽回でき、貴重な5ポイントを得られてシリーズ争いに踏みとどまれたことはシーズンを考えると非常に大事な結果となりました。2人のドライバーともに良く踏ん張って追い上げてくれました。またチームとしての底力を見せることができたと思います。残りのオートポリスともてぎは、昨年、良いパフォーマンスでしたので確実に結果に結びつけて、最後まで気を引き締めてチャンピオンシップを争っていきたいと思います」


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