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スーパーGTニュース

投稿日: 2012.11.27 00:00
更新日: 2018.02.16 13:08

GSR & Studie with TeamUKYO・JAF GPレポート


BMW Motorsport
Customer Racing Team

GSR & Studie with TeamUKYO

2012AUTOBACS SUPER GT
JAF Grand Prix FUJI SPRINT CUP 2012

#0 DRIVER 谷口信輝 片岡龍也
#4 DRIVER 番場琢 佐々木雅弘

0号車 第一レース5位完走・第二レース20位完走
4号車 第一レース17位完走・第二レース12位完走

 2012年11月16日・17日・18日の3日間、JAF Grand Prix SUPER GT&Formula NIPPON FUJISPRINT CUP 2012が静岡県の富士スピードウェイで行われた。前戦のもてぎラウンドで今シーズンのシリーズチームランキングを0号車・4位、4号車・15位で締め括ったGSR&Studie with TeamUKYOにとって、このSPRINT CUP が事実上今シーズン最後の戦い。舞台となる富士スピードウェイは、ストレートスピードに優るポルシェ・アストンマーチン勢には特に相性の良いサーキットだが、昨年は第一レース・第二レース共に制したSPRINT CUPだけにチームは士気高くレースへ挑んだ。

 SPRINT CUP はシリーズ戦と異なり、ドライバー交代とPIT 作業の無い100km の戦いで、第一レース・第二レースと2日間に分けて行われる。予選は第一・第二レースとも20分間の走行枠を走りその順位でグリッドを決める方式だ。第一レース0号車は片岡竜也、4号車は佐々木雅弘が担当。第二レースは0号車が谷口信輝、4号車は番場琢が担当する。

11月16日(金)練習走行・予選
練習走行
 SUPER GT今シーズンを締め括るJAF GP 初日を迎えたFSW は雲ひとつ無い快晴。練習走行はシリーズ戦よりやや遅い10時に1時間のスケジュールでスタートした。0号車は片岡選手、4号車は番場選手が練習走行の前半を担当。まず0・4号車ともシステムチェックのためのアウト・インを終え、セットアップへと再びコースへ向かう。片岡選手の0号車はこの日序盤から快調。ストレートスピードに勝るライバル勢のタイムに割って入り、計測3周目に4番手タイムを、その後の11周目にはこのセッション0号車のベストタイム01`39.445を計測してセッションの後半を谷口選手に委ねた。谷口選手はセッションの後半を決勝に向けたタイヤテストに費やし、0号車は練習走行を5番手で終えた。

 一方、番場選手の4号車は序盤タイヤに熱が入らずセットアップに苦しむが、セッション中盤に差し掛かるとそのバランスも徐々に改善。11周目に計測したベストタイムでそのポジションを14番手に上げ、セッション後半は佐々木選手がそのステアリングを握った。佐々木選手のドライブする4号車も持ち時間を決勝に向けたタイヤチェックに割り当て、その後スタンディングスタートに向けたローンチコントロールの確認を行い、4号車はこのセッションを16番手のポジションで終えた。

第一レース公式予選
 今回の予選は第一レース・第二レースそれぞれ個別に行われる。第一レースのドライバーは0号車が片岡選手、4号車は佐々木選手が担当だ。14:05定刻どおりセッションがスタートした。PIT レーンオープンと同時にまずは4号車がコースに向かう。佐々木選手は計測2周目に10番手のタイムを計測するが、午前のセッションに比べ下がった路温に苦しみ、その後思う様にタイムを伸ばす事が出来ない。4号車は計測11周目にマークしたベストタイムの01`41.048でこの予選を20番手のポジションで終えた。一方、午前の練習走行セッションで予選に自信を得た0号車は、トラフィックを避け予選開始5分後にコースイン。計測2周目に8番手、3周目には6番手と次々にタイムを更新し、4周目にはこの予選のベストタイム01'38.754で3番手に浮上する。しかし、その後ライバル勢もタイムを更新。片岡選手の0号車は5番手で予選を終えた。

第二レース公式予選
 第二レースは0号車を谷口選手、4号車は番場選手が担当する。こちらも定刻どおり15:10に予選がスタートした。番場選手の4号車は第一レース予選と同様にセッション開始早々にコースイン。

 一方、谷口選手の0号車もピットロードに並ぶ他の車輌がコースインするのに続き、コースに向かう。先にコースに入った4号車は計測3周目にまずは10番手タイムを計測。その後、次々にタイムを伸ばし10周目には01'40.607をマークするが、さらにタイムを更新するライバル勢に阻まれこの予選を18番手で終えた。

 一方、谷口選手の0号車は計測2周目と3周目にまずは4番手となるタイムをマーク。その後、4周目にこの予選のベストとなる01'38.924を計測するが、この時点で0号車のポジションは7番手。谷口選手はセットを変更するため7周目にPITへ向かい、アウトラップに続く9周目に再びアタックを行うが、ここではタイムを更新する事が出来ず、11番手でこの予選を終えた。

11月17日(土)第一レース決勝
天候:雨/コース:ウェット
 第一レース決勝は前日の予報どおり雨。朝のうちは小雨だった雨脚が徐々に強まるコンディションの下、コース上では午前のスケジュールが消化された。

 このJAF SPRINT CUP の決勝は通常のシリーズ戦と異なり、スターティンググリッドからのスタンディングスタート。コースコンディションが依然として厳しい為、第一レースはセーフティーカー先導での決勝スタートになるかと懸念されたが、フォーメーションラップ開始直前に予定通りグリッドスタートの決定が下された。JAF SPRINT CUP の第一レースは5番グリッドスタートの0号車を片岡選手、20番グリッドスタートの4号車は佐々木選手がドライバーを務める。

 12:45スターティンググリッドに着く各マシンの咆哮がひときわ高まり、シグナルブラックアウトで第一レースがスタート。0号車はスタート直後ローンチコントロールスイッチの操作により一瞬PITロードモードに入ってしまい6番手に後退するが、その後すぐにポジションを回復。さらに一つ順位を上げ1周目のコントロールラインを4番手で通過する。一方、4号車はスタートを上手く決め、1周目を15番手、2周目は14番手とレース序盤でポジションを大きく上げた。

 この週末を通してフィーリングの良い片岡選手の0号車は2周目・3周目もペースを保ち4番手をキープする。しかし4周目の1コーナーに差し掛かると、後方から追い上げてきた3号車に先行を許し、0号車は再び5番手に後退してしまう。この時4号車はポジションを2つ落として16番手を走行。4号車は続く5周目にこのレースのベストラップを計測し、6周目通過時点にそのポジションを再び14番手へと浮上させた。迎えた6周目、0号車の前には911号車、後ろからは43号車が迫り3つ巴の4番手争いが繰り広げられる。7周目、911号車を上回るペースの0号車と43号車はこれをパス。0号車は再びそのポジションを4番手に戻した。しかし、続く8周目にはペースに勝る43号車が0号車をオーバーテイク。0号車はポジションを5番手に落としてしまう。

 0号車はその後安定したペースで周回を重ね5番手の位置をキープ。レースはこのまま進むかと思われたが、折り返し地点を過ぎた12周目、6番手に浮上した52号車が今度は0号車とのギャップを詰め始める。0号車と52号車の13周目のギャップは4秒8。16周目は1秒9。そして20周目には0秒48。しかし、ファイナルラップを迎えると0号車は52号車に0秒7のギャップを築き、22周のレースを5位でフィニッシュ。4号車は17位でこの第一レースを終えた。

11月18日(日)第二レース決勝
天候:晴れ/コース:ドライ
 JAF SPRINT CUPの3日目、日曜日は前日と打って変わって快晴でスタート。午前中に行われたパレード、それに続くオールグリッドウォーク、そしてJAF Grand Prixのもう一つのメインレースとも言えるレジェンドカップも盛況のうちに幕を閉じた。ちなみに今回のレジェンドカップには4号車の片山右京監督も参戦。決勝結果は8位完走だったものの、年齢差による19番手スタートのハンディキャップをものともせず、7周のレースのほとんどの周回でファステストラップを連発した未だ衰えを知らない走りと闘志は、チームのみならずサーキット中から惜しみない賞賛を受けた。
JAF SPRINT CUP の第二レースは11番グリッドの0号車を谷口選手、18番手スタートの4号車を番
場選手が担当する。

14:00第2レースコースイン。
 各マシンは8分間のウォームアップ走行を経て、スターティンググリッドへ整列。セーフティーカー先導のフォーメーションラップの後、再びスターティンググリッドで隊列を整えなおし、いよいよ2012年最後を飾るレースがスタートする。

 14:15シグナルブラックアウト。スタート直後の1コーナー進入で911号車・3号車・88号車が絡む接触があるが、0号車・4号車は共にクリーンなスタートを決め、1周目の通過時点でそのポジションを11グリッドから7番手へ・18番グリッドから13番手へと上げた。0号車の谷口選手は続く2周目にファステストを計測。ポジションを5番手に上げ、さらにそこから前方の52号車を猛追。5周目のパナソニックコーナーで52号車をパスするとそのポジションを4番手に上げた。が、ストレートスピードに勝る52号車は、迎えた8周目に再び0号車をオーバーテイク。9周目の0号車は5番手に後退してしまう。その頃、番場選手の4号車は一時15番手そして16番手へと落としたポジションを再び回復。9周目のコントロールラインを14番手で通過した。

 一方、ポジションを一旦5番手に落とした0号車は、9周目に4番手の52号車と3番手の33号車を立て続けにオーバーテイク。11番グリッドのスタートからここで3番手へと浮上した。0号車はここからもペースを維持、後方52号車とのギャップを徐々に拡げるが、その52号車は14周目88号車にパスを許し、0号車の前は2号車、後ろが88号車へとポジションが入れ替った。15周目の0号車と前方2号車のギャップは6秒8、後方88号車とのギャップは5秒。その後も前後のマシンとのラップタイムは大きく変わらず、0号車のこのレースは3位フィニッシュかと誰もが思い始めた18周目、谷口選手からの無線にチームは息を呑む。

『左のリアがおかしい。何か匂いもする』 『ダメだ、戻るわ』 の声と共に0号車はスローダウン。谷口選手はマシンを頭からPITへ入れ、0号車はこのレースを終えた。番場選手の4号車はこの時14番手を走行。0号車が戻った事により13番手に、さらにそこからポジションを一つ上げ12位でこのレースを終えた。

■鈴木康昭 エントラント代表
『第一レース』
いつもと違うスタンディングスタートであり、雨量も多く、気温も低く…という中で、0号車5位、4号車17位という結果でした。双方、予選と同じ、もしくは順位を上げてゴールすることができました。レース途中での雨量が大きく変化したり、速い車が目まぐるしく変わっていったり…と難しいレースでしたが、片岡選手も佐々木選手もよく頑張ってくれました。残すは明日の第2レース。頑張ります。
『第2レース』
【0号車】
予選11位から追い上げ、3番手を走行中にリアからトラブルが発生し、そのままリタイアとなりました。「いいポジションを走っている時に何かが起こる」という今年のチームを象徴するような結末で残念ではありますが、無理して走行を続ければ大きな事故につながったかもしれないので、良い判断だったと思います。
【4号車】
予選ポジションが悪かったので、12位完走という結果は地味に見えたかもしれませんが、走りの内容はとても良いものでした。2012年のレースが全て終了しました。1年間、応援ありがとうございました。

■大橋逸夫 総監督 / 0号車監督
『第一レース』
0号車5位、4号車17位という結果でした。雨量が刻々と変化する中、コンスタントにポジションをキープし走りきった0号車。富士が苦手な車の特性にも関わらず、ベストな結果だったと思います。4号車は不安もありましたが、最後のレースを走りきった事を褒めてあげたいです。応援ありがとうございました。
『第二レース』
0号車リタイア、4号車12位という結果でした。
【0号車】
ハブかドライブシャフトが原因でリタイアとなりました。部品のライフ管理はきちんと出来ていますので、原因や対応は本国でも確認中ですが、今年を象徴するような終わり方でした。悔しいですが、何となく受け入れないこともありません。が、この悔しさをバネにします。
【4号車】
ペースは良くないけれども、タイムを落とすこともなくコンスタントには走れており、評価できる走りでした。

■片山右京 スポーティングディレクター/4号車
監督
『第1レース』
【0号車】
雨でコンディションが急激に変化する中、片岡選手はBMWが課せられているBOPを考えると、昨日の予選結果は驚異的でしたし、今日の決勝もコンスタントに集中してレースをして5位という結果は素晴らしいと思います。更に、谷口選手が大変なタイミングで無線を飛ばしても冷静に対処していて流石だと思いました。
【4号車】
佐々木君は今シーズンS-GT最後のレースでしたので、4号車は予選からポジションを上げる事はできましたが、17位の結果で残念です。
『第2レース』
【0号車】
谷口選手はさすがの走りで表彰台圏内まで追い上げて見せ場を作ってくれましたが、惜しくもマシントラブルでリタイアになってしまいました。結果は残念ですが昨年のチャンピオンらしい走りでし
た。
【4号車】
今シーズンの課題をこなせたレースだったと思います。高い集中力を保って、セクター2やコーナー区間はトップ3とほぼ同じタイムで走れていました。今シーズンの締めくくりにふさわしい、いい走りでした。番場選手苦しみながらも頑張った1年だったと思います。

■谷口信輝 選手
「他力本願・棚からぼた餅」大作戦で、臨んだ決勝。スタート直後から上からボタボタと餅が落ちて来るような展開で、おいしく3位まで行けそうな展開でしたが、まさかの僕も餅でした(笑)富士は今期のBMWにはかなり苦しいコースで、最後にマシントラブルでのリタイアは残念でしたが、それでもファンのみなさんに楽しんでもらえるレースが展開できたかな、と思っています。今年はガマンの1年でした。来年はこのストレスを爆発させて飛躍したいと思います。

■片岡龍也 選手
今年最後のレースでした。予選5位スタートで5位でのフィニッシュとなりました。今回持ち込んだタイヤのゴムの硬さが本日の気温を考えると硬めのタイヤで、レース中は「そこそこは走れるけれど、決して速くはない」という状態でした。スタート前は「雨が降ればあわよくば」と思いましたが、3周目あたりから厳しい状況であることがわかり、あとはどれだけこの順位を落とさず走行するかというレースになってしまいました。今シーズン最後のレースだったのでもっと攻める走行したかったのですが、無事5位で完走できたことで本年度の締めくくりとしたいです。

■番場琢 選手
2012年の集大成として臨んだJAF GP。ペースも速くなく、他車に抜かれ・・・と、シリーズ戦に引き続き厳しいレースでしたが、路面温度とタイヤのマッチングや車のポテンシャルを考えるとベストを尽くせたと思います。昨年とは打って変わって今年は他車にストレートで抜かれることが多く、厳しいシーズンでした。結果は悔しいですが、やれることはできたし、自分自身レースを楽しむことができました。
思えば、2009年の鈴鹿戦で初めてこのチームの車に乗り、その後ポルシェでの参戦や、BMWで復帰してチャンピオンを獲得し、2台体制で参戦・・・と、たくさんの経験ができました。今年はクラッシュから始まり、結果が出ない中でも全力で車をメンテナンスしてくれたメカニックや、支えてくれたチームスタッフに感謝しています。結果が出せなかったのが悔しいところですが・・・、ファンのみなさんのあたたかい応援のおかげもあり、最後まで走ることができました。ありがとうございました!

■佐々木雅弘 選手
今年最後のレースでした。昨日のドライ予選よりはもう少し前でゴールできるかと思っていたのですが、順位的にはポジションを上げる事ができましたが、いい終わり方ではなかったな・・というのが正直なところです。想定していた路面でなかったこともあり、タイヤを上手く暖めることができなかったのが残念です。また、(明日もレースがあるので)車を無事にゴールさせないといけなかったので、ギリギリまで攻めたレースもできませんでした。明日の第2レースでは番場選手にいい成績をおさめてもらって、最後に笑って終わりたいなと思います。
1年間、このチャンピオンチームで、たくさんのファンの方に囲まれたこの環境で走れた事を誇りに思います。楽しいことも苦しいこともありましたが、ファンのみなさんの応援のおかげで1年間走る事ができました。1年間ありがとうございました。


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