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スーパーGTニュース

投稿日: 2010.08.27 00:00
更新日: 2018.02.15 21:52

ZENT Porsche RSR、都筑晶裕が初の予選アタックで7位を獲得


Race Report

Rd.6第39回インターナショナル
ポッカGTサマースペシャル

真夏のポッカ700kmレース
#25「ZENT Porsche RSR」は都筑晶裕が初の予選アタックで7位を獲得

 決勝は3位走行中に無念の接触、リタイヤに終わる毎年恒例の夏の熱戦「2010AUTOBACSSUPER GT Rd.6第39回インターナショナルポッカGT サマースペシャル」に挑んだ25号車「ZENT Porsche RSR」(PORSCHE911GT3RSR(997)/M97/81)。

 通常250〜300km のところ、700kmというシリーズ戦で最も長距離レースに、今回25号車はレギュラードライバーの都筑晶裕・土屋武士に加え、心強い助っ人として第3ドライバーに都筑善雄を迎えた。GT参戦3戦目となる「SAMURAI TeamTSUCHIYA」は、伝統を誇る夏の一戦に向けて準備万端。前戦のSUGOで今一歩届かなかった表彰台を狙う。

日時 : 2010年8月21日(土)〜22日(日)
場所 : 鈴鹿サーキット(三重県)5.807km
天候 : 公式予選 晴れ/決勝 曇り
路面 : 公式予選 ドライ/決勝 ドライ
入場者数 : 予選25,000人/決勝 33,000人
予選 : GT300クラス7位
決勝 : リタイア
エントラント名 : SAMURAI Team TSUCHIYA
車名 : ZENT Porsche RSR
車両 : Porsche 997
車番 : 25
ドライバー : 都筑晶裕/土屋武士/都筑善雄
タイヤ : ヨコハマタイヤ

■8月21日(土) −公式予選− 晴れ・ドライ
 週末は厳しい猛暑との予報が出ていた鈴鹿サーキット。朝から既に30度を越える暑さの中、10時5分から1時間45分間に渡るフリー走行が行われた。25号車は最初に土屋がステアリングを握りセッティングの細かい調整を実施。その後に都筑晶裕、第3ドライバーの都筑善雄がそれぞれ走行し、コンディションに合わせたマシンの確認を行った。都筑晶裕の実兄である都筑善雄は、2008年PCCJ(ポルシェカレラカップジャパン)シリーズ2位という経歴の持ち主。25号車の第3ドライバーとして、今大会がGTデビュー戦となった。
 迎えた公式予選1回目は、13時25分から45分間。これは予選2回目として行われるノックダウン予選に進むための、予備予選的なセッション。ここでは予選基準通過タイムを3人のドライバーがクリアすることが必須となるが、25号車は難なくこの予選を通過。さらにマシンをアジャストして、15時10分からのノックダウン予選に挑んだ。

 ノックダウン予選とは、GT300クラスの場合、最初のS1で上位16台、S2で上位10台に絞られ、最後のS3でポール・ポジション(PP)をかけたタイムアタック合戦が繰り広げられる。なお、アタックドライバーは連続してセッションを走行できないルールとなっている。25号車のS1アタックドライバーは都筑晶裕。GTで本格的なアタックを行うのは初となる都筑だが、そんなプレッシャーを物ともせず、10位で順当にS2へ駒を進めた。続いて行われたS2では土屋がアタックを行い、3位で見事ファイナルセッションであるS3に進出を決めた。いよいよトップ10を決定するS3。再び都筑晶裕がアタックを行い、「他車に引っ掛かった」と悔しそうにコメントしながらも見事に7番手のタイムをマーク。都筑の素晴らしい活躍により、25号車は翌日の決勝レースを7番手からスタートすることが決定した。

 18時30分からは「ミラクルナイトセッション」と銘打った夜間走行が30分間行われた。25号車は明日の決勝レースで最終スティントをドライブする予定の土屋が終始走行。午前のフリー走行で悩んでいたセットアップも順調に進み、順位は5番手。25号車は好調さを取り戻し、19時にこの日の公式スケジュールを全て終えた。

■8月22日(日) −決勝− 晴れ・ドライ
 迎えた決勝日。連日の暑さは変わらず朝から強い陽射しが照り付ける中、9時55分からフリー走行が行われた。25号車は決勝へ向けた最後の調整を実施。今レースは3回のドライバー交代を含むピット作業が義務付けとされており、ピットシミュレーションも念入りに行った25号車は順位も2番手と絶好調。十分に勝ちを狙える万全な準備が整った。

 決勝レースは15時にフォーメーションラップがスタート。全36台(GT500クラス13台、GT300クラス23台) の隊列は気温36度、路面温度48度とまさに灼熱の中を1周した後、ローリングスタートにより熱戦の火蓋は切られた。7番手から抜群のスタートを決めたファーストドライバーの土屋は、オープニングラップから勢いよく2台をかわし5番手に。翌周にはさらに2台をオーバーテイクし、一気に表彰台圏内の3位に浮上した。10周を過ぎた辺りからPPスタートの26号車「CINE CITTA' タイサンポルシェ」のペースが落ち始め、15周目にはGT300クラスのトップが入れ替わる。その後方にビタリとつける土屋は2位に落ちた26号車を完全に射程圏内に。そして迎えた16周目、メインストレートでスリップに入り、1コーナーからS字へと攻め立てる土屋。そして逆バンクの進入でアウトにはらんだ26号車と軽く接触。次の瞬間、26号車がバランスを崩し土屋を弾くようにさらにアウト側へマシンをはらませ土屋がスピン。一回転した後グラベルでストップしてしまう。何とかピットに戻った25号車は、土屋春雄監督の冷静な指示の下で応急措置を施し、第1ドライバーの都筑晶裕に代わり3周遅れで戦列に復帰する。しかし都筑はマシンの不調を訴え4周走行した後再びピットへ。安全性を優先しマシンの状況を約10分間に渡り確認、コースへ戻った時には8周遅れとなってしまう。都筑晶裕は慎重にマシンチェックを行いながらさらに4周走行の後、第3ドライバーの都筑善雄にステアリングを託した。これがGTデビューとなる彼は、後方から迫り来るGT500クラスのマシンをうまく避けながら、徐々にペースアップ。20周をしっかりと走行し土屋へとバトンを繋いだ。土屋は49周目に自己ベストタイムを更新するなどマシンの好調さをアピールするが、一方で接触の影響によりマシンバランスが大きく崩れていることは否めない状況。この後の走行時間はまだ約2時間残っており、完走を果たせるか微妙な状況。チームは苦渋の決断だが50周目に土屋をピットに戻し、ここでリタイヤとなった。

 次戦はSUPER GT 第7戦が9月11・12日に静岡県・富士スピードウエイで開催される。

■土屋春雄監督のコメント
走り始めはセッティングがいまいちだったのですが、微調整して何とか予選に間に合わせた感じです。都筑晶裕選手は富士で新品タイヤのテストをして、今回初めての予選アタック、よくやったと思います。彼は今年どんどん成長しているので、本人も楽しくなってきたんじゃないかなと思います。決勝レースはトップグループで走れるだけの力を持っていたのであのアクシデントは残念です。3周遅れた時点で事実上の勝負権はなくなりました。時間は戻らないから、前に進むために切り替えが必要な時もあります。武士もチーム代表として頑張って、全体的に成長し続けているチームなので、まだまだこれからです。次の富士も応援をよろしくお願いいたします。

■第1ドライバー 都筑晶裕選手のコメント
今レースはノックダウン予選ということで初めて本格的なアタックに挑むことになり、強いプレッシャーを感じていました。午前のフリー走行でなかなかタイムが上がらず少し焦りましたが、予選ではS1のアタックを上手くまとめられて、S3でも7番手と上手くいったのでホッとしました。また、同時に決勝へ向けての自信がついたのでとても楽しみでした。その決勝で土屋選手が3番手に上がった時に、僕もポジションをキープできる自信があったので、トップを狙えるというワクワクもあったのですが、その後の接触はアクシデントなので仕方がないです。兄にもGT の決勝を味わって欲しかったから、そのままリタイヤにならずに良かったと思います。僕が今レースウィークで得たものは大きく、この自信が次戦に必ず繋がると思うので、富士は優勝を狙っていきます。次戦も応援をよろしくお願いいたします。

■チーム代表 兼 第2ドライバー 土屋武士選手のコメント
富士のテストから少しアジャストして持ち込んだセッティングだったのですが、鈴鹿には合わなかったようで、短い時間の中で頭を悩ませながら試行錯誤して、ギリギリ予選に間に合った感じでした。都筑晶裕選手が頑張ってくれて素晴らしいアタックで予選7番手。僕も気合いが入って決勝スタートしました。トップと同じペースでいける自信はあって、思い通りの展開になっていたところに他車と接触。長いレースだからマージンを残せば良かったのに、トップを捕りたいという気持ちが前に出過ぎちゃったのかな…。そうなった原因は自分でも分かっていて、僕のオーバーワークです。そのためにドライバーとしての準備不足に繋がったのだと思います。みんなに迷惑をかけて申し訳ないし、自分がチームの足を引っ張るわけにはいきません。早急に体制を立て直します。レース後に密山選手と話し、わだかまりもありませんので安心してください。たくさんの応援をありがとうございました。

■第3ドライバー 都筑善雄選手のコメント
8月頭に富士でのテストに参加しました。当然チームのセットアップが優先なので15〜20周くらいの走行。今は金曜日のテストもないし、色々な立場の方々がいますので難しいのですが、僕みたいなルーキードライバーが安全にレースするためには、ある程度のテスト期間は必要だと思いました。また、GT はタイヤの種類も多く、使い方に戸惑いました。あとは500クラスとの混走ですね。同一カテゴリーで後ろを気にするのとはわけが違い、まさに集団で迫ってくる感じです。自分のペースを乱す原因にもなり、これは経験を積まないとクリア出来ない課題です。今回は第3ドライバーとして決勝を20周ほど走行させてもらいましたが、正直楽しかった。車のパフォーマンスも非常に高く良い経験が出来ました。チームとしては残念でしたが次の富士も応援させてもらいます。また機会があれば今度はもっと練習してから乗りたいと思います。チームの皆様、応援いただいた方々に感謝します。


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