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ラリー/WRC ニュース

投稿日: 2023.07.12 22:05
更新日: 2023.07.12 22:13

ついに王者が“再起動”RXRのクリストファーソン&コチュリンスキー組が完全制覇/エクストリームE第5-6戦

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ラリー/WRC | ついに王者が“再起動”RXRのクリストファーソン&コチュリンスキー組が完全制覇/エクストリームE第5-6戦

 一方で、スタート直後にアンドレッティ、ガナッシの北米陣営に弾き飛ばされたRXRのクリストファーソンは、ターン1の右サイドに大きく膨らんで失速。「少しワイドすぎてバンプに当たり、ターン1の出口でさらにワイドになった」と語った彼は、「クルマの下に非常に強い衝撃を受けたから、もしかしたら壊れるかもしれないと思って、しばらくしてから完全にクルマを止め」てしまう。

 しかし、その直後に「失うものは何もない」と思い直した、今季ここまで未勝利に終わっている初代チャンピオンは、再度クルマをスタートさせると前半スティントのわずか2ラップで猛然とスパートを開始。パンクを喫したアプトのローブを追い抜くと、スイッチ直前にはエクストロームも仕留めて、2番手を行くアンドレッティのわずか2.477秒差まで挽回するスーパードライブで、続くコチュリンスキーに繋いで見せる。

 そのままバトンを受け取った彼女もまた「スイッチゾーンで彼から良い情報を得ることができた」と、WorldRX世界ラリークロス選手権”5冠”のエースから独自のライントレース方法を聞いて完全コピー。アンドレッティのケイティ・マニングスに迫ると、両車はバトルの末に接触しマニングスがロールオフの結末に。

「ケイティ(・マニングス)が衝撃の後、元気にしていると聞いてうれしく思った。それがもっとも重要なことだから(コチュリンスキー)」と、懸命に前を狙った姿勢が功を奏したか、首位を快走していたCGRのソーレンセンは、義務付けられた45秒のほんの数秒前にドライバースイッチエリアを離れたことで15.7秒のタイムペナルティを受け、さらに得られたとみなされるアドバンテージに対し15秒が追加され、敢えなく勝利の権利を剥奪されることに。

 ドライバー陣容は異なれど、前年度の立場をそっくり入れ替えるかたちで「今日は勝てて最高に気持ちいい(クリストファーソン)」「表彰台の最上段に戻ってこられて本当にうれしい(コチュリンスキー)」と語ったふたりが、劇的な逆転で今季初優勝を手にした。

 続く日曜の第6戦も順当にファイナル進出を決めたRXR陣営は、勝利を挙げたことで運気も好転したか、スタート直後こそ4番手に留まったものの、ターン1でポジション争いを繰り広げるライバル勢が道を開けたことで一気にトップへ浮上する。そのままRXRが、追い縋るエクストロームとライア・サンズのアクシオナ・サインツXEチームと、前日のロールオーバーから懸命の復旧作業でカムバックしたティミー・ハンセンとマニングスのアンドレッティ陣営を退け、週末を連勝で終える結果となった。

「昨日の決勝ではスタート後の最下位から見事な逆転劇を演じることができた。そして今日は最後から2番目だったが、後続からもつれながらもなんとか突破することができた。シリーズの競争レベルはワールドクラスであり、ふたりの素晴らしいドライブは僕らがチャンピオン争いに戻ってきたことを意味するね」と、ようやくの勝利に安堵の表情を見せたニコ・ロズベルグ代表。

 続くエクストリームEの第7-8戦は、まだ開催地未定の“TBC”ながら北米大陸ならアメリカ、南米大陸ならブラジルを想定して9月16~17日のスロットが予定されている。

「彼(RJアンダーソン)は私にきれいなままのクルマをすぐに貸してくれた。着実に『その瞬間』は近づいている」と、惜しくも勝機を逃したアマンダ・ソーレンセン(左)
明けた日曜の第6戦も制したRXR陣営。「僕らがチャンピオン争いに戻ってきたことを意味するね」とニコ・ロズベルグ代表
前日のロールオーバーから懸命の復旧作業でカムバックしたティミー・ハンセンとマニングスのAndretti Altawkilat Extreme E


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