IMSAウェザーテック・スポーツカー選手権第8戦が7月20日、アメリカ・コネチカット州のライムロック・パークで行われた。GTル・マン(GTLM)、GTデイトナ(GTD)クラスのみが出走した今戦は一度もセーフティカーが出動しない“ノーコーションレース”となるなかで、フォード・チップ・ガナッシ・レーシングの67号車フォードGT(ライアン・ブリスコー/リチャード・ウエストブルック組)がポルシェとの熱戦を制して総合優勝を飾っている。
DPiマシンとLMP2カーが参加しない今ラウンドは、シーズン中に2度開催される“GTオンリーイベント”の1回目。そんな第8戦ライムロック・パークは金、土曜の変則日程でスケジュールが進められ、20日の決勝前に行われた予選では、ポルシェGTチームの912号車と911号車ポルシェ911 RSRがフロントロウを占めた。
晴天の下で迎えた決勝でもポルシェ勢はスタートからレースを支配。ポールを奪った912号車ポルシェのローレンス・ファントールが僚友ニック・タンディを従えながらBMWチームRLLの25号車BMW M8 GTE、フォード・チップ・ガナッシ・レーシングの66号車フォードGT、コルベット・レーシングの3号車シボレー・コルベットC7.Rら後続との差を開いていく。
そんななか、7番手グリッドからスタートした67号車フォードは他陣営よりも早いタイミングで1回目のピットに入ると、スタートから1時間20分過ぎに再びピットへ戻りブリスコーからウエストブルックに交代した。
その20分後、暫定2番手の911号車ポルシェに続き、首位を行く912号車ポルシェも最後のピットインに入った。2台のポルシェはそれぞれ迅速な作業でコースに戻るが、この時点で67号車フォードが見た目上のトップに躍り出る。しかし、フォードGTはもう一度給油が必要なためウエストブルックがハードプッシュを重ね、2回目ピット作業後に暫定首位に立った911号車ポルシェに約40秒のギャップを築いたところで最後のルーティンピットへ。
ここで67号車フォードはタイヤ交換を含めたフルサービスを敢行するも、右フロントの交換作業にミスが出て約4秒をロス。これが響きコース復帰後の実質順位は911号車ポルシェ、912号車ポルシェに次ぐ3番手に。
レース開始から2時間11分、上位3台に後方からペースを上げてきた66号車フォードが追いつき4台によるトップグループが形成されたところで、首位を走る911号車パトリック・ピレが最終コーナー立ち上がりでわずかにコースを外れて失速。912号車のバンバーはこのミスを見逃さず、加速が鈍った911号車をストレートで交わしすと、912号車が再びレースリーダーに立った。
さらに、ピレはタイヤが厳しいのか10分後にふたたび最終コーナーではらんでしまい、今度はフォードの2台に先行を許し表彰台圏外へとポジションを落としてしまった。直後、蓋が消えたことで67号車フォードを駆るウエストブルックの勢いが増す。