8月27日、全日本スーパーフォーミュラ選手権に参戦する山本尚貴（TCS NAKAJIMA RACING）が、埼玉県ふじみ野市立花の木中学校の3年生とオンライン交流を行った。これは同校の総合学習『夢を持って生きよう』という授業の一環で、『自分のあこがれの人にインタビューしよう』という課題に対し、同校の生徒で山本に憧れを抱いていた三好泰寛くんが山本に手紙を書き、取材を申し込んだことがきっかけだ。手紙を受け取ったTCS NAKAJIMA RACING、山本、そしてJRP日本レースプロモーションと立花の木中学校が調整し、オンラインでの交流が実現した。
オンライン交流では、三好くんとともにスポーツカー好きという同校の3年生3名が「なぜレーシングドライバーになったのか」、「レーシングドライバーになるにはどんな資格が必要か」、「レーシングドライバーの大変なところ」、「レーシングドライバーの楽しいところ」など、レーシングドライバーという職業ならではの質問とともに、総合学習の大きテーマである『夢を持って生きよう』に沿った「プレッシャーへの対処」や「就職前にしておくべきこと」などの人生観に関する質問を行った。
そのうち、「人生で一番後悔したこと」という質問に対して山本は「人生であまり後悔したことはありません。やはり、人生で後悔しないように生きようと常に思っています。当然、自分が選んだ道が必ずしも正解だったと思えることばかりではないですが、自分でしっかりと決断して、選んだ道であれば、仮に失敗したとしても後悔することはないかなと思っています」
「一番後悔してしまうのは、自分で判断できず、誰か他人に判断を任せて、失敗してしまったとき。これが人生において一番後悔するときなのかなと思っています。なので、その時々いろいろな状況ではあるのですが、自分で決断できるのであれば、自分で責任を持って決断をすることを常に頭に置いて行動しています。そうすれば後悔することはあまりないのかなと思います」という自身の人生観を語った。
さらに山本は、受験や就職など、人生の岐路に立つ中学3年生4人に向けて「これから高校に進学する方も、就職して働く方もいらっしゃるかと思います。先ほども話しましたが、人に委ねるのではなくて、自分でその道を決めて、仮に失敗したとしても、自分で道を決めることができれば、後悔することはないと思います。自分はこれがやりたいという道が定まれば、その道を躊躇なく歩んで欲しいなと思います」
「自分一人で生きていくことっていうのはなかなか難しいです。特に今はコロナ禍にあって、助けてくれる友達も少なくなっている時期かもしれませんが、そんな時期だからこそ、友達を大切にしてほしいし、ご両親や家族の皆さん、みんなを一番応援してくれる人たちのことを大切にしながら、これからの人生を歩んでもらえれば、必ずみんなにとっての幸せが待っていると思います。大変な決断を迫られるタイミング時期が来るかと思いますが、しっかりと地に足をつけて、頑張っていただければと思います」と生徒たちにメッセージを送った。
30分弱という短い交流ではあったが、参加した花の木中学校の4名は「本物のレーサーの方に直接お話を聞ける機会はないと思っていたので、すごく嬉しかったです」、「自分には関わりのない（レースの）世界のお話や、大事な話まで聞けたので嬉しかったです」、「これからのことも、インタビューを通して聞けたので、いい機会になったと思います」、「人生のことやレースのことについてしっかり聞くことができました。これからの人生に活かしたいと思います」とそれぞれに感想を話した。
また、この授業を担当する和田先生は「三好くんの手紙がきっかけでたくさんの人に動いていただく結果になり、本当に感謝しております。いろいろな人が三好くんの想いを叶えてあげようと調整いただいたり、時間を割いていただいたり、そのことに本当に感謝の一言です。山本選手からはモータースポーツのことだけではなく、人生の生き方も含めて貴重なアドバイスを頂き、非常にありがたかったです。この機会をいただき、ありがとうございました」と話した。
