これでリードを築いたGAINER TANAX GT-Rだが、終盤、ARTA NSX GT3の接近を許すことになった。ファイナルラップ、テール・トゥ・ノーズまで迫られることになったが、これはある原因があったのだとか。

「実はセカンドスティントのときに、実際のタイヤの内圧と、車内表示の内圧の差異が出ていて、実際よりも低く表示されていたんです。ドライバーに無線で聞いたところ、低すぎる内圧でした。バーストしてしまってはまずいですし、平中選手のスティントの終盤、振動も出ていた」と福田エンジニアは明かした。

「そこで、最終スティントは内圧を上げていったんです。ただその結果内圧が高すぎて、安田選手はセクター3がかなりロスすることになってしまったんです」

 結果的になんとか優勝を遂げることはできたが、「実際は分かりませんが、それがなければ楽になっていたかもしれません」という。ただ、今回GAINERがみせたドライバーふたりの好判断とその走り、そしてミスなく作業をこなしたチームの力は、勝者にふさわしいものだっただろう。

フィニッシュ後、抱き合って喜びを分かち合った安田裕信と平中克幸(GAINER TANAX GT-R)
フィニッシュ後、抱き合って喜びを分かち合った安田裕信と平中克幸(GAINER TANAX GT-R)

「これはチーム力の勝利では?」と聞くと、「僕は運だと思っていますけど(笑)。でもドライバーふたりが頑張ってくれたおかげですね」と福田エンジニアは笑った。

「今回勝てたことは大きいですが、まだ55号車がランキング首位ですし、ライバル勢が苦戦したことも大きいとは思います。基本的にストレートが速いマシンがシーズンは強いです」とまだまだシリーズに向けては楽観視していない様子。

 ただ「今回のように天候が荒れてくれればまだチャンスはあるかもしれません」とも語った。近年のGT300はタイヤのパフォーマンスや性能調整に隠されがちだが、こういった長丁場で荒れた展開ほど、最後は強いドライバーとチームが勝つのだ、と教えてくれた気がした。

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