これでトップランを手に入れたのは、ピットレーンでZENT石浦宏明をかすめながら追い抜いた中山雄一のDENSO KOBELCOとなり、3番手にWedsSport ADVAN LC500坪井翔という、レインタイヤ装着車、そしてレクサス陣営3台が表彰台圏内を占めることに。
しかし47周目のリグループ時には日差しが戻り、降ったり止んだりの不安定な状況が続くと、隊列を引っ張ったSC先導は49周終了時点で終了。50周突入時点でレースが再開されるが、首位DENSOと2番手ZENTの間に入っていたバックマーカーのMOTUL MUGEN NSX-GTがスリックを装着していたため、助走体制に入ることが出来ず。WedsSport坪井が実質2番手のZENTに11秒という大きなマージンを持って1コーナーへと入っていく。
一方、その後方ではGT-R勢を中心にスリック装着車が軒並みピットロードへとなだれ込む。先頭のDENSOは1周で12秒191のマージンを築いたのと対照的に、3番手のWedsSportがズルズル後退すると、43周目に再度ピットでウエットタイヤに履き替えていたKEIHINが逆襲をみせる。
KEIHINのベルトラン・バゲットは53周目のセクター1から石浦に襲いかかると、第2ヘアピンでインを突き2番手に浮上。65周のチェッカーまでに、首位を捉えるべく猛チャージを見せ秒単位で差を詰めていく。
残り10周、首位争いが8秒以内に縮まっていく一方、3番手石浦の背後には同じタイミングでウエットタイヤを選択していたARTA野尻智紀が迫ってくる。
そして残り5周で先頭2台の差は3秒994。続く周回には3秒365となるも、追撃はここまで。DENSOが2019年初勝利を挙げ、中山雄一にとってはGT500ルーキーイヤーでの初優勝となった。
2位KEIHINに続き、3位には雨のなかスリックタイヤで走り続け、56周目の1コーナーでスピンを喫するも素早く体制を立て直し、チェッカー1ラップ前にARTA、そしてファイナルラップのセクター3でZENTを仕留めたKeePerの平川が入り、最後のポディウムをもぎ取っている。
これでレクサス陣営は1997年のスープラで記録した1シーズンタイ記録となるシーズン5連勝を記録すると同時に、ランキング首位のWAKO’Sもウエットへの交換タイミングを合わせて6位に食い込み、タイトルに向け貴重な5ポイントを加算した。次戦はウエイトハンデの半減する第7戦SUGOでタイトルの座を盤石にしてしまうのか、それともホンダ、ニッサン陣営が巻き返せるか。2週間後の戦いは、緊張感の高い1戦になりそうだ。