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スーパーGT ニュース

投稿日: 2021.01.28 11:58
更新日: 2021.01.28 11:59

「今年はGT500に100%集中」松下信治はニッサン逆襲の起爆剤となるか/2021年体制発表まとめ

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スーパーGT | 「今年はGT500に100%集中」松下信治はニッサン逆襲の起爆剤となるか/2021年体制発表まとめ

 2020年は1月上旬の東京オートサロン(TAS)会場でスーパーGT GT500クラスの体制を発表したニッサン/ニスモ陣営だが、今年は合同テスト前日の1月18日にホームページ上での発表となった。

 そこでは23号車と3号車の体制が継続されていた一方で、12号車のTEAM IMPULと24号車のKONDO RACINGに動きがあった。過去3シーズンをTEAM IMPULで走り続けてきた佐々木大樹が、今季は古巣KONDO RACINGへと移籍。佐々木といえば2014~2017年にかけてKONDO RACINGに在籍し、その4年間で3勝をマークした実績を持つ。

 とくに2016年は『ヨコハマタイヤ×タイヤ無交換』の戦略を巧みに機能させ、年間2勝をあげた。TEAM IMPUL時代は苦しむ場面も見られた佐々木が、KONDO RACINGでどのような走りを見せるのか注目される。

 今季に向けたGT500のストーブリーグで話題をさらったのは、ホンダからニッサンへと移籍した松下信治。その松下が佐々木に代わってTEAM IMPULに起用されたかたちだ。ここ数年、ホンダとトヨタに対して苦戦を強いられているニッサン陣営にとっては、逆襲に向けた起爆剤的な役割を担ってほしいという思いがあるだろう。

 松下の立場に立てば、メーカーの枠を越えた移籍ゆえ、それ相応の悩みや葛藤があったと想像される。この決断に至るまでに、どのような心境の変化があったのかを松下に尋ねた。

「ひとりのドライバーとして、純粋により速いカテゴリーでレースをしたいという思いがありました。まずは、そこがスタート地点。決め手になったのは欧州から帰ってきた僕に、すぐに声をかけチャンスをくれたことです。日本でフォーミュラ・チャレンジ・ジャパン(FCJ)を走っていたときから欧州のレースまで、ニッサン/ニスモのなかにはきちんと見てくれている方がいたんです。それがとてもうれしくて。最終的には、そうした方々の期待に応えたいということで決断しました」

 心機一転、いままでとは違う環境を選択した松下にとって、1月19~20日のテストはマシン、チームともに初めて尽くしのものだった。実際に、最初のテストを終えたところで、どのような感想を抱いているのだろうか。

「2日間のテストで、半分の4時間ほどを走らせてもらいました。昨年はGT300で2戦だけレースを走りましたが、実質、僕はこれまでフォーミュラの経験しかありません。今回のテストで初めてGT500に乗りましたが、ハコ車特有の動きをもっと理解して、僕自身がアジャストする必要がありますね。どんなクルマであろうと速く走るのがドライバーの仕事ですから、開幕までには適応します」

「印象的だったのはタイヤテスト。昨年まではピレリのコンパウンド違いくらいしか試せませんでしたが、GT500になるとタイヤテスト・評価ができる。とてもいい経験になりました」

「チームメイトの平峰一貴選手は僕がFCJを走っていたとき、彼はホンダのF3に乗っていた(HFDPレーシングで全日本F3Nクラスに参戦していた)。カート時代にも接点があった先輩です。彼は“ラテン系”なノリがあって、お互いに日本人っぽくない感じがしますね(笑)。とてもフェアな人間なので、いい関係を築きながらレースを戦っていけると思います」

「何よりもTEAM IMPULと言えば、やっぱり星野一義監督の存在が大きい。とにかく勝利に対する思いが強烈で、あれほどの闘志を見せられると、どんなことがあっても弱音を吐いちゃダメだと思わされます。いまはそんな監督とともに絶対に勝ちたいという気持ちです」

 松下の話を聞いていると、今季のGT500に向けた思いがひしひしと伝わってくる。ただ、ひとつの疑問もわいてくる。松下といえば、これまでF1を目指して欧州で戦ってきたドライバー。この先、世界を目指したいという思いはないのだろうか。

「個人的な将来の目標として、フォーミュラEやWECのような海外レースへの参戦を目指していることはいまも変わりありません。世界の舞台で戦うことが、いままで僕が培ってきた経験を最大限に活かせるはずですから」

 そうした目標を胸に秘めながらも、松下は「今年はGT500に100%集中する」ことを宣言した。そして、ホンダへの率直な思いを口にした。

「4輪でレースするようになってから、僕はずっとホンダにお世話になってきた。それはもう本当に感謝の気持ちでいっぱいです。いままで培ってきた経験を活かして、今後はプロのドライバーとして活躍したい。それがいままで僕を育ててくれた方々への恩返しになると思っています」

白いヘルメットの松下信治がドライブするTEAM IMPULの12号車GT-R
白いヘルメットの松下信治がドライブするTEAM IMPULの12号車GT-R


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