2月28日、岡山国際サーキットで、GT3規定もしくはそれに準ずる車両が参加できる『GT3特別スポーツ走行』がスタートした。この日は11台の車両が参加したが、2022年最初のテストとなったチームも複数あった。今季、12年ぶりに新田守男／高木真一のコンビが復活したK-tunes Racingもそのひとつだ。
2022年、さまざまなトピックスがあるスーパーGTのなかでも、多くのファンを喜ばせたのが2002年にGT300王座経験もあるふたり合計通算43勝の名コンビ、新田／高木組の復活だ。もともと2月10日に富士スピードウェイで行われる予定だったテストがコンビ復活の初テストだったが、降雪のために流れ、今回岡山国際サーキットで行われたGT3特別スポーツ走行が最初のテストとなった。
この日のK-tunes RC F GT3はタイヤテストを中心にメニューが組まれ、新田がメインでドライブ。高木もステアリングを握ったが、シートの調整などを行いながら初めてのレクサスRC F GT3とダンロップの組み合わせとなるK-tunes RC F GT3をドライブした。
もちろんレクサスは初めて、そしてダンロップは「シビックワンメイクレースに出ていたとき以来（笑）。レーシングタイヤとしては実質初めて」という高木だが、「2日目に雨の予報も出ているので、タイヤの開発をメインにやっていき、新田さんがある程度タイヤテストを行った後、僕が確認を行い、最後に1セットだけニュータイヤを履きました」と初日を振り返った。
「クルマ自体はできあがっていますし、パッと乗ってもすごく乗りやすいですね。ダンロップも初めてですが、これまでいろいろ積み重ねてきたところで、僕が良いときに来たような感じ。好印象でした。まだテストですけど、ここからロングなども見ていきたいですね」と好感触を得た様子。
一方の新田も、「今日はタイヤテストが中心でしたが、いちばんは（高木の）初乗りでした。今までなかなか乗ったことがないクルマなので、それに集中してもらいたかったんだけど、あまり乗らなかったかな。でも問題はないと思う」という。
そして、12年ぶりのコンビでの仕事について感想を聞くと、「なんにも変わってない（笑）。新田さんもそう言うんでしょうけど（高木）」、「変わってませんね（笑）（新田）」と同じ返事が返ってきた。
「以前組んでいたときは新田さんが主体となって進めていましたけど、それがより一層強くなっているような感じ。今日も12セットくらい乗ったのかな？ 相変わらずあの年なのに体力だけはあるなと（笑）。昨年の最終戦以来のGTカーなのに、心強いですよね。それにコメントも的確で、改めて勉強できる要素がたくさんありました。改めて凄さを感じましたね。ダテに年食ってないなと（笑）」と高木は笑う。
新田も「やりやすいかどうかというと、気にしていない感じ。気を遣っても仕方ないし、気を遣っても勝手にやるし、そういう意味ではやりやすいかな。『こんなに変わらないんだ』って思うくらい変わらないです」という。
「これだけ一緒に乗ってないでしょ？ だから性格悪くなってるのかと思ったけど、変わってない（笑）。あと、『乗ってよ！』って言うのに乗らないし。『お前が乗らなくてどうすんだよ！』みたいな（笑）」
もともとK-tunes Racingはピット内の雰囲気も非常に明るいが、この日は影山正彦監督も含め、お互い勝手知ったる印象で、スムーズにテストが進んでいる様子が感じられた。熟成が進んだK-tunes RC F GT3＋ダンロップの組み合わせ、そして大ベテランコンビの2022年は、ライバルにとって手強い存在になりそうな印象だ。
