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投稿日: 2022.10.05 07:11
更新日: 2022.10.05 12:15

レース開催時にファンは泊まれる? 人気の部屋は? 富士スピードウェイホテル総支配人に聞く

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インフォメーション | レース開催時にファンは泊まれる? 人気の部屋は? 富士スピードウェイホテル総支配人に聞く

 10月7日に富士スピードウェイに隣接した静岡県小山町大御神に開業する『富士スピードウェイホテル』。1〜2階には『富士モータースポーツミュージアム』を持つこの施設は、ホテルチェーン・ハイアットが展開するコレクションブランド『アンバウンド コレクション by Hyatt』の日本初上陸となるホテルだ。サーキット側の客室からは富士スピードウェイの第3セクターを見下ろすこともできる、レースファンにとっては究極のサーキットホテルとも言える。

 ハイアットにおける『アンバウンド コレクション』では、それぞれのホテルが唯一無二の存在として「強い個性を放つ」ことを特徴としており、この富士スピードウェイホテルの場合は『モータースポーツとホスピタリティの融合』がコンセプトに掲げられている。

 実際、報道陣向け内覧会の記事で紹介した写真をご覧いただいても、そのコンセプトが至るところに垣間見える作りとなっていることがお分かりいただけるだろう。そこには、想像以上にラグジュアリーで、“自動車愛”に満ちた空間が広がっている。

 アッパー層の需要を満たしながら、モータースポーツ&クルマ好きの心をもくすぐるこのコンセプトは、いかにして生まれたのだろうか。

「『アンバウンド コレクション by Hyatt』というブランドは、唯一無二の個性、そしてその個性が持つストーリー性というものを大事にしています」と話すのは、ハイアットで日本・ミクロネシア地区のマーケティング/広報/ロイヤルティ部長を務める早川千恵氏だ。

「今般のお話をトヨタ不動産さんからいただき、まさにそのブランドが持つ力をいかんなく発揮できるのでは、と。そしてこの地に富士山の恵みで温泉が湧くということで、ラグジュアリーホテルに不可欠なスパの施設をつくりました。またハイアットは、ホスピタリティの究極系としてウェル・ビーイングを重視していますが、ここはモータースポーツのエキサイトメントと同時に富士山の自然に恵まれていますので、それらをハーフ・ハーフで楽しんでいただけるということで、モータースポーツとホスピタリティの融合というコンセプトが生まれました」

 実際に館内を見て回っても、温泉やプール、スパなどには非常に力が入れられていることから、モータースポーツ観戦時の宿泊のみが念頭に置かれているわけではないことは明白だ。

ウェルネス棟2階の『富士大御神温泉』。半露天風呂もある
ウェルネス棟2階の『富士大御神温泉』。半露天風呂もある

 現在50歳で「スーパーカー・ブーム生まれ」と自身について話す吉川源太・総支配人も、「モータースポーツファンとクルマ好きの方々は、私どもが必ず取り込みたい客層であると思っています。ただ、それのみならず、たとえばご家族連れですとか、いまはまだモータースポーツにそれほど興味はないけれど、ここに訪れることによって興味を持っていただく……といった方もいらっしゃるものと想定しています」とターゲットを説明する。

 また、ビッグレース開催時には、自動車メーカー等に関連するVIPの宿泊受け入れ先としての役割を担うことも想定しているようだ。

「VIPに関しては、むしろ我々ハイアットが一番得意とするところでもあります」と吉川氏は胸を張る。

「富士スピードウェイはそもそも(施設・設備が)充実しておりますが、さらにこのホテルが誕生することによって、海外からの自動車関係のVIPの方々を、このホテルにお招きすることもできると思っています。このエリアにこういったアッパークラスのホテルができることで、さらに海外からのお客さまを呼び込みやすくなる、そういったことにもつながるのではないかと思います」

 となると気になるのは、レース開催時に観客・ファンが宿泊することはできるのか、という点だろう。レース関係者だけで部屋が埋まってしまう、という心配はないのだろうか?

「販売戦略の細かいところまではお伝えできませんが、もちろん私どもは関係者のためのホテルではありませんので、モータースポーツファンの方々に、ぜひともそういった興行レース開催時にご宿泊いただきたいと思っています。従いまして、当然一般販売はする予定です」と吉川氏は強調した。

「ただ、WEC(世界耐久選手権)では特に、海外からのVIPが多数いらっしゃいますので、そういったグループ需要があることは事実です」

 すてに7月7日から予約がスタート。10月7日開業ということで、レースシーズンとしては“オフ”からの営業開始となるが、「モータースポーツに特化しているわけではありませんし、冬の季節は富士山もよく見えますので、そういった体験価値を高めるような提案をしてきたい」と吉川氏。

 なお、客室にはサーキットビューと富士山ビューがあるが、予約を取り始めてみると、それらの人気は『半々』であることが判明したという。

「当初は、当然サーキットビューの方が多いのでは……と想定しており、予約の入り方を見て将来的に価格差を考えていってもよいのかなと思っていたのですが、予約を取り始めてちょうどバランスの良い需要があるということが分かりました」(吉川氏)

 気になる宿泊料金は、空室状況等に応じて変動する。

 たとえば記事執筆時点で開業1カ月後となる11月7日(月)の空室を公式サイトで検索すると、最安の“キング”ルームで1泊3万6550円(税・サ別)となる。金額の捉え方は個人によって差があるだろうが、この価格帯でホテル側がうたう「サーキットの感動とブティックホテルのラグジュアリー体験をブレンドさせたユニークな滞在」が体験できることになる。

富士スピードウェイホテル 富士山ビューの客室(6階)からの眺め
富士スピードウェイホテル 富士山ビューの客室(6階)からの眺め
右側が地上9階建てとなるメインの宿泊棟。左が温泉やプール、スパなどがあるウェルネス棟。このほか、写真の左側に平屋建てのヴィラ棟がある
右側が地上9階建てとなるメインの宿泊棟。左が温泉やプール、スパなどがあるウェルネス棟。このほか、写真の左側に平屋建てのヴィラ棟がある
宿泊者は、屋上からもサーキットを見下ろすことができる。反対側からは富士山も眺望可能
宿泊者は、屋上からもサーキットを見下ろすことができる。反対側からは富士山も眺望可能
富士スピードウェイホテルの総支配人を務める吉川源太氏
富士スピードウェイホテルの総支配人を務める吉川源太氏


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