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スーパーGT ニュース

投稿日: 2022.10.25 20:50
更新日: 2022.10.25 20:51

スーパーGTドライバー勝手にお悩み相談ショッキング Vol.35 野中誠太さん

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スーパーGT | スーパーGTドライバー勝手にお悩み相談ショッキング Vol.35 野中誠太さん

 ファンのために熱いレースを展開してくれるスーパーGTドライバーたち。SNS等でも散見されますが、所属するチームやメーカーによって差はあれど、多くのドライバーが“繋がり”をもっています。そんなGTドライバーたちの横の繋がりから、お悩みを聞くことでドライバーの知られざる“素の表情”を探りだす企画をお届けしております。今回はGAINERの安田裕信選手から、HOPPY team TSUCHIYAの野中誠太選手に繋がりました。

 しばしばSNS等でも見られる、気になる2ショット。「へえ、あのドライバーたち、仲良いんだ」とファンの皆さんも驚くこともあるのでは。そんなGTドライバーの繋がりをたどりつつ、ドライバーたちの“素”を探るリレートークがこの企画です。これまでの連載は、まとめページを作りましたのでぜひご参照ください。

スーパーGTドライバー勝手にお悩み相談ショッキングの連載まとめページです。
まとめページは画像をクリックorタップ!

 前回は、長年レーシングカートチーム『HIROTEX RACING』を手がける安田選手にお話を聞きましたが、掲載後何がビックリしたかといえば、HIROTEX RACING卒業ドライバーたちがこぞって記事の告知ツイートをリツイートしていたこと。安田選手がいかに慕われているかが良く分かりました。

 そんな安田選手の最近の悩みとして、若手ドライバーが自分の言うことを「うっせーな」と思っていないかということ。実際にチームに所属していた経験がある野中選手に、率直にぶつけてみました。

* * * * *

■レーシングカート生活最後のチーム

──そんなこんなで、『スーパーGTドライバー勝手にお悩み相談ショッキング』という企画があるワケですよ。見たことあります?
野中誠太さん(以下、野中さん):あります!

──今回は安田裕信さんからお悩みがまわってきまして、それを野中くんに解決していただきたく思います。
野中さん:任せてください(笑)!

──おう頼もしい。まず聞きたいんだけど、野中くんは安田くんのカートチーム出身だそうな。
野中さん:はい。2019年です。一年だけですけど。

──割と最近だね。
野中さん:僕がFIA-F4にデビューした年に並行してカートもやっていました。それが安田さんのチームでは最後の年でした。

──なるほど。それでですね、安田くんのチームがけっこう子ども年代が多いらしく、安田くんも40歳手前になりまして『このオッサン何言ってんだ?』的な感じで、言っていることが伝わっているのか不安らしいです。
野中さん:それは走りやドライビングのアドバイスということですよね。

──そう。あとは走りもそうだけど、カート時代は人としての教育もしている年代なわけじゃない。
野中さん:はい。人としての礼儀だったりですね。

──そこで『ちゃんとこうやれよ』と言ったことは子どもたちに伝わっているのかなというのが悩みらしい。これは野中くんに本音で語っていただきたいのですが、安田くんのチームにいたとき『このオッサンうるせぇな』『ウゼーな』と思ったことはある?
野中さん:(笑)。でも、僕が(安田さんのチームに)入ったときは19歳で、高校を卒業して学生が終わったタイミングなんです。そこでヒロさん(安田選手のこと)のところで走っていて、割と長くカートもしていて、トヨタ(TGR-DC)に入って……というタイミングだったので、基本的にヒロさんからそういったアドバイスはなかったですね。もう『大丈夫だから』という感じでコースに送り出してもらっていました。ところどころでアドバイスはいただきましたけど。

2022スーパーGT第7戦オートポリス HOPPY Schatz GR Supra(松井孝允/野中誠太)
2022スーパーGT第7戦オートポリス HOPPY Schatz GR Supra(松井孝允/野中誠太)

■そのままでいいと思います!

──そのアドバイスはすごく参考になるものでした?
野中さん:そうですね。僕はそのときにヨコハマタイヤの開発ドライバーもやらせていただいていたので、タイヤの知識や四輪でのFIA-F4のアドバイスもいただいたりしていました。僕からしたら、そこはリスペクトしかありませんし(笑)、まわりもそんなことは思っていないと思います。

 ただ、今チームにいる子たちは15〜16歳なんですよね……。まあ僕がそのくらいの年齢でもそんなことは思わないですけどね(苦笑)。そこは大丈夫だと思います。あの環境がなかったらここまで来られていないので、感謝しかないです。その気持ちは後々にどんどん思ってくることだと思います。

 カートの頃は基本的にブリヂストンタイヤが多くて、ヨコハマタイヤにとっては厳しいレースも多く、ドライバーとしてのモチベーションなど、そういった精神的な部分でしんどかったときもあります。だからこそ、ヒロさんのアドバイスが効いてモチベーションを保つことができました。そこはすごく勉強になりました。レーシングドライバーは速く走らせることだけじゃない……ということをそこですごく学びました。

──では安田くんは、今後もそのままということで大丈夫ですかね?
野中さん:いいと思います(笑)。

──とはいえ、逆にそのアドバイスが思春期だとすぐに分からないこともあるじゃない。
野中さん:あ〜。15〜16歳だと、ちょっとしたことで大きく変わったりしますよね。そのときに言われて理解できなかったことは、僕も今いろいろと理解できてきた部分もあります。そこですぐに理解できたらいいですけど、そんなに甘くない世界だと思います。ただ、そのことはまだその年齢では分からないので、態度に出てしまうこともあるかとは思います。どうなんですかね? そういった態度が見られるからその悩みがあるんですかね?

──でも、そのアドバイスを黙って聞くじゃないけど、それをモノにしていく子じゃないと上には伸びていかない?
野中さん:聞く側としても賢くないとダメだと思います。全部が全部受け止めてしまったら精神的に逆に悩んでしまうこともあると思いますけど、このアドバイスは『自分に使えそうだな』というものをよく聞くことです。だからといって聞かないような態度を出してしまうとダメですけど、聞く側の姿勢も大事だと思うし、それをどう頭のなかで整理するかも大事だと思います。

 僕は割とすぐに顔に出ちゃうので、『顔に出てるぞ』とかよく言われてしまいます(苦笑)。自分は自分でその部分を直したいですし、それがヒロさんの前で出ていたかは分かりません。僕はヒロさんの言っていたことは全部聞いて参考にしていました。本当に真のプロドライバーであるヒロさんからいただけるアドバイスは絶対に間違っていないと思うんです。そこは大丈夫なので、全然そのままでいいと思います。

2022のスーパーGTでHOPPY Schatz GR Supraをドライブする野中誠太
2022のスーパーGTでHOPPY Schatz GR Supraをドライブする野中誠太

■3カテゴリーはレース三昧

──分かりました。で、ですよ。このコーナーは野中くんのお悩みを聞いて次のドライバーにそのお悩みをぶつけてほしいのです。なんの悩みでもいいよ。プライベートなことでも大丈夫。
野中さん:僕、プライベートが“薄い”んですよね……。趣味がない。本当にレースばかりやってきたので趣味がないことも悩みですし、今年から3カテゴリーのレース(スーパーGT、スーパーフォーミュラ・ライツ、スーパー耐久)に参戦することになって、圧倒的に日常がレース三昧になりました。ありがたいことなんですけど、レース三昧になってなかなか家にいないので、趣味を探そうとも思わないですし、休みの日は『休もう』と思ってしまいます。

──150%くらい共感する(笑)。同じく3カテゴリープラスアルファくらいなので。
野中さん:趣味じゃなくても、休みの日にいかに気持ちを切り替えられるか、オンとオフをはっきりしたいです。

──う〜ん分かる。同じくズルズル仕事をして『もう水曜日になっちゃった!』みたいになる。
野中さん:例えばドライバーだったら、レポート(レーシングドライバーはチームやスポンサーに、レースのレポートを書き提出します)を書いたり、次のレースに向けてトレーニングもするじゃないですか。結局休みの日に『これをやらなきゃいけない』『トレーニングもしなきゃ』など、『時間があると何かをしなくては』精神が働いちゃうので、一度レースのことを忘れて、しっかり休む時間を作らないといけないと思うんですけど、なかなか作れないです。本当に今年になってからありがたいんですけど、ほぼホテルで寝ていて、家で寝てないな……という時がたくさんあります。

──その悩みはオレも相談したい。
野中さん:でも趣味があれば、趣味に向かって『明日は休みだからこれをしよう』とか動けると思うんです。今はそれもないので、トレーニングなどレースのことが頭に入ってきてしまうのだと思います。それはすごく難しいです。

──難しい。性格もあるかもしれないね。基本的にマジメじゃない?
野中さん:たまにそう言われますね。やっぱりレースに向けて『このままじゃダメだ』という思いと、『でもしっかり休みたい』という思いもあります。旅行も好きで、自然を楽しんだり旅館に行ったりもすごく好きなんですけど、それも結局時間がないとできない。そこもなかなかできていません。僕よりお忙しい先輩方はたくさんいると思いますけど、そのあたりのオン/オフはしっかりできていると思うんです。それはそれで経験だと思いますし、こういった生活を長年やっていくと見えてくる部分もあると思います。

スーパー耐久には山崎学/坪井翔/細川慎弥/野中誠太のラインアップで参戦するMY CARS CSIRacing
スーパー耐久には山崎学/坪井翔/細川慎弥/野中誠太のラインアップで参戦するMY CARS CSIRacing
全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権第1戦を制した野中誠太と山田淳監督、データエンジニアの河野駿佑
全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権第1戦を制した野中誠太と山田淳監督、データエンジニアの河野駿佑
野中誠太(PONOS Racing TOM’S 320)
野中誠太(PONOS Racing TOM’S 320)

■次回は大津弘樹選手……と思いきや

──その悩み、誰にぶつけますか?
野中さん:難しいですね〜。ありがたいことに先輩方はメーカー問わずにいろいろな方がいるのですけど、悩みますね。僕からメーカー系の人に行っても面白くないと思うので、パパっと思いつくのは吉田(弘樹)さん、蒲生(尚弥)さん……大津(弘樹)さんは?

──大津くんは何の先輩なの?
野中さん:僕の父がビレルで、いろいろな先輩方を知っています。大津さんはカート時代にビレルに乗っていて、家も埼玉県で近くて、ここ最近はトレーニングなども同じトレーナーさんがいるので一緒にしたりしています。

──大津くんも性格はものすごくマジメだよねぇ。
野中さん:どうなんですかね。また違ったタイプに振ったほうが解決しやすいのか、逆に同じようなタイプの方に聞いたほうがいいのか。大津さんがF3に参戦していたときなど、3カテゴリー時代はどういった生活をしていたのか。結婚されて、オン/オフの仕方もはっきりしていると思うんです。

──あれ? 大津くんは出たんじゃなかったかな。あ、すでに登場してた。ごめんごめん。でも2回目でもいいよ。
野中さん:そう言えば読んだ気がしますね。2回目はな〜(笑)。

<<ここで場内にピエール北川さんの声で『井口選手は……』という音声が流れる>>

野中さん:あ、井口(卓人)さんは?

──出てないな。
野中さん:井口さんこそすごく忙しそうですね。それこそSNSを見ているとレースの次の日も早朝からどこかに行っていたりしていますし。井口さんに聞いてみたいです。

──オーケー。井口くんはTGR-DCの先輩でもあるけど、何か接点はある?
野中さん:今年トヨタのお仕事でご一緒させていただいたりしているので、ちょくちょくお会いしています。(松井)孝允さんも井口さんと仲がいいので、その場に僕もいたりしますね。

──ではそんな感じでいきましょう!

* * * * *

 そんなこんなで、次回はR&D SPORTの井口卓人選手に繋がりました。ちなみに取材はスーパー耐久第6戦岡山の際に完了したのですが、井口選手とともにもうひとりにも相談に乗っていただきました。音楽で言ったら『井口卓人さん with ○○○○さん』みたいな感じです(笑)。

 賢明な読者の皆さまならもう誰かは分かるとは思いますが(笑)、次回お楽しみに!

2022スーパーGT第7戦オートポリス 松井孝允/野中誠太
2022スーパーGT第7戦オートポリス 松井孝允/野中誠太


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