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F1 ニュース

投稿日: 2016.03.18 23:28

今宮純の金曜インプレッション:水煙で視認できたレッドブルとルノーの進化

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F1 | 今宮純の金曜インプレッション:水煙で視認できたレッドブルとルノーの進化

 スポーツ観戦するときのファッションは、いつも薄着。Tシャツ・短パンのオージーたちが、しっかりレインコートと折りたたみ傘を持参。天気予報は当たった。開幕戦の初日、アルバートパークには強い南風(南極方向から)によって、雨雲が次々やってきた。シーサイドにあるコース、吹きつける海風はFIA表示より強く、体感温度を奪う。

 シーズンイン1日目でなければ、もっと走行を控えるチームが多かったろう。計測ラップをこなしたのはFP1が20台、FP2が15台、どちらのセッションともルイス・ハミルトンが、たちまちトップへ。過去4回ポールポジション獲得実績を持つ彼の「起動力」を刻々変化するコンディションに見た。

 ハミルトンはFP1開始50分が過ぎるころ、雨雲が切れて青空の出かけたタイミングに合わせて、ソフトタイヤを装着。8周ランを続けて1分29秒795、スローラップを挟みながらもタイヤ温度を下げず、刻み上げていった。まだ一部濡れていても、ぶれないメルセデスW07。しなやかなアクセルワークとムリのないブレーキングに思わず見とれた。こういう路面条件だからこそ、慎重さと大胆さのバランスをとるのは難しい。マシンを信頼していないとリズムを持てない。

 昨年FP1ベスト1分29秒557(ニコ・ロズベルグ)の、わずか0.168秒落ち。セクター2と3で最速。この路面状態で好タイムを出し、チームメイトにプレッシャーをかけた。だが本来得意のセクター1では手の内を見せず、ロズベルグが最速。お互いの「セクタータイム牽制」が早くも始まった。ライバルは6位だ。

 さらに風が強まったFP2、土砂降りではないがコース上は完全に濡れたまま。フルウエットを履くほど水膜はないように見えて、このコースには至るところに細かなバンプが点在し、そこに雨水が溜まる。川になるほどではなく、コクピットからは見えにくい。開始55分後、6コーナー出口の水たまり「落とし穴」にロズベルグがリヤタイヤをすくわれた。アクセルオンが若干強め、メルセデス・ワークスのパワー&トルクは強大だ。テールを滑らせた瞬間、反応操作が間に合わずに壁をヒット。そこまで自己ベストで来ていたロズベルグは、ダメージを最小限にとどめるためにマシンを止めた。


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