4戦目を迎えた全日本ロードレース選手権シリーズ。宮城県柴田郡のスポーツランドSUGOで行われた第4戦でJSB1000クラスは2レースが開催され、両レースで中須賀克行(ヤマハ・ファクトリー・レーシング・チーム)が優勝を飾り、高橋巧(チームHRC)が2位となった。高橋巧は中須賀とヤマハに「勝負できるレベルにきた」と語る。
2レース制で行われた全日本第4戦は、土曜のレース1、日曜のレース2ともに中須賀が優勝し高橋巧が2位という結果となった。このリザルト順は、2018年シーズンで実に5度目だ。
結果だけで言えば、高橋巧がいまだ中須賀の後塵を拝していると見える。しかし特にレース2で、高橋巧は中須賀に終盤まで食らいついた。
土曜に行われたレース1はどんよりと雲が立ち込め、寒さを感じる気温のなかでスタートした。さらにはレース中に霧雨が舞う難しいコンディション。3番グリッドスタートの高橋巧は好スタート切ってホールショットを奪う。
しかしすぐに清成龍一(モリワキMOTULレーシング)にトップを奪われ、さらにポールポジションスタートの中須賀がその清成を交わしてトップに躍り出る。高橋巧も2番手にポジションを回復して中須賀を追うが、その差はじわじわと大きくなり、中須賀がトップ、高橋巧が2位でのチェッカーとなった。
レース1は事前にSUGOで行われた公開合同テストから好調だった中須賀が、勢いそのままに制したと言えるだろう。レース1後のトップ3会見で中須賀は、プッシュをしないと高橋巧が迫ると感じていたと言い、「無理して1分27秒付近で走ったら離すことができた」とコメントしているが、強さを見せたレースでもあった。
一方の高橋巧は事前テストからタイムが伸び悩んでいたため、今大会でも「厳しい戦いになるだろうと覚悟していた」と言う。ただ、そのなかで2位表彰台を獲得できたことが自信になったようだ。
「正直、2位になるのは厳しいと思っていましたが、それが達成できたということは、マシンの方向性が間違ってはいないという確認ができたということでもある」と語っていた。
■ヤマハとホンダの両雄がレース2で見せた、テール・トゥ・ノーズの争い
日曜に行われたレース2、高橋巧はその自信を持って一時は中須賀を追い詰めるかと思わせるレースを見せた。それは第2戦鈴鹿のレース2で見せたような、ホンダとヤマハのエース対決の再演を思わせるものだった。
レース1と同じく好スタートを切った高橋巧は5周目までレースをリードしていたが、6周目のシケインで中須賀に交わされ2番手にポジションを落とす。そのままじりじりと差を広げられ、中須賀が独走態勢に入ることが多かったのがこれまでだが、このレースは違った。