2019年シーズンの開幕を迎えた全日本ロードレース選手権JSB1000クラスは、4月6日にツインリンクもてぎで決勝レース1が行われ、中須賀克行(YAMAHA FACTORY RACING TEAM)が優勝した。
JSB1000クラスのレースフォーマットは、2018年と同じくスプリントレースがメインの全8戦12レースで、開幕戦もてぎは2レース制での開催となり、レース1、レース2ともに23周で争われる。
またレース1は、鈴鹿8時間耐久ロードレースの出場権をかけた選抜レース(トライアウト)にもなっている。トライアウトには16チームがエントリー。レース1での上位5チームが鈴鹿8耐の出場権を得る。
午前中に行われた予選では、中須賀が自身の持つ1分48秒460のコースレコードを1秒以上上回る1分46秒878でポールポジションを獲得。2番手はホンダファクトリーで2年目のシーズンに挑む高橋巧(Team HRC)、3番手は中須賀のチームメイト野左根航汰(YAMAHA FACTORY RACING TEAM)というフロントロウの並びになった。
23周で争われるレース1は、午前中に行われた予選と同じくドライコンディションだったが、午前中よりも気温が高く、風も強く吹き始めるという複雑な環境となっていた。
迎えたスタートで、ホールショットを決めたのはポールスタートの中須賀。2番手は好スタートを決めた渡辺一樹(ヨシムラスズキMOTUL)、2番グリッドからスタートした高橋巧は3番手に後退する。3番グリッドからスタートした野左根は出遅れて6番手に後退した。
1周目を終え、中須賀、渡辺一樹、高橋巧のトップ3台が4番手以下を引き離してグループを形成していく。2周目を過ぎてからは中須賀がひとつ抜け出し始め、独走態勢に入ろうとしていた。
しかし、4周目に高橋巧が渡辺一樹を交わすと、その勢いのままトップの中須賀を追い、5周目に中須賀との差を0.3秒まで縮める。
後方から追い上げる野左根は6番手から順位を挽回し、5周目には渡辺一樹に接近。その周のV字コーナーで渡辺一樹をかわして3番手に浮上した。
6周目以降のトップ2台は、高橋巧が中須賀の後方にぴたりとついていく状態となり、レースは落ち着きを見せていた。
9周目に入ると高橋巧が動き、S字コーナーで中須賀のインをついて交わしトップに浮上する。しかし、中須賀も負けずと10周目の2コーナーで高橋巧のインをつきトップを奪い返し、再びランデブー走行が続いていく。
中須賀と高橋巧のつかず離れずの緊迫した状態は最後の最後まで続き、最終的には中須賀が逃げ切って開幕戦のレース1を制し、高橋巧は0.829秒差の2位でチェッカーを受けた。
野左根は渡辺一樹を交わした後に中須賀と高橋巧を追うも届かず、16秒差で3位表彰台を獲得した。
鈴鹿8耐トライアウト対象チームでは、Honda Dream RT 桜井ホンダ、TONE RT SYNCEDGE4413、KRP三陽工業&RS-ITOH、Honda Suzuka Racing Team、NIPPON SUMATRA BIO MASSE+D3の5チームが鈴鹿8耐の出場権を獲得した。
全日本ロードレース開幕戦レース1の順位結果は以下の通り。