レース界のマニアック“ヘンタイ”カメラマンこと鈴木紳平がお届けする全日本ロードレース選手権ブログ。今回は、2019年シーズンからファクトリーマシンを使用して参戦するau・テルル MotoUP RTの秋吉耕佑に“ヘンタイ”カメラマンがインタビューを実施しました。“ヘンタイ”カメラマンはファンの間で“宇宙人”と呼ばれる秋吉にどんなことを聞いたのでしょうか。
ーーーーーーーーーー
全国の2輪レースファンのみなさま、いかがお過ごしでしょうか。季節は移ろい、早くも10月を迎えました。8月の2&4もてぎ以来となる当ブログ。今回はJSB1000にファクトリーサポートマシンで参戦中の秋吉耕佑選手(私と同い年)のインタビューをお届けしたいと思います。
スズキのエース、その後F.C.C TSRホンダを駆りホンダのエースとして活躍し、年齢を重ねた今もなお第一線で活躍している秋吉選手(私と同い年)。その2019シーズン前半戦を終えての現状とこれからを語って頂きました。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
Q:ではまずは開幕戦から鈴鹿8耐までを振り返って頂きたいと思います。
秋吉耕佑(以下、秋吉):まず2019年シーズンからバイクがファクトリーサポートのマシンに変わっています。車体、エンジン、制御の部分で昨年とは大きく変わっているのでその部分の慣熟、煮詰める作業を行ったのが前半戦になります。
Q:現在使用中のバイクは2018年の鈴鹿8耐で使用された個体と聞いています。
秋吉:どの個体かは僕からコメントする事はありませんが昨年のファクトリーマシンがベースになっているようです。
Q:2019年シーズン乗っているファクトリーサポートマシンの印象を教えてください。
秋吉:昨年乗っていた車両とは考え方(設計思想)が異なるバイクだなという印象です。制御も進化しており特に減速時の燃料の使い方が大きく異なり、エンジンブレーキの使い方が違ってきています。
Q:では走行されての印象的な部分を教えてください。
秋吉:まずエンジンが抜群に速い! 加速力も高回転の伸びも抜群に良いです。ですので、このバイクはストレートスピードがとても速いです。
Q:では現在取り組まれている事はいかがでしょうか?
秋吉:制御の部分を重点的に取り組んでいます。この部分が2018シーズンの車両とは大きく異なっていてちょっと苦戦しています。我々プライベーターはワークスと異なり制御系において変更出来る箇所が限られています。その部分を人間側でアジャストするという方法もありますが実際はそのギャップが大きい為出来る範囲で走らせている、というのが現状です。ただ開幕戦から鈴鹿8耐まででいいデータがとれているのでだいぶこのバイクの走らせ方が分かって来ました。ただ、まだこのバイクで攻める走りをする事は出来ていません。
Q:エンジニアとはどういうやり取りをするのでしょうか。
秋吉:エンジニアは画面上のグラフとバイクの動きがなかなかリンクしないので、共同作業で進めています。コース図と照らし合わせながらここではこんな燃料の使い方をしたい、こういう点火時期にしたい、減速の空気量はこうしたい、というような話をしています。ピットでエンジニアと一緒に長い時間モニターの前に居るのはその為です。