Q:ベースにポテンシャルがあるバイクといえども貸与され、乗っていきなり結果に現れるものではないのですね。
秋吉:やはり、タイヤ、軸のバランス、軸荷重やタイヤへの荷重も異なりますし、ストレートスピードが上がればブレーキへの入力も異なります。事前テストが十分に出来ない事もあるので短いレースウィークの中でアジャストするのはとても難しい事です。ただ限られたなかで出来る事をやっていく事は自分のなかでも糧になっている部分もあります。やはりファクトリーサポートマシンを貸与されるのは限られたチームとライダー、そこは意気に感じて走っています。
Q:開幕戦からここまでで今後に生かせそうなモノは見つかりましたでしょうか。
秋吉:それは内緒です。やはりこのバイクはポテンシャルを秘めているが、速く走らせるのにはもう少し時間が必要です。後半戦を楽しみにしてみてください。
Q:私が見ているかぎりではF.C.C TSRホンダ時代の秋吉さんと比べると現在の秋吉さんはレースを楽しんでいるように見えます。
秋吉:いえ、楽しんではいません。やはりタイムが出ないと楽しくはありませんしストレスに感じます。基本、攻める事が出来ないバイクには乗りたくないですから。その為にもセットアップを進めています。
Q:2019年からチームメイトに080号車 羽田太河選手が加わりました。若い選手の見本という部分もあると思いますがいかがでしょうか?
秋吉:バイクの場合、ライダーが速く走らせる事が出来てもマシンのベースがどこにあるかが分かりづらいもの。若く経験が少ない人だけでやってしまうと何処が良いのかそうでないかが分からずに終わってしまいますし、経験が少ないライダーは素材の引き出し方がまったく分からないのです。そこをサポートしてくれる環境があれば良いがそれはなかなか難しい。ですので、自分が経験してきた小さな積み重ねの部分や、羽田選手に合ったセッティングや乗り方を少しづつ伝えています。とにかくバイクは経験値が大事なのです。
Q:後半戦への目標とファンへのメッセージをお願いします。
秋吉:au・テルル MotoUP RTとしては初のファクトリーサポートマシン、まずはこれで結果を出したいと思っています。チームとしてもファクトリーサポートのマシンに触れるのは初めての事なので簡単ではありませんが、チームベストである表彰台を目指します。今はそれに向かって力を蓄えているところです。後半戦を楽しみにしていてください。
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いかがでしたでしょうか。第2戦鈴鹿では前半戦ベストリザルトの4位、もてぎ戦でもレース後半、同じくベテランの加賀山選手と好バトルを繰り広げ5位を獲得しています。
残すはオートポリスと鈴鹿。果たして目標とする表彰台に手が届くのか、そして秋吉耕佑がかつてのようにレーシングコースを攻めまくり場内実況が絶叫する、そんな日が来ることを楽しみにし、今ブログ“了”としたいと思います。みなさま最後までお付き合い頂き有難うございました。またどこかでお会いしたいと思います。