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MotoGP ニュース

投稿日: 2019.10.25 18:35
更新日: 2019.10.25 18:36

MotoGP:Moto3の背景とデータから分析するワイルドカード参戦ライダーのマシン性能差

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MotoGP | MotoGP:Moto3の背景とデータから分析するワイルドカード参戦ライダーのマシン性能差

 10月18~20日にツインリンクもてぎで開催されたMotoGP第16戦MotoGP日本GP。この大会のMoto3クラスにはふたりのMotoGPライダーがワイルドカード参戦した。そんなふたりの日本GPを二輪ロードレース専門誌『ライディングスポーツ』が分析する。

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■厳しい結果に終わった全日本J-GP3王者

 ツインリンクもてぎで開催されたMotoGP第16戦日本GPのMoto3クラスにはふたりのライダーがワイルドカード参戦したが、2019年の全日本ロードレース選手権J-GP3チャンピオン、長谷川聖(Team Anija Club Y’s)は残念ながらフリー走行でトップタイムの107%をクリアできず、予選に進むことができなかった。

 長谷川は全日本J-GP3仕様のホンダNSF250Rに、Moto3の共通ECU(ハード/ソフト)を装着して参戦したが、金曜日のフリー走行1回目(FP1)ではエンジンがかからず、わずか7周したに止まった。午後のフリー走行2回目(FP2)では走行はできたものの、スロットルを開けてもエンジンがバラつき、まともに加速しないという状況で、最高速のデータでもレギュラーライダーに比べて20km/hほど遅いスピードしか記録できないマシンに苦戦。全日本もてぎで記録した自身のタイムにも及ばない状況だった。

初日はECUとの合わせこみに苦戦した長谷川聖(Team Anija Club Y’s)
初日はECUとの合わせこみに苦戦した長谷川聖(Team Anija Club Y’s)

 2日目にマシンはようやく走るようになったものの、フリー走行3回目(FP3)はウエットコンディションとなり挽回できず。フリー走行総合ではドライのFP2がベストタイムとなり、トップタイムの107%を0.246秒クリアできず、予選への出走はならなかった。

 現在のMoto3クラスにレギュラー参戦するライダーのマシンは、ホンダNSF250RWとKTM RC250GPの2車種となっている。どちらのマシンもMoto3専用に開発されたワークスマシンで、イタリアのデロルト製共通ECUを装着し、ワンメイクのダンロップタイヤを履く。

 ちなみに、年間エンジン使用基数は最大6基となっており、エンジン1基の最大価格は1万2000ユーロ(約150万円)、エンジン、ECU、データロガー、トランスポンダーを含んだコンプリートローリングシャシー価格の上限は8万5000ユーロ(約1000万円)とされている。

 2018年まで、日本GPのMoto3クラスにワイルドカード参戦する国内ライダーのほとんどが、全日本仕様の車体にレンタルしたMoto3仕様のエンジンを搭載して参戦していた。レンタルのMoto3仕様エンジンは、NSF250R用エンジンをベースにスイスのGEOテクノロジー製Moto3用キットパーツを組み込んだものだ。

 しかし、Moto3クラスがスタートした時点のNSF250Rユーザーの定番だったこのエンジンも、すでに実戦開発がストップしており、現状のMoto3クラスではポテンシャルが十分とは言えず、長谷川のマシンは実績のある全日本仕様をベースとしたエンジンで臨んだ。


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