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MotoGP ニュース

投稿日: 2021.06.08 08:22
更新日: 2021.06.08 10:15

【レースフォーカス】クアルタラロに起こったレーシングスーツのアクシデント、そして“もうひとつのペナルティ”に呈した疑問/MotoGP第7戦

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MotoGP | 【レースフォーカス】クアルタラロに起こったレーシングスーツのアクシデント、そして“もうひとつのペナルティ”に呈した疑問/MotoGP第7戦

 MotoGP第7戦カタルーニャGPの決勝レースで、優勝争いを演じていたファビオ・クアルタラロ(モンスターエナジー・ヤマハMotoGP)にアクシデントが発生した。レーシングスーツのファスナーが、レース中にもかかわらず大きく開いてしまったのだ。クアルタラロはこのアクシデントが起因して、ペナルティを受けることになった。クアルタラロはこのレースでもう一つ、異なる要因でペナルティが科されており、これが疑問を残す形となったのだが……、まずは展開を整理していこう。

 クアルタラロはカタルーニャGPの決勝レースをポールポジションからスタートした。スタートはよかったものの、1コーナーでは2番グリッドスタートのジャック・ミラー(ドゥカティ・レノボ・チーム)が先行。クアルタラロは後退したが、その後、レース中盤にはトップを走っていたミゲール・オリベイラ(レッドブル・KTM・ファクトリーレーシング)を交わした。ただ、その後クアルタラロはオリベイラにパスされ、2番手に後退していた。
 
 この週末のクアルタラロは速く、強かった。ただ、レース後のコメントによれば、レースではそれまでとは感じが変わっていたそうで、リヤタイヤのフィーリングがあまりよくなく、おそらく優勝は難しかっただろうとも語っている。
 
 そうだとしても、そのときまでクアルタラロは2番手をキープしていた。事が起こったのは残り5周を切ったころである。クアルタラロのレーシングスーツ前部のファスナーが大きく開いた状態となっていたのだ。そしてまた、レース中に胸部プロテクターが外されて飛んでいく様子が映像で確認されている。
 
 クアルタラロの後ろを走っていたヨハン・ザルコ(プラマック・レーシング)は、「3コーナーでファビオが胸部のプロテクターを外したんだ。『何をしているんだろう、腕に何か痛みがあったのかもしれない』とは思った。でも(状況が)わからなかった」と語っている。
 
 クアルタラロ自身は、レース後の取材のなかでこのときの状況を次のように説明した。
 
「何が起こったのか、わからない。ただ、1コーナーでレーシングスーツが完全に開いたのだけはわかっている。たぶん残り5周だったと思う。走るのが難しかったけど、残念ながらそういうこともあるんだ」

「ファスナーを閉めようとした。僕が言えるのはそれだけだ。レースでは普通に走ろうとしていたよ。ただ、レーシングースーツの前が開いている状態では、ストレートの最後の部分(ブレーキング)では難しい。でも、そのときはあまりほかのことを考えていなかった。表彰台のことを考えていた」

 クアルタラロはこの取材が終わったあと、6月7日午前1時、結果に対し3秒加算のペナルティが科されることになった。これについて、少し補足しよう。
 
 クアルタラロは、レースでは3番手でチェッカーを受けていた。しかし、残り3周の1、2コーナーでショートカットしたことにより3秒加算のペナルティが科され、最終結果は4位となっていた。このとき、クアルタラロは4位の結果で取材に臨んでいる。しかしその後、レーシングスーツのアクシデントが要因でさらに3秒加算のペナルティが科され、最終結果が6位なった、ということだ。
 
 このペナルティは、胸部プロテクターを装着せずに(レース中に外して)走行したものに起因する。MotoGPのレギュレーションによれば、胸部プロテクターは『サーキット走行中、常に正しく装着しなければならない』装具の一つとして記載されている。

 今回は6月7日にバルセロナ・カタロニア・サーキットでMotoGPクラスのテストが行われ、クアルタラロはテスト後の取材会を行ったので、この“2度目のペナルティ”についてのコメントを聞くことができた。しかし、クアルタラロにとってはこのペナルティよりも、ショートカットによるペナルティの方が納得できないものだったようなのだ。

■次のページへ:クアルタラロが呈したショートカットに対するペナルティへの疑問


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