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MotoGP ニュース

投稿日: 2021.09.14 08:00
更新日: 2021.09.14 08:23

【レースフォーカス】完ぺきな週末で初優勝を飾ったバニャイア。そしてM.マルケスが取り戻したい武器/MotoGP第13戦アラゴンGP

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MotoGP | 【レースフォーカス】完ぺきな週末で初優勝を飾ったバニャイア。そしてM.マルケスが取り戻したい武器/MotoGP第13戦アラゴンGP

 23周のレースのうち、最も劇的な瞬間は終盤の残り3周に訪れた。先頭を走り続けてきたフランセスコ・バニャイア(ドゥカティ・レノボ・チーム)と、マルク・マルケス(レプソル・ホンダ・チーム)による、手に汗握るような優勝争いだ。激しい攻防を繰り広げる二人。しかし、バニャイアはマルケスの猛攻を振り切ってトップでフィニッシュラインに飛び込んだ。バニャイアにとって、最高峰クラス参戦3年目にしてついに手にした初優勝だった。
 
 MotoGP第13戦アラゴンGPの決勝レースをポールポジションからスタートしたバニャイアは、そのグリッドポジションから後退することなく先頭で走り続けていた。そして、その背後にはスタート直後からマルケスが0.3秒以内の差を守って追走していた。ラップタイムもほぼ同じ二人は、緊迫の差を保ってレース終盤に入っていく。
 
 レース中、バニャイアはこの日の己の敵がマルケスだけだとわかっていた。そしてまた、彼がレース終盤に勝負を仕掛けてくるだろうことも想定していた。
 
 残り3周から、マルケスはぐっとバニャイアとの差を詰め、7度ものオーバーテイクを仕掛けた。マルケスがブレーキングでバニャイアの前に出ようとするも、バニャイアはクロスラインでマルケスに先行してコーナーを立ち上がる。
 
 最後の勝負は最終ラップの12コーナーだった。マルケスがバニャイアのイン側に位置取りブレーキング。わずかにマルケスが先行したかに見えたが、このときバニャイアはハードブレーキングでコーナーに入っていた。「彼はきっとラインを外す」。バニャイアはマルケスを見てそう思ったという。そしてその通り、マルケスは曲がりきれずにはらんでいき、結果的にこれがバニャイアの優勝を決定した。

「(レースが終わって)まず思ったのは、『ああ、終わった』ということだったよ。長いレースだった。ずっとサインボードは『+0』だったんだ。僕は、ずっと強く、速かったとは思う。でもその度にチャンスを失ってきた。そういうことが、今日の優勝をすごく甘美なものにしてくれた」

「今日の優勝は、僕の中でも最高のものだよ。子供のころからMotoGPを見ていて、大きくなってからはバレ(バレンティーノ・ロッシ)や(ダニ・)ペドロサ、(ホルヘ・)ロレンソが戦うのを見ていた。そして僕がMotoGPに昇格してからは、マルクやドビ(アンドレア・ドヴィツィオーゾ)、ロレンソのバトルを見続けていた。MotoGPで優勝するのは夢だったんだ」

 バニャイアは決勝レース後の会見のなかで、そう語った。2021年シーズンはドゥカティのファクトリーチームに移籍し、今季これまでたびたび速さを見せていたのは確かだった。第12戦イギリスGPまでには、4度の表彰台を獲得している。ただ、優勝には手が届かなかった。
 
 しかし、この週末のバニャイアは「完ぺきだった」。ついに成し遂げた優勝に、バニャイアはパルクフェルメでのインタビューで笑顔で白い歯を見せていた。また、このバニャイアの優勝は、ロードレース世界選手権の最高峰クラスにおける、イタリア人ライダーの250度目の優勝となった。
 
「(マルケスがオーバーテイクを仕掛け始めたとき)僕はいいポジションにいたと思う。レース終盤、タイヤのグリップがなくなってきたときには、守るほうが楽だ。オーバーテイクしようとすれば、すぐにはらんでしまうからね。マルクが僕を攻め始めたとき、自分のブレーキングがすごく強いとわかっていた。だから、ブレーキングでそうそうオーバーテイクされることはないと思っていたよ。オーバーテイクのたびに、彼はワイドになっていた。リヤタイヤがそういうブレーキをするのに、もうきつい状況だったからだ。もし僕が2番手だったら、やっぱりオーバーテイクは難しかったと思う」

 冷静なバニャイアは、レースについてそう分析している。ともあれ、アラゴンGPのバニャイアは、パズルのピースがはまるようにすべてが強くまとまっていた、というところだろう。
 
 一方、猛攻が報われずに2位だったマルケスも、「ペッコ(※バニャイアの愛称)のブレーキングは深くてバイクをうまく止めていた。特に、加速のときにすごく速かった。今日はできることをやったよ」と、バニャイアのこの日のレースを認めていた。
 

■マルケスの懸念


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