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MotoGP ニュース

投稿日: 2022.04.29 10:00
更新日: 2022.04.29 12:37

『未来のMotoGPライダーを育てる土壌となるために』/MiniGPジャパンシリーズ開幕

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MotoGP | 『未来のMotoGPライダーを育てる土壌となるために』/MiniGPジャパンシリーズ開幕

 4月16日、茨城県の筑波サーキット コース1000でFIM MiniGP ジャパンシリーズが初開催された。MotoGPへとつながる道筋、その入り口のひとつとなるレースシリーズMiniGP。そのジャパンシリーズは様々な側面からライダーを育成する土壌となる可能性を感じられるレースだった。

 FIM MiniGP ジャパンシリーズは、FIM MiniGPワールドシリーズのひとつとして日本で開催される選手権である。FIM MiniGPワールドシリーズは2021年にスタートした世界各地で開催されるレースシリーズで、統一基準の下で行われる。参戦できるライダーの年齢は10歳から14歳。世界中のMotoGPを目指す、可能性のある若いライダーたちに平等な環境を提供し、技術を高め、MotoGPへのチャンスを広げることを目的としている。
 
 各シリーズのトップのライダーは、MotoGP最終戦バレンシアGPに併催のワールドシリーズ・ファイナルに進出し、そこでさらに成績を収めれば、国籍や年齢に応じて“Road to MotoGPプログラム”の次のステップが提供されるということだ。

 また、各シリーズのトップライダーには年齢や地域に応じて各タレントカップの選考会への参加、またはエントリーといった機会も提供される。2022年から始まったMiniGP ジャパンでは、開幕戦の現地での説明によれば、年間シリーズ上位1名がワールド・ファイナルに進むことができるとアナウンスされていた。なお、今季のMiniGP ジャパンは5戦10レースで行われる。
 
 バイクはイタリアのOHVALE(オバーレ)の160cc10インチのミニバイク『GP-0 160』、タイヤはピレリのワンメイクだ。MiniGPジャパンでは、車両はレンタル。エントリー費に車両レンタル代、タイヤ、オイル、ガソリン代が含まれており、経済的な負担が軽減されている。それもまた、MiniGPの目的のひとつでもある。
 
 2022年MiniGP ジャパンの開幕戦は、冷たい雨が落ちる天候で始まった。路面は完全にウエット。しかし2回のフリー走行を終えるころには天候は回復し、3回目のフリー走行と2回の予選とレース1、レース2は好天の下、ドライコンディションで行われ、16人のライダーによる熱戦が繰り広げられた。

松山遥希(#15)と国立和玖(#4)は2レースともに激しい優勝争いを展開
松山遥希(#15)と国立和玖(#4)は2レースともに激しい優勝争いを展開
レース1で優勝した松山遥希、2位の国立和玖、3位の池上聖竜
レース1で優勝した松山遥希、2位の国立和玖、3位の池上聖竜
レース2では松山遥希がダブルウイン、2位はこちらも連続表彰となった国立和玖、3位は齊藤太陽だった
レース2では松山遥希がダブルウイン、2位はこちらも連続表彰となった国立和玖、3位は齊藤太陽だった

 
 このMiniGPの日本シリーズ開催を実現したP-UPワールドの代表取締役社長、中込正典氏に、MiniGP ジャパンについて話を聞いた。中込氏はMiniGPジャパン開催の目的について、こう語る。

「若いライダーをMotoGPにつなげてあげるのもひとつあるのですが、日本人にMotoGPで走ってもらいたい、というところが目的にあります。今、MotoGPクラスで戦っているのは中上(貴晶)選手だけですが、日本人のMotoGPライダーがどんどん増えて、将来的には、昔のように日本人ライダーにチャンピオンになってほしいというのが目標です」

 中込氏はこのMiniGPに参戦することが、MotoGPだけではなく若いライダーに様々な選択肢になれば、とも考えているという。

「(もしMotoGPへとつながることができなくても)MotoGPだけがバイクレースの世界ではありません。全日本チームで育成に力を入れるところにつないであげるとか、(そういう道もある)。いいライダーは、次につながるステージをできる限り応援してあげる、それが私たちの仕事だと思っています」

 MiniGP ジャパンがどういう選手権として成長してほしいと思いますか。そう聞くと、中込さんは「ポケバイに乗っている子どもが、次にMiniGPで走りたいと言ってもらえるような大会にしたいですね」と答えた。

「それから、観客、ゲストの方に応援に来てもらえるような、子どもが真剣にやっているんだ、ということが伝わる大会にしていきたいですね。今後、さらにSNSなどで拡散していって入場無料などのアナウンスもどんどんしていくつもりです。目標は観客1000人なんですよ」

「参戦するライダーに、自分の学校で『僕が出るから来てよ、おもしろいぞ』って言ってもらえるようにしないと。そのためにドローンを飛ばしたりして、格好いい映像を作っていくつもりです。観客がいればいるほどイベントは盛り上がる。そういうことも意識しています。そうすれば、興味を持ってくれる次の世代が出てくると思っています」

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